秘密の部屋

得点

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 その後マクゴナガルがやってきて、時間表を配られた。

 それを確認すると、最初に薬草学の授業が入っていたので、4人は学校を出て温室へ向かった。

 ハッフルパフと合同なので、その生徒達と共に野菜畑を横切って歩いていく。

 ハーマイオニーは、「吠えメール」がハリーとロンの十分な罰になったと思ったようで、もうふたりにつっけんどんな態度をとらなくなったのだった。

 温室へ着くと、既に到着していた生徒達と一緒に先生を待つことにする。すぐに担当教師であるスプラウトが大股で歩いてきた。その腕には多くの包帯を抱えている。

 遠くの方にある「暴れ柳」が目に入った。ハリーとロンがそこへぶつかったせいでかなりのダメージを被ったようで、吊り包帯をしていたのだった。

 スプラウトは、何故かロックハートと一緒だった。

 ロックハートは、鮮やかなターコイズブルーのマントを羽織り、同じ色の帽子を完璧な角度で被っている。


「やあ、みなさん!」


 ロックハートが生徒達へ陽気に笑いかけた。


「スプラウト先生に、『暴れ柳』の正しい治療法をお見せしていましてね。でも、私の方が先生より薬草学の知識があるなんて、誤解されては困ります――」


 それから、自分が旅の途中にたまたま「暴れ柳」に出会ったエピソードを語り始めた。しかし、それをスプラウトが遮る。


「みんな、今日は三号温室へ!」


 普段は明るくて元気な性格だが、今日は不機嫌そうなスプラウト。

 1年生のときは、ずっと一号温室だったのに、今年はもっと不思議で危険な植物が植わっている三号温室で行うようである。生徒達は興味津々になってひそひそと話した。

 スプラウトが、ベルトから大きな鍵を抜いて、三号温室のドアを開く。

 4人は中に入ろうとしたが、ハリーだけそれが叶わなかった。


「ハリー! 君と話したかった」


 ロックハートがハリーを捕まえたのである。


「スプラウト先生、彼が1、2分遅れてもお気になさいませんね?」


 スプラウトがしかめっ面を見せたにも関わらず、「お許しいただきまして」とロックハートはドアを閉めたのだった。


――個人的な用事で生徒を授業に遅らせるってどういうこと? 個人的な用事じゃないのかな。


 温室内では、強烈な香りが鼻につく。恐らく、天井からぶら下がる傘のような大きな花の香りだろう。

 幸いハリーは、ほんの数分で開放された。

 スプラウトが目の前の台へ、色違いの耳当てを生徒の人数分用意したあとにハリーが戻ってきたのだった。


「今日はマンドレイクの植え替えをやります」


 サクラは新学期が始まる前に全ての教科書に目を通し、なおかつしっかりとその内容を覚えようとしてきた。

 だからスプラウトの話を聞き、マンドレイクはどのような植物だったかと思い出そうとした。


――えっと、回復薬だったかな……。


「マンドレイクの特徴が分かる人はいますか?」


 隣のハーマイオニーが、さっと手を挙げる。


「マンドレイク、別名マンドラゴラは強力な回復薬です。姿形を変えられたり、呪いをかけられたりした人を元の姿に戻すときに使われます」


 ハーマイオニーは流石だ、と感心する。

 スプラウトは、グリフィンドールに10点をくれたのだった。


「マンドレイクは大抵の解毒剤の主成分になります。しかし、危険な面もあります。誰かその理由が言える人は?」


 やはりこれにもハーマイオニーが手を挙げたが、同時にサクラも挙げた。

 ハーマイオニーは少しびっくりしてこちらへ顔を向ける。それは周りも同じで、皆がサクラを見たのだった。


「おや、では、ミスクジョウ」

「はい、えっと、マンドレイクの鳴き声は、それを聞いた人にとって命取りになるからです」

「その通り。グリフィンドールにもう10点あげましょう」


 サクラはうれしくなる。ロンが少し感心した表情をして、ハリーもハーマイオニーも微笑んでくれた。


「さて、ここにあるマンドレイクは非常に若い」


