天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第27章~仮面の下〜

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それから二年後。闘技場にて。

飛蘭は観覧席に座り、戦いの行方を見守っていた。それは新しいペガスス座の聖闘士を決める戦いだった。しかも決勝戦。

1人の小柄な少年が1回り大きな青年を倒す。その瞬間、大きな歓声を新たなペガスス座の聖闘士が生まれることが決まった。

教皇は高らかにこう宣言した。


「勝者、テンマ!今こそテンマを1人前の聖闘士として認め、聖衣を授ける!


ここにペガスス座の聖闘士誕生!」


その教皇の声と共に更に大きな歓声が上がった。飛蘭はその歓声に合わせ、小さく拍手を送る。本人は嬉しさを隠しているつもりだが、その飛蘭の表情は仮面をつけていても笑顔だ、と空いている口元を見れば誰でもわかる。

教皇がテンマにイタリアに冥闘士が集結しつつあること。聖戦が近いこと。それを告げている時、飛蘭の肩を誰かが優しくつつく。


「マニゴルドか...」

「おう。嬉しそうだな、飛蘭。」

「親しいものが聖衣を纏えるようになったのだ。嬉しくない方がおかしいだろう。」

「まぁ、そいつは飛蘭に気づいてないみたいだけどな。」

「気づくと思ったんだがなぁ...」


あれから飛蘭とテンマは稽古を重ねたりしたが、テンマが気づくことは無かった。


「まあ、いいよ。生きてくれたら、ね。」


そうぼそりと呟く。

ふと視線を感じたのか、テンマがこちらを向いて微笑む。が、その視線は飛蘭達の少し上を行っていた。

誰だろう、そう思いながら2人は見上げる。と、アテナが飛蘭達の後ろにいた。


「アテナ様。聖戦が近いですのでアテナ神殿にいた方が...」

「構いませんよ、飛蘭。聖闘士の誕生を見守るのもアテナの仕事。」


そう言いながらアテナはシジフォスと共に十二宮を上がるため、闘技場を後にした。


「さて、テンマにおめでとう、って言ってこようかな。すぐに戻るから先に巨蟹宮に戻っておいて。」

「はいはい。」


飛蘭はマニゴルドが十二宮の階段を登っていることを確認し、テンマの元へ向かう。

テンマに追いつくと、少ししょんぼりしたテンマがいた。


「テンマー!!」

「!あんた、蛇遣い座の...!!」

「おめでとう。早速任務も預かったみたいだね。頑張りなよ?」

「うん...けど俺の故郷にハーデスがいるかもしれねぇんだよ...ハーデスは清らかな心をもつ少年を依り代にするんだろ?そんな奴がいるから心配なんたよ...」

「ふーん。」


アローンか。飛蘭は直感で感じる。アローンは優しくて、清らかで、おそらくハーデスの依り代になるだろう。


「ハーデスは敵だ。かつては友人だったとしても殺す、敵でなければ守る。その覚悟があれば大丈夫だよ。」

「なっ、友人を殺すのか?!!」

「当たり前だろう。ハーデス一人死ねば地球のありとあらゆる命は救われるのだぞ?」

「けどっ....」

「アローンがハーデスだったら私は殺すぞ?」


考えていた友人の名を当てられたテンマは目を見開き、こちらを見る。


「目は口ほどに物を言うとは正にこのことだな。テンマよ。まだ気づかないの?」

「誰だよてめぇ!!」

「私は飛蘭。元は刀匠だったね。」


そう言いながら仮面を外そうとした。が、外せない


「ん..???」


後ろを向くとマニゴルドが立っていた。

しかも仮面の紐をいつの間にか持たれていた。


「マニゴルド...?」

「女聖闘士は仮面の下を見られたらその者を愛するか殺すか。だろ?俺以外に見せたらそいつを殺すことになるぜ?」

「...ん。忘れてた。ありがとう」


テンマはポカンとしている。辛うじて口から「どういうことだよ...」とは発せているが。


「改めて私は蛇遣い座、オピュクスの飛蘭。こっちは蟹座キャンサーのマニゴルド。

思い出せた?テンマ」

「あーーーー!!飛蘭!!刀屋の!!いつも間にか消えやがって!!ここにいたのかぁ?!!」

「うん。すまないな。テンマ。」


へたり込んでいるが本題から話がズレている。


「ということだ。サーシャを守るんだろ?敵は全て全滅させてやれ!」

「おう!当たり前だ!アローンもきっと無事だしな!」








その晩








「ん!マニゴルドのご飯は美味しい!」


マニゴルドとの食事は美味しいし楽しいので飛蘭の密かな楽しみとなっている。


「で、飛蘭、何か言うことは?」

「ふぇ?ふぁふかひは?(訳、何かした?)」

「口からものがなくなってから話せ!

テンマに素顔、見せようとしたよな?」

「?同郷のよしみだ。良くない?」

「駄目だ。あのガキがお前に惚れたらどいする。」

「それは無いから」

「あるからなぁ?!!」


惚れる惚れないの喧嘩話は夜遅くまで続いた。