天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第25章~久しぶり~

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。

童虎が遠征から帰ってきた。それだけならいつもの事だが、弟子を取ったらしい。そんな噂が聖域を駆け巡った。その少年の名はテンマ。

イタリアの貧民街を小宇宙に目覚め、洪水から救った少年。飛蘭には思い当たりしか無かった。

仮面の内側でふぅ、とため息をつきながら呟く。


「テンマ...聖闘士候補生になったのか...」

「ん?飛蘭、知っているのか?」


一時間前会ったばかりのエルシドに稽古をつけてもらいながら言われる。

エルシド。無口無表情な山羊座の黄金聖闘士。飛蘭が聖域に来た時は任務でいなかった磨羯宮の主。


「会っていきなり『稽古をつけてみたい』とか言う貴方に言われたくないです...っ!!」

「フッ、そうだな...っ!!!」


エルシドが飛蘭にほぼ零距離でエクスカリバーを放ってくる。ギリギリでエクスカリバーをかわしきり、思わず叫ぶ。


「ちょっ、いきなりすぎませんか?!!」

「うむ、すぐに反応して良いな。マニゴルドが見込んだだけある。」


納得だ。そんな顔をしながらアルデバランのように腕を組む。


「納得って....」

「...よく分かったな。」

「分かりやすい顔してますよ?!!」

「...無表情すぎる、と言われてな