秘密の部屋

再びダイアゴン横丁へ

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 夏休みに入ったサクラは、宿題と家事のお手伝いを必死にこなしていた。

 もともとサクラは真面目な性格で、日本にいたときも宿題を溜めずにこつこつとやっていたのである。

 家事も、お手伝い程度なら日常的にやっていた。しかし、今は料理を覚えようと祖母に指南してもらっている。

 ちゃんとメニューを考え、そして1食分を作れるようになりたいからである。


――日本食を食べたいからね。


 どうしても日本食を食べたくなる衝動に駆られ、それなら料理が出来るようになろうと考えた。

 祖母も喜んで教えてくれて、祖父もおいしいと言ってくれるのだった。

 夏休みの残りがあと1ヶ月と少しになったある日、1匹のふくろうがやってきた。茶色小さな身体で、お世辞にも綺麗なふくろうとは言えなかった。

 そのふくろうから手紙を受け取って開く。

 ロンからだった。

 ハリーの保護者をしている親戚のダーズリーがハリーを部屋に閉じ込めたから、助け出そうと思う、という内容だった。


「ハリーの親戚の人、ほんとひどい!」


 夏休みに入ってから一度もハリーの手紙が届かなかったのは、きっとこの親戚のせいに違いない。

 サクラは、返事を出すためにペンを握った。

 日本から持ってきたかわいい便箋が残っていたのでそれを使い、そして同じく日本から持ってきた色ペンで手紙を書いた。

 これには、ハーマイオニーがとても喜んでくれたのだった。やはり女子同士で感性が同じなのである。


 ロンとハリーへ

 お元気ですか? ハリーが無事に助け出されていればいいんだけど。どちらもけがはない?

 ハリーは大丈夫? 親戚の人に、他にひどいことされていなかった?

 ハリーの無事を知りたいので、なるべく早くお返事ください。

 そういえば、ハーマイオニーが、新しい教科書を水曜日に買いに行くって言っていたけど、ロン達もその日行かない?

 その日にみんなで会えたらいいな。

 お返事待ってます。

 サクラ


「またお願いね」


 書いた手紙をふくろうに託し、空へ送った。

 そして、しばらくして別のふくろうから手紙をもらった。ハリーは無事だという内容で、安心したのだった。



 水曜日の日、サクラ、ハリー、ロン、ハーマイオニーは、グリンゴッツで待ち合わせをすることにした。まずはそこでお金を下ろすためである。

 皆と久しぶりに会えて嬉しかったが、ウィーズリー家が妙に焦っていたのだった。訳を聞くと、ハリーが迷子になったらしかった。

 ウィーズリー家とハリーは、煙突飛行でここダイアゴン横丁に来る予定だった。

 煙突飛行とは、魔法界での一般的な移動手段のひとつである。家庭の暖炉がネットワーク化しており、暖炉を介して遠く離れた場所へ移動出来るのである。

 この煙突飛行で、ハリーもここへ来る予定だったが、行き先を上手く言えなくて、違うところに着いてしまったようだった。


「あ、ハリーよ!」


 3人でグリンゴッツの前で待っていると、ハーマイオニーが声を上げた。

 ハリーは、探しに行っていたロンの父母、フレッジョ、パーシー、そしてハグリッドと共にやってきた。


「ハグリッドも一緒にいる!」

「ハリー!」


 3人は、白い階段を駆け下りてハリーの元へ向かった。


「ハリー、また会えてうれしいわ」

「ハリー、久しぶり! 無事でよかった」

「どっから出たんだい?」

夜の闇ノクターン横丁ってところ」

「へえ! 僕達、そこに行くのを許してもらったことないよ」


 ロンが羨ましそうに言うので、少し夜の闇ノクターン横丁に興味を持ったのだった。


「さあ、もう行かにゃならん」


 ハグリッドがそう言うと、ロンの母モリーが彼の手を握り締めた。そして、まるでハリーの母親のようにお礼を述べたのだった。

 サクラは、ハグリッドへ手を振る。


「じゃあね、ハグリッド」

「ああ、またホグワーツでな!」


 ハグリッドは、他の魔法使いや魔女に紛れて去っていった。


「『ボージン・アンド・バークス』の店で誰に会ったと思う?」


 皆でグリンゴッツの階段を上っていると、ハリーが訊いてきた。

 聞いたことのない店名だが、ハリーがさっき行ってきた夜の闇ノクターン横丁にある店だろうか。


「マルフォイと父親なんだ」


――え! また一緒の日にここに来られた!


