天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第32章~崩壊の次の日~

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。

次の日。崩れた村にて。


「...ん?」


飛蘭は起き上がり、上に乗った瓦礫をどける。既に戦を終え、聖闘士は勿論、冥闘士もハーデス城に戻っていた。


「私は、アローンに殺された筈じゃ...??」


ふと首のネックレスを見る。真ん中のルビーが砕けていた。恐らくはこれの石にはとても強い祈りが込められており、その強い祈りが飛蘭の命を繋いだのだろう。


「そうだ、テンマ、耶人、皆は...??」


キョロキョロと周りを見回すとガタリと音を立て、瓦礫の下から耶人が出てくる。


「あ、あれ??」

「耶人!無事だったのか!」

「なんとかな。」


耶人も建物に気づいたようだ。ハーデス城をみた瞬間、瞳の奥に怒りを感じた。

何をするにしても動くことが先決だ。動こう。そう思った時、耶人の左手がなにかに触れる。


「ん...??」


そちらをふと見た2人は倒れているテンマに気づく。


「テンマ?!!」

「テンマ、おい、お前嘘だろ?!お前、死んでしまったのか?!!しっかりしろよ、テンマ!!」


2人は気づかなかった。後ろから歩いてくる一つの影に。


「ほう...まだ生き残りがいたとはな。」

「?!!あんた、誰だ?」










時を少し戻して。聖域、アテナの宮にて。


「待って!!!」


アテナは飛び起きた。アローンがハーデスとなり、テンマを殺す夢を見たからだ。


(アローン兄さんがそんなことをするわけがないから...大丈夫...)


そう心に言い聞かせ、宙に伸ばした腕を体の横に置きながらふと左手にある厚い壁に阻まれた向こうから二つの気配がすることに気がついた。


「アテナよ、報告がございます。アリエスのシオン、ライブラの童虎、只今イタリアより帰還しました。

この度の戦闘は恐れながら敗北を喫しました。白銀1名、青銅1名負傷、白銀1名、青銅2名が死亡しものと思われます。

森の大聖堂付近にあった街は壊滅し、城の周りにはハーデスの結界が敷かれました。

それと、ハーデスの器に選ばれた少年の名は、アローン。」

「!!...死亡したという白銀と青銅の名前を。」


淡々と告げるシオン。その言葉に違和感を覚えたアテナは問いかける。誰が死んだのか、と。

その答えには弟子を持つ童虎が答えた。


「はっ。一角獣座、ユニコーンの耶人、ペガスス座、ペガサスのテンマ、へびつかい座オピュクスの飛蘭。」

「そう、ですか......分かりました。これからすぐに冥王軍の進行が予想されます。教皇の支持を仰ぎ、迎撃の準備をするのです。それと、童虎、シオン。」

「「はっ」」

「ご苦労でしたね。次の戦に備え、他の青銅や白銀も休んでおいてください。」

「「ありがたきお言葉」」

(アテナ...何とか気丈な...悲しくないはずが無いだろうに...)


童虎とシオンは自分の宮へ戻りながらアテナを思う。その壁越しにアテナは己の手首を強く握りしめ、失われた聖闘士を思っていた。









時を戻してハーデス城前。

飛蘭と耶人はマントを羽織り、顔まで隠している1人の人と対峙していた。


「あんた、誰だよ!!」

「冥闘士か?!!喰らえ、ユニコーンギャロップ!」

「ええい面倒!倒してしまったら手当はしてやるからな!!サンダークロウッ!」


飛蘭の技を回避し、耶人のユニコーンギャロップは視界を覆うことで前を見えなくし、技が止まるようにし、マントを羽織った人は耶人の顔を地面に押し付ける。


「くっそ、怪我さえなければ...」

(こいつ、私のサンダークロウを躱したっ?!)

「馬鹿め。小宇宙を抑えなければ冥闘士に見つかるぞ。

私は長の命を受け、飛蘭とそこの天馬座を迎えに来た。」

「はぁ?あんた何言ってるんだ?何よりお前が信用できねぇ!お前誰だ?!」

「私はジャミールの戦士、ユズリハだ!

いいかこの天馬座はまだ完全には死んでいない!

飛蘭。貴方なら分かるだろう。蟹座、キャンサーのマニゴルドを師に持つあなたなら。」

「はぁ?!飛蘭さん、あんた黄金聖闘士が師匠なのかよ?!!」


それを聞こえないフリをしてそっとテンマの体に触れる。息をしておらず、傍から見れば死んだ人間だ。が...


「なるほどな。そういう事か。」

「ちょっ、飛蘭さんも分かったのかよ!」

「ああ。何となくは、ね。」

「え、じゃあこいつまだ生きてるの、か...??」

「そう長は言っていらっしゃる。そいつを担いで付いてこい。」


耶人が呆れた表情をしながらテンマを担ぐ。


「いくぞ」


ユズリハが髪を掻き揚げながらそう言うとユズリハの半径3m程が光に包まれる。


「これは...体が光に溶けていく!こんな力、黄金聖闘士でさえ持ってないぜ!」

(テレポーテーションか!)

「う、うわあああああ!!!!!」


4人は光に吸い込まれるように落ちていった。