天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第30章〜テンマの故郷とハーデス〜

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「テンマー?」


飛蘭はテンマ達のいた孤児院の前にたどり着いた。

飛蘭は燃えるドアに手を掛け、開けようとした。が、その行動は後ろからした声で中断された。


「ふふふ、やはり来たのだな、アテナの聖闘士。」

「誰だ貴様!」

「ん?仮面をつけている...ああ。女聖闘士か。ひひっ、楽しい戦いになりそうだぁ...

俺は天罪星リュカオンのフレギアス!

冥王様復活祝にお前から血祭りにあげてやるよおおおお!!

ハウリングインフェルノーーーーーーッッッッッ!!!」

「たかが冥闘士が、私を血祭りにあげる?...笑わせるんじゃねぇよ!!いいからここから失せろ!

サンダークロウッッッ!!!」


フレギアスの打ったハウリングインフェルノは普段鍛えてもらっている黄金聖闘士よりも圧倒的に弱く、軽く1発、急所に入れただけで倒れてしまった。

スッキリしながらも飛蘭は孤児院の中に入る。そこにはポカンとしながらある1点の壁を見つめているテンマがいた。


「ん?」


飛蘭はテンマの隣に並び、そこをよく見る。

大量の血とアローンの描いた絵が壁に張り付くようにあった。

アローンの描いた絵は全て笑顔で、今にも動き出しそうな美しさがあった。が、周りにある血のせいでそんな美しさがなくなっていた。

テンマをちらりと見る。目元を抑え、怒りを隠しきれていない。


「テンマ...焦ると死ぬぞ?」

「飛蘭...分かってるよ、そのぐらい....

ハーデス...ハーデス、許さねええええええええええ!!!!!!!!!!」


そういえばテンマが修行の時に言っていた。


『俺、アローンと二年前に約束したんだ!

俺は聖闘士に、アローンは立派な画家になってまた再会するんだ!!』


そのアローンは、もういない。

守るべき孤児院の子もいない。

絶望の最中にテンマがいることは言うまでもないだろう。

心の中で手を合わせながら飛蘭はその場を離れた。身内のことだ。邪魔しない方がいいだろう....








その頃。


「...彼が帰ってきた。

約束通り聖闘士になった君に会わなきゃ。僕も見つけたんだ。君に合う赤を。

そうだ、まだ飛蘭の絵を描いた事がないな。飛蘭の赤みを帯びた黒....ふふ、テンマに合う赤とぴったりだ。

2人を迎えに行かなきゃ」


君の絵の続きを、二年前のあの約束を、



今こそ、果たさなきゃーーーーーーー








場は戻りテンマと飛蘭。


「そろそろ童虎と合流できるだろう...此処で待っぞ。外がいいか?」

「...外で頼む。」


外に出る。相変わらず火は燃え盛り、死体と木が燃える独特の嫌な臭いがした。


「なぁ...飛蘭は、慣れてるのか...??こんなところ...」

「私?正直言って気持ち悪い。けど決めたんだ。

仲間が死んでいっても。その屍を超えて生きている今の仲間を、あの人を、守るって。」

「あの人?」

「いずれ会うと思うよ。そんな気がする。」

「そのネックレスを渡した人か?飛蘭、あんまりアクセサリーつけないだろ?」

「は?」


飛蘭は首元を見る。するといつも間にか大きなシトリンが一つ、横に小さなルビーが2つ嵌められた指輪を通したネックレスがつけられていた。ちなみに購入した記憶は無い。

飛蘭にこんなものをこっそりつけれるのは一人しかいない。


(マニゴルドか...)


飛蘭はシトロンとルビーの石言葉を思い出してみる。

シトロンは愛する喜び、繁栄、元気な心。

ルビーは不滅の愛、勝利、卓越者。

飛蘭の爪よりも小さいが大きい石言葉にマニゴルドの真意が隠されていた。

飛蘭はそれを感じ取り、照れながらも


「いいから進むよ!」

「ん?いいのか?想い人からの贈り物だろ?」

「うるさい!テンマも似たようなものだろう!」

「は?この花輪は俺とサーシャとアローンのお揃いだからな?!!」


お互い照れているので合流を忘れ、奥へと進んでいく。運が良かったことに、童虎達を見つけることが出来た。


「おーーーい!」


そう声をかけようとした。が、その声は爆音に掻き消された。

倒れる建物。倒壊に巻き込まれる数人の聖闘士。

辛うじて足を建物の下敷きにしただげ済んだ一角獣座の青銅聖闘士、耶人が童虎に助け出された。そして天を指さしながら呟くように言う。


「空に..冥闘士が....いや.....


冥王が..,」


飛蘭とテンマと童虎は同時に空を見上げる。空には雷を落とし、街を壊していく青年がいた。青年はこちらをふと見る。彼は美しい金髪に空のように澄んだ青い瞳をしていた。

3人にはその青年には見覚えがあった。

飛蘭は工房で。

童虎はテンマを聖域に連れていった時。

テンマは約束をした。

あのアローンが今、3人の頭上にいた。


「久しぶりだね、テンマ。

...いや、ペガサスよ。」

「お前がハーデスだって言うのかよ!!アローン!!」