 スプラウトが説明を始める。一列に並ぶ苗の箱を示し、それをよく見ようと生徒達が前の方に詰めた。

 その苗は100個ぐらいの数があり、少し紫がかった小さな緑の植物だった。

 スプラウトが、耳当てをひとつずつ取って、と指示すると生徒達が一斉に前の方へ押し寄せた。

 生徒達が最早もみ合っている様を見て、サクラは驚いて戸惑ってしまった。


――うわっ……もう、大勢いるときは落ち着いて行動しないと危ないのに……。


 サクラひとりだけがゆっくりと取りに行った。そして後悔した。皆が取るまいとしていたピンクのふわふわとした耳当てだけが残っていたのだった。

 仕方なくそれを手にして戻ると、ハリー、ロン、ハーマイオニーは微妙な表情を向けてきた。


――こんなのつけたら、恥ずかしくて耳が腐りそう。


 しかし、気を取り直してスプラウトの話を聞く。

 スプラウトが合図をしたら耳当てをつけるらしい。完全に耳を塞ぎ、そして、取っても安全になったらまた合図をすると説明する。

 スプラウトの合図で、生徒達が一斉に耳当てを装着する。

 ふわふわとした感覚が気持ちのいいものではなかったが、それによって完全に外の音が聞こえなくなった。

 スプラウトが袖をまくり上げ、目の前の植物を掴んで一気に引き抜く。

 土の中に入っていた部分は、根っこではなく小さな醜い赤ん坊のようだった。葉っぱの部分は、髪の毛のように見える。

 それは泣き叫んでいるように口を開けて身を震わせているが、耳当てのおかげで聞こえずに済んだのだった。

 それを大きな鉢の中に突っ込み、すかさず土を入れて埋める。

 スプラウトは泥を払って親指を立てて合図をし、自分の耳当てを外した。


「このマンドレイクはまだ苗ですから、泣き声も命取りではありません。しかし、苗でもみなさんを間違いなく数時間気絶させるでしょう」


 スプラウトは、ひとつの苗床に4人で作業をすることを指示した。

 もちろん、サクラ達はこのまま4人でやるつもりである。

 まずは鉢にドラゴンの糞の堆肥を詰め込む。それから葉っぱを掴んでマンドレイクを引き抜いた。

 スプラウトは簡単そうにやっていたと見えたが、なかなか大変だった。土の中から出るのを嫌がるマンドレイクの力が、相当強かった。

 サクラは力いっぱい込めたがマンドレイクを引き抜くことができず、それは他の生徒達も同じである。皆がマンドレイクを引き抜くのに悪戦苦闘を強いられていた。

 何とか引き抜くことに成功し、その葉っぱの下の部分を見てみると、それはやはり醜い赤ん坊のような形をしていて、気持ち悪い。

 マンドレイクはもがいたり蹴ったりしてくるので、思わず落としそうになってしまった。

 やっとの思いでマンドレイクを鉢に入れて湿った黒い堆肥を入れる。ひとつの苗だけで、かなりの時間がかかった。

 授業終了の頃には、生徒達は皆汗まみれて疲れ果てていた。

 アクシデントと言えば、耳当てをしていたにも関わらず、ネビルが気絶してしまったくらいである。

 新学期最初の授業でこんなに疲労を感じてしまい、サクラは早々にベッドの中に入りたくなったのだった。



 次は変身術の授業なので、サクラはベッドには行けずに教室へ向かった。

 授業内容は、コガネムシをボタンに変える課題だった。

 ロンの杖を見ると、何故かスペロテープでぐるぐる巻きにされている。訊いてみると、『暴れ柳』にぶつかったときに折れたのだと答えた。

 しかし、それでは直らないみたいで、火花を出したり濃い灰色の煙を出したりしたのだった。その煙で前が見えなくなり、ロンはうっかりコガネムシを肘で潰してしまう。それによって、マクゴナガルの機嫌が悪くなった。

 ハーマイオニーの方はもちろん、コガネムシを上手くボタンに変えられたが、ハリーはコガネムシを机の上で動き回らせているだけだった。

 サクラは何度も何度も挑戦し、授業が終わる直前にやっとボタンに変えられたのだった。しかし、色は艶のある緑色のままで、気持ち悪くて触れなかった。

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