秘密の部屋

佇む姿

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 クリスマス休暇が近づいてきた。

 サクラはハリー、ロン、ハーマイオニーと学校に残るので、ふくろうのクルミにその旨を書いた祖父母への手紙を託した。

 ドラコも学校に残るようなので、ハリー達はますます怪しいと思ったのだった。けれども、それはチャンスでもある。

 休暇中にポリジュース薬を完成させ、ドラコに話を聞こうと計画を立てた。

 しかし、ポリジュース薬はまだ出来上がっていない。あとは、二角獣バイコーンの角と毒ツルヘビの皮が必要なのだが、それはスネイプの薬棚にしかないのである。

 ポリジュース薬を造って使用するだけで学校の規則を50は破るのに、その上スネイプから材料を盗むなんて、気が引けてしまう。

 けれどもサクラ達はやらなければならないのである。


「必要なのは、気をそらすことよ」


 ハーマイオニーが手順を説明した。


「そして私達の誰かがスネイプの研究室に忍び込み、必要なものをいただくの」


 ハリーとロンが不安そうにハーマイオニーを見たが、彼女は落ち着いて説明を続けた。


「私とサクラが実行犯になるのがいいと思うの。あなた達ふたりは、今度事を起こしたら退学処分でしょ? 私達なら前科がないし」

「そうだね。わたし達がやった方がいいね。じゃあ、ふたりはスネイプ先生の気を引きつけててくれないかな。その隙に、ハーマイオニーと行ってくるから」


 ハリーとロンが、曖昧に頷いたのだった。



 作戦を開始するのは、木曜日の午後の魔法薬の授業。この授業はスリザリンとの合同である。

 まずロンが用意したのは、フレッドが作った「フィリバスターの長々花火」。それを、スネイプの視線を掻い潜って、ハリーがドラコの腰巾着のひとりゴイルの鍋へ見事投げ入れた。

 ゴイルの鍋が大きな音を立てて爆発し、「ふくれ薬」が多くの生徒へ降り注いだ。

 教室が阿鼻叫喚の渦に包まれる中、サクラとハーマイオニーがこっそりと教室を抜け出す。

 ふたりはスネイプの研究室へ向かい、急いで薬棚を調べる。


二角獣バイコーンの角と毒ツルヘビの皮……」


 ふたりで手分けして探したので、すぐに見つけることが出来た。

 サクラが毒ツルヘビの皮を、ハーマイオニーが二角獣バイコーンの角をそれぞれローブの下に隠し、急ぎ足で教室に戻ってきた。

 教室では、スネイプが色んなところがふくれてしまった生徒達に解毒剤を渡している。

 被害が収まった頃、スネイプはゴイルの鍋を調べて焦げて縮れた花火をすくい上げた。

 それをサクラ達は、一体誰がこんな騒ぎを起こしたのだろう、とでもいうような表情で眺める。


「これを投げ入れた者が誰か分かった暁には、私が間違いなくそいつを退学にさせてやる」


 それでも真っ先にハリーを疑ったようで、スネイプの陰鬱な双眸ははっきりとハリーを見据えていたのだった。

 授業終了後、4人は「嘆きのマートル」のトイレへ急いで向かった。


「これであと2週間くらいでできそう?」

「そうね」


 ハーマイオニーへ訊くと、嬉しそうに頷いた。


「スネイプは僕がやったって分かってるよ」

「君がやったって証明できないよ。あいつに一体何ができる?」

「あいつはスネイプだもの。何か臭うよ」



 サクラが魔法をかけて育てているヒメナデシコは、順調に育っていった。パックの中ではもう窮屈そうなので、中庭へ植え替えることにする。

 前回のようにスプラウトへ必要な道具を借りに行き、サクラはハーマイオニーと中庭へ訪れた。

 前回のような事件は起こらずに、無事に植え替えを終了することができたのだった。


「ここ、雪が積もってもきれいな花が咲くところにしたいな」

「すてきね」


 雪が降って一面が真っ白になっても、鮮やかな花が咲き誇るところを思い浮かべる。それが成功したら、とても素晴らしいものだと思った。

 次の日。サクラは信じられないものを目にする。

 移動しているときに、中庭が見える廊下を歩いていた。そのとき、ヒメナデシコに異常はないか確認しようと外へ目を向けた。

 サクラのヒメナデシコを見下ろすプラチナブロンドの少年が佇んでいる。

 あまりの衝撃に足を止めてしまった。それはハーマイオニーも同じで、ふたりで顔を見合わせた。

 彼は、すぐにその場を立ち去ったのだった。


「どうしたんだい?」

「な、なんでもないよ!」


 動揺を抑えきれずに、ハーマイオニーとふたりの元へ駆け寄る。

 その後、ふたりで図書館に行ったとき、本を探さずにとりあえずテーブルについた。


「ただ見てただけなのよね」


 確認するようにハーマイオニーが最初に口を開く。

 サクラは自分の中で考えがまとまらず、少し沈黙が訪れる。


「……何で、見てたのかな」

「分からないわ。つまり、どういうことなのかしら――マルフォイが……中庭に植わってる植物に興味を持つ人なの?」

「分からない」

「あれは、サクラの育てるヒメナデシコだって知ってるのかしら」

「それは分からないけど、でも、わたしが花を育てようとして、前回失敗して、それでまた挑戦しようとしているのは知ってる。直接わたしが話したから」


――もし、あれがあたしが育ててる花だと知っていたら。それは、一体どういうことなの?


「あれがサクラの育てる花だと知っていたら、何故それをマルフォイが見るのか分からないし、知っていなくても、何故マルフォイが中庭の植物をわざわざ立ち止まって見るのか分からないわ」


 ふたりで考えても答えが出ない。

 サクラは、ヒメナデシコを見下ろすドラコが気になって仕方なかった。



 数日後。4人で玄関ホールを歩いていると、掲示板に人だかりが出来ていた。

 シェーマスとディーンが興奮気味で手招きをしてきたので、サクラ達も掲示してある羊皮紙のところへ行った。


「ハーイ、シェーマス、ディーン。どうしたの?」

「やあ、サクラ。『決闘クラブ』を始めるんだって!」


 シェーマスが羊皮紙を指差して答える。


「今夜が第1回目だ。決闘の練習なら悪くないな。近々役に立つかも……」

「え? 君、スリザリンの怪物が、決闘なんかできると思ってるの?」


 ロンがディーンに皮肉るが、掲示に目を奪われていた。


――実践か。いいかも。


 ずっとハーマイオニーと図書館で色んな呪文を練習していたから、たまには実践で試してみたかったのである。

 夕食に向かう途中、ロンが「役に立つかもね」と言う。ディーンを皮肉っておきながら、自分も乗りだったのである。


「僕達も行こうか?」


 サクラもハリーもハーマイオニーも大いに賛成したのだった。

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