秘密の部屋

闇の魔術に対する防衛術

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 サクラとロンとハーマイオニーが闇の魔術に対する防衛術の教室に来ると、ハリーは既に一番後ろの席についていたのだった。

 ハリーは目の前で、ロックハートの7冊の本全てを積み上げている。ロックハートの視線を完全に遮断したいのだろう。いや、彼の存在そのものをかもしれない。

 ロックハートが大きな咳払いをすると、教室が静かになる。前の方に座る生徒の教科書を掴んで掲げた。

 表紙に写るウィンクをする人物を指して一言。


「私だ」


――見りゃ分かる。


 そして、ロックハートは何故か自分の受賞歴を語った。


「――最も、私はそんな話をするつもりではありませんよ。バンドンの泣き妖怪バンシーをスマイルで追い払った訳じゃありませんしね!」


 少し間が空く。ロックハートは生徒の笑いを待ったようだが、実際にはほんの数人が微妙に笑っただけだった。


「全員が私の本を前巻揃えたようだね。大変よろしい」


 そしてロックハートが、ちょっとしたミニテストを行うと言い出して、問題用紙を配った。


「30分ですよ。よーい、始め!」


 サクラは問題を読む。

 そこには、ロックハートの好きな色や密かな大望、ロックハートの業績の中で何が一番偉大だと思うか、などという問いが記述されている。

 このような問題が、裏表合わせて3ページも続いていた。


――こんなくだらないテストで30分も……何の苦行?


 一応ロックハートの本にも全て目を通していた。確かに、その中で彼の個人的な記述もあった。しかし、それは授業とは関係ないだろうと思って、全てスルーしていたのだった。

 だから、サクラが答えられる問題はほとんどなかった。

 長い長い30分が過ぎ、ロックハートは生徒から答案を回収して中身を眺める。


「チッチッチ、私の好きな色はライラック色だということを、ほとんど誰も覚えていないようだね。『雪男とゆっくり一生』の中でそう言っているのに。『狼男と大いなる山歩き』をもう少ししっかり読まなければならない子も何人かいるようだ――」


 前列に座る、シェーマス・フィネガンとディーン・トーマスが声を押し殺して笑っている。

 ロンは呆れ顔だし、ハリーはもう全く話を聞いていない様子だった。

 そこで、うっとり顔のハーマイオニーの名前が呼ばれた。彼女がただひとり満点だったのである。それにより、グリフィンドールに10点が入った。

 新学期初日で、グリフィンドールが30点も獲得し、その内の20点がハーマイオニーひとりで稼いだ得点である。

 ロックハートはやっと授業を始めるようで、机の後ろから覆いのかかった大きな籠を取り出してきた。


「さあ、気をつけて! 魔法界の中で最も穢れた生き物と戦う術を授けるのが、私の役目です!」


 ロックハートが大仰な言葉を垂れ流し、籠の覆いに手をかける。

 流石のハリーも、積んだ本から覗き見た。


「どうか、叫ばないようにお願いしたい。連中を挑発してしまうかもしれないのでね」


 ロックハートがそのような言い方をするので、生徒達は息を潜めて籠を見つめる。


「さあ、どうだ――捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー小妖精!」


 ロックハートが覆いを取り払った籠の何には、見たこともない生物が詰まっていた。

 群青色の体で、20cmほどの大きさ。手足が細長く、目と耳が大きい。キーキーと甲高い声を発しながら、籠の中を飛び回っていた。

 それを見て、シェーマスが吹き出す。


「どうかしたかね?」

「あの、こいつらが……あの、そんなに、危険なんですか?」


 シェーマスは、笑いを堪えながら尋ねた。


「思い込みはいけません!」


 ロックハートが指を振って見せる。


「連中は厄介で危険な小悪魔になりえますよ!」


 そしてロックハートは籠を開ける。ピクシー達が一斉に出てきて一瞬にして教室を飛び交う。

 窓を突き破って飛び出し、教科書を破き、インク瓶をひっくり返す。ハーマイオニーは髪の毛を引っ張られ、サクラは眼鏡を取られて窓の外へ放り投げられた。


――あああたしはもうだめだ!


 丁度そのとき、ネビルが教室へ入ってきた。1限の薬草学で気絶してからずっと医務室にいたのだった。

 このタイミングで来てしまったことが不憫に思えてならない。その上、教室内を見て呆気にとられているネビルを、2匹のピクシーが両耳を引っ張ってシャンデリアに吊るしてしまったのだった。


「さあさあ、捕まえなさい! たかがピクシーでしょう」


 机の下に潜り込む生徒達に向かって、ロックハートが叫ぶ。


――捕まえるって言ったってどうやって! それを教えてからにしてよ!


 ロックハートは、腕まくりをして杖を構えた。


「ペスキピクシペステルノミ」


 呪文を唱えるが、効果は全くない。ピクシーが1匹、杖を奪って窓の外へ投げたのだった。丸腰になったロックハートは、自分の杖の下に潜り込んだ。


――だめだこの人!!


 授業終了のベルが鳴り、ネビル以外の生徒達は一斉に出口へ向かった。

 ロックハートは、サクラ達を呼びかけたのだった。


「さあ、その4人にお願いしよう! その辺に残っているピクシーを摘んで、籠に戻しておきなさい」


 そう言い残し、ロックハートはさっさと奥の研究室へと行ってしまった。


「耳を疑うぜ」


 ロンは、ピクシーに耳を噛まれている。


「私達に体験学習をさせたかっただけよ」


 ハーマイオニーは2匹1組で「縛り呪文」をかけていく。


「体験だって?」


 ハリーは、うんざりしながらピクシーを追いかけていく。


「ハーマイオニー、ロックハートなんて、自分のやってることが自分で全然分かってないんだよ」

「違うわ。彼の本、読んだでしょ? 彼ってあんなに目の覚めるようなことをやってるじゃない」

「ご本人はやったとおっしゃいますがね……」

「ねえ、みんな」


 そこでサクラが、3人に声をかける。


「まずはネビルを助けてあげない?」

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