秘密の部屋

砂糖羽ペン

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 目を開くと、見慣れない天井があった。

 真っ白い布団に包まれていることに気がついて、サクラは少し身じろいだ。


――ここは医務室? 何でここに?


「サクラ、目が覚めた?」


 ハーマイオニーの声が聞こえたので、眼鏡を掛け直しながら起き上がって隣を見た。

 隣でベッドに腰かけたハーマイオニーがこちらを見ている。

 周りを見ると、他の石にされていた生徒達も起き出したようだった。

 どうやら、マンドレイクの薬が完成して飲まされたようである。


「ハーマイオニー! わたし達、バジリスクに襲われちゃったんだね」

「ええ。でも、鏡越しだったから、石にされただけだったのよ。それに、私が持っていたバジリスクのページがなくなっていたから、ハリーとロンがそれを見つけて事件を解決してくれたのよ」


 マダム・ポンフリーが、事件が解決したので大広間でパーティが開かれる、と言って生徒達を医務室から追い出そうとしている。


「マダム・ポンフリー。事件は、ハリーとロンが解決したんですか?」

「そう聞いています」


 それを聞いたサクラとハーマイオニーは、にっこりと笑い合ったのだった。

 ふたりがベッドから降りて医務室から出ようとしたとき。ハーマイオニーがサクラのベッド脇の小机に目を向ける。


「あら? サクラ、それ、何かしら?」


 サクラもそちらに目を移すと、そこには綺麗に包装された箱が置いてあった。


「何だろう?」


 自分のベッドの小机に置いてあるのだから、自分の物なのだろう。しかし、これが一体何なのか、誰からの物なのか見当もつかない。

 開けてみると、中には砂糖羽ペンが入っていたのだった。

 砂糖羽ペンは、魔法界のお菓子の中で一番好きな物だった。


――でも、待って。それを知っているのは、ハーマイオニーとハリーとロンだけのはず……。


 サクラは、これについてマダム・ポンフリーへ尋ねてみた。


「これ、誰からの物か分かりますか?」

「ええ、分かりますとも」

「誰が……」


 しかし、マダム・ポンフリーは奇妙なことを言うのだった。


「けれども、誰からのものなのか、教えられません」

「え? どういうことですか?」

「その人が私に、そう言ったんです」


 彼女の返答に戸惑い、思わずふたりで顔を見合わせる。


「自分が来たことを、言わないようにと」

「えっと……同じ学年の生徒ですか?」

「それも教えられません」

「男の子とか女の子とかは」

「それもです」


 マダム・ポンフリーは、一体何故言ってはいけないのか分からない、と少し愚痴って、そしてサクラとハーマイオニーを医務室から追い立てたのだった。


「一体それをくれたのは誰なのかしらね」

「うーん」


 大広間へ向かいながらサクラは考えた。


「砂糖羽ペンって、サクラの好きなものよね」

「うん。でも、それはハーマイオニーとハリーとロンだけしか知らないはずなのに」


 サクラは、他に誰かに言ったかよく考えてみた。

 すると、自分の述べた言葉が脳裏に蘇る。



 お菓子は、砂糖羽ペンがいいな。



 その言葉を思い出したとき、心臓がドクンと鳴った。

 1年生のときのクィディッチの試合。あのとき、後ろの席に来たドラコが、ハリーに対して賭けをしようと言ってきた。そのとき、サクラは賭けるのはお金ではなくて、お菓子がいいと述べたのである。


――あのとき、お菓子は砂糖羽ペンがいいって言った。まさか……。


 行き着いた考えに、しかしサクラは心の中で首を振るったのだった。

 まさか、そんな筈はない。しかし、この砂糖羽ペンの送り主は何故己の存在を伏せる必要があったのか。

 もしかしたら、グリフィンドールのサクラへ気軽に贈り物が出来ない人物だとしたら。


――違う。まさか、そんなことはない。


 大理石の階段を下りていき、サクラとハーマイオニーが左手の大広間の扉を開ける。

 中の様子を目の当たりにすると、今まで考えていたことが全て吹き飛んだのだった。

 生徒も教師も皆パジャマ姿で楽しそうに宴会をしているのである。

 この様子だと、本当にハリーとロンが素晴らしい活躍をして事件を解決したようだった。

 生徒達がこちらに気付き、特にグリフィンドールの生徒達が大きな歓声と共にサクラとハーマイオニーを迎え入れてくれた。

 嬉しくなって、ふたりで一度顔を見合わせ、そしてグリフィンドールのテーブルへ駆けていった。

 ハリーとロンが立ち上がって、サクラとハーマイオニーを待ち受けてくれている。ハーマイオニーが真っ先にハリーへ抱き着いた。

 そして、次にサクラもハリーへ抱き着いた。


「ハリー、さすがだね! 事件を解決したんだね!」

「サクラとハーマイオニーのヒントのおかげだよ! 戻ってきてくれてよかった!」


 次にロンへ視線を向けると、ハーマイオニーと何やらはにかみ合っている。サクラは、ロンにも抱き着いたのだった。


「ロン、きっとすごい活躍だったんでしょうね!」

「あー、うん。サクラも無事でよかったよ」


 ロンは、少し照れながらも抱き締め返してくれた。

 このパーティも、去年の学年末のパーティのように楽しくて嬉しくて仕方がなかった。

 ハグリッドが午前3時半頃に現れてハリーとロンの肩を軽く押すと、ふたりは見事にトライフル・カスタードへ顔を突っ込んだ。

 事件を解決したハリーとロンは、200点ずつの得点と共にホグワーツ特別功労賞も与えられた。

 これにより、グリフィンドールは2年連続で寮対抗杯を獲得することが出来た。

 マクゴナガルが、お祝いとして期末テストをキャンセルすることを告げた。

 残念がるハーマイオニーとは違い、サクラは皆と一緒に喜んだ。

 ダンブルドアは、ロックハート先生が記憶を取り戻す必要があるので、来学期学校に戻ることは出来ないと発表した。

 これにもハーマイオニーが残念がったが、サクラはどちらかと言うと嬉しかった。

 ディーンが突然、サクラへ告白してきた。

 戸惑って何も言えないでいると、返事は後でいいと言われた。

 フレッジョが「僕達がいる限り、そんなことはさせないぞ」とディーンを脅していた。

 何度かスリザリンのテーブルの方を見てしまったが、一回ドラコと目が合ってしまったので、慌てて目を逸らしてそれっきりそちらを見ることはしなかった。

 ディーンの告白は、断ることにする。

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