 去年の新学期の準備の日に、同じタイミングでドラコと書店で出会った。この偶然に、サクラはうれしくなる。


「ルシウス・マルフォイは、何か買ったかね」


 ロンの父親のアーサーが、後ろから聞いてきた。険のある声だったので、ドラコの父親とは仲が悪いのだろうか。


「いいえ、売っていました」

「それじゃ、心配になった訳だ。ああ、ルシウス・マルフォイの尻尾を掴みたいものだ……」


 アーサーの言葉は何を意味するのか分からないが、恐らくふたりは仲が良くないのだろう。


「アーサー、気を付けないと」


 ロンの母モリーがたしなめるように言うと、ゴブリンが丁寧に一行を招き入れた。


「あの家族は厄介よ。無理して火傷しないように」


 モリーの言葉に、少し胸が痛くなる。


「なにかね。私がルシウス・マルフォイに敵わないとでも?」


 アーサーと仲が悪いとなると、マルフォイ家は良い家とは言えないだろう。

 銀行内のホールに、サクラの祖母とハーマイオニーの両親が待っているのが見えた。アーサーが、何かを見つけたようにうれしそうにそちらへ歩み寄る。


「そこに持っていらっしゃるのは何ですか? ああ、マグルのお金を換えていらっしゃるのですか。モリー、見てごらん!」


 アーサーは、まるでおもちゃを見る子供のように興奮した。


「やっぱりマグルのお金はめずらしいんだね」

「それだけじゃない。僕のパパは、マグルおたくなんだ」

「マグルおたく?」

「パパは、マグルの使うものに興味があるんだ。魔法省の『マグル製品不正使用取締局』に勤めているし」

「えっと……マグル製品を使った人を取り締まるところ?」

「いや、魔法のかかったマグル製品を取り締まるのさ。それがまたマグルの手に渡ったら大変だからね」


 ハーマイオニーは、両親と持参したマグルのお金を魔法界のお金に換金するらしい。

 サクラ、ハリー、ウィーズリー家はゴブリンと一緒に地下の金庫へと向かった。

 この危険なトロッコの旅は2度目だが、やはり慣れない。早々に気分が悪くなったのだった。

 そして、ウィーズリー家の金庫の中を見てしまい、居た堪れなくなる。僅かな銀貨と一枚の金貨しかなかった。

 自分の金庫に着いたときは、急いでコインを取ってきて急いで扉を閉めた。

 ハリーの金庫には、思わず目をみはった。彼もサクラと同じ気持ちになったのか、足早に戻ってきたのだが、その金庫の中がちらりと目に入った。中から眩い金色の輝きを放っていたのである。

 グリンゴッツから出ると、皆は別行動を取った。


「一時間後にみんなフローリシュ・アンド・ブロッツの書店で落ち合いましょう。教科書を買わなくちゃ」


 モリーが皆に呼びかけた。

 そこは、約一年前にドラコと初めて会った書店である。


「みんな、教科書リスト見た?」


 曲がりくねった石畳を散歩しながら、サクラが3人に尋ねた。


「ほとんどか、ギルデロイ・ロックハートっていう人の本だったよね」

「ああ。『闇の魔術に対する防衛術』の新しい先生は、きっと魔女だって話してたんだ」

「その人のファンなのかな」

「じゃなきゃ、こんなイカれた教科書のオンパレードにはならないよ」

「あら、ギルデロイ・ロックハートはいくつもの本を出しているから、とても才能のある魔法使いだと思うわよ」

「才能のある魔法使いなら、もっと値段にも頭を働かせてほしいよ」

「ちょっと高めだもんね、その人の教科書」


 4人は、フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリームパーラーでアイスを買った。ハリーがいちごとピーナッツバターの大きなアイスを買ってくれて、4人は談笑しながらウィンドウショッピングを楽しんだ。

 「高級クィディッチ用具店」で、ロンが好きなチームのユニフォーム一揃えを見つけて動かなくなった。ハーマイオニーは、隣の店でインクと羊皮紙を買いたいようで、ロンを無理やり引っ張っていった。

 「ギャンボル・アンド・ジェイプスいたずら専門店」でフレッジョとリーを見つける。今年度も彼らのいたずらに笑わせてもらおうと思った。

 あまり繁盛していなさそうな雑貨屋では、パーシーを見つけた。先ほど、新しい羽ペンが欲しいともそもそ言っていたのだが、もう買ったのだろうか。

 彼は『権力を手にした監督生たち』という小さな本を没頭して読んでいた。


「『ホグワーツの監督生たちと卒業後の出世の研究』……」


 ロンが、その本の裏表紙にある言葉を読み上げる。


「こりゃ、すンばらしい……」

「あっちへ行け!」

「そりゃパーシーは野心家だよ」


 パーシーを残して店へ出て行くとき、ロンが低い声で言う。


「将来の計画はばっちりさ……魔法省大臣になりたいんだ……」


 一時間ほど経ち、サクラ達は書店へと向かった。

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