秘密の部屋

誕生日プレゼント、姿の見えないふたり

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「さて、サクラの誕生日プレゼントを買いに行こうか」


 皆を見送って少しだけ寂しくなったが、祖母がそう切り出し、嬉しくなって頷いた。

 祖母がグリンゴッツで換金してサクラへの誕生日プレゼントを買ってくれる約束をしていたのだった。

 ふたりはダイアゴン横丁の人ごみに再び繰り出す。

 着いたのは『イーロップのふくろう百貨店』。店内に入ると、数多くのふくろうが目に入った。


「どの種類がいいのか、もう決めたの?」

「うーん、よく分からないから、ここに来てから決めようと思ってたの」


 サクラは店内を進み、1匹ずつふくろうを眺めていく。

 ハリーのへドウィグのような白いふくろうに、ドラコの持つ斑模様のワシミミズク。つぶらな瞳のウサギフクロウに凛々しい顔立ちのオオフクロウなど、様々な種類のふくろうがいた。

 約1年前にマクゴナガルのアドバイスを聞き、そしてホグワーツで1年を過ごして考え、やはりふくろうをペットにして飼っていれば便利だなと思った。

 ハーマイオニーとはマグル同士なので郵送でやり取りができるのだが、魔法使いの友人とはふくろうが必要なので、ペットとして欲しいと考えたのだった。


「ウサギフクロウかわいいな!」


 ウサギフクロウの見た目がかわいかった。うさぎのような耳に丸い目。比較的小さめで、目の下の毛がほんのりと色付いていて、まるで頬を染めているようだった。


「この子いいなあ」


 しかし説明文を読んでみると、初心者には難しいという記述があった。


「完全に初心者だから、やっぱり飼いやすいのがいいよね」

「そうだね。見た目で選んではだめだね」


――でも、飼うならかわいいのがいいな。


 サクラと祖母は、店内を見て回った。

 途中でメンフクロウの前を通り過ぎるときに、少しびっくりしたのだった。

 そのふくろうは、ずっとこちらを凝視しているような顔立ちに見えた。

 白くてハート型の顔をしていてつぶらな瞳なので、かわいくなくはないが、その顔立ちが能面のように見えて少し不気味さを感じた。

 ワシミミズクの方を見ると、やはりドラコのことを思い出す。


――同じふくろうを買うと、変に思われるよね……いや、でもワシミミズクを飼っている生徒なんて、いっぱいいるよね。


「じゃあ、この子にしようかな。ふくろうって言えば、こういうイメージだし」


 悩んだ末にサクラが決めたのは、モリフクロウだった。

 濃茶と薄茶と白の毛色でふさふさしていて、丸い瞳と細い嘴がかわいらしかった。

 他にも鳥籠や爪やすりなども揃え、気に入った雌のモリフクロウを連れて店を出た。

 サクラは、改めてお礼を述べようと祖母と向き合う。


「おばあちゃん、本当に、本当にありがとう!」

「いいんだよ。ただし、約束を忘れちゃだめだよ?」

「うん。ちゃんと大切に飼うね。エサも怖がらないでちゃんとあげる!」

「そう。それから、この子でまめに手紙を送ってくること。いい?」

「うん! ありがとう!」


 サクラはふくろうを買うために、しっかりと調べた。

 エサはウズラやひよこなどで、それを用意することを考えると少し気が引けた。しかし、動物を飼うということは基本的に大変なことなので、飼いたいのであれば多少の我慢は必要である。



 9月1日。

 少し自分に慣れてくれたモリフクロウと共に、サクラはキングズ・クロス駅へ訪れた。

 熟考を重ねた結果、「クルミ」と命名した。

 第一に色が胡桃っぽいし、それに胡桃の花言葉が「知性」や「知恵」で、ハーマイオニーと一緒にいるとそういう言葉に惹かれるからである。

 9と3/4番線の柵を通り抜けてホームに行ったが、そこでは3人を見つけることが出来なかった。

 サクラひとりで汽車に乗り込み、コンパートメントをひとつずつ確認していく。

 やっとハーマイオニーのいるコンパートメントにたどり着いて中へ入った。


「ハーイ、ハーマイオニー!」

「ハーイ、サクラ!」


 サクラは、ハーマイオニーの向かい側に腰を下ろす。

 もう少ししたらハリーもロンも来るだろう。


「確か、残りの夏休み中、ハリーはずっとロンのお家に行っていたんだよね」

「ええ、そうね」

「じゃあ、ふたりは一緒に来るのね。ねえ、ハーマイオニー。聞いてほしいことっていうか、お願いがあるんだけど」

「なあに?」

「えっと、こんなこと、ハーマイオニーに言うのは図々しいかもしれないけど……」

「あら、どうしたのよ」


 1年間魔法の世界で暮らし、ハーマイオニーをそばで見て、そして4人で冒険をしたから、サクラは色々と考えてみたのである。

 1年生の最後に、サクラは3人と一緒に得点をもらってグリフィンドールの寮対抗杯獲得に大きく貢献した。それでも自分は、他の3人と比べて著しく能力が劣っている。

 それはひどく恥ずかしいことであるし、それと同時に向上したい気持ちも湧き上がるのだった。


「私ね、1年間魔法の世界で過ごしてみて、思ったの。私、もっと魔法を使いたい、上手く使いたいの。それは、ハーマイオニー達を見て、強く思ったの。私は結局、ハーマイオニーのおかげでいい成績を取ることができたし、3人のおかげでグリフィンドールの寮対抗杯獲得に貢献できた」

「そんなことないわ。全部サクラの実力よ」

「うん、そう言ってもらえてうれしい。ありがとう。でも、ハーマイオニーがそう言ってくれても、私、やっぱりもっと魔法を上手く使いたいし、もっと知識を増やしたい。だからそのために、今まで以上にハーマイオニーに教えてほしいなって。図々しいかな……」

「いいえ、そんなことないわ。私も、サクラのおかげで1年間楽しく過ごせたし、充実してたもの。また1年、あなたと過ごせるのはとてもうれしいわ。私でよければ、何でも協力する」

「ありがとう、ハーマイオニー。これからも一緒に図書館に行ったり、色んな魔法を教えてもらったりしたいな。あ、もちろん、あなたがひとりで図書館に行きたいときがあれば、無理してついていかないからね」


 サクラとハーマイオニーは、改めてよろしくと言って笑いあった。

 話していると、コンパートメントの扉が開く。


「ここ、空いてるかな?」


 ハリーとロンかと思ったが、ネビルだった。


「うん」

「いいわよ」


 ネビルは、ほっとした表情でサクラの隣に座ってきた。


「久しぶり、ネビル。元気だった?」

「うん、元気だよ。ふたりは?」

「うん、元気」

「元気よ」

「トレバーも元気?」


 サクラが訊くと、ネビルは肩を竦めた。


「今は分からない。またいなくなっちゃって」


――トレバーは迷子癖? 逃亡癖?


 ネビルのヒキガエルのトレバーは、相変わらずネビルの手から離れて一人旅を満喫しているようだった。

 列車が動き出して出発する。3人は顔を見合わせた。


「ハリーとロン、来ないね」

「別のコンパートメントにいるんじゃない?」

「多分、きっとそうだよ」


 しかし、ホグワーツに着いて大広間まで行っても、ふたりの姿は見つからなかったのだった。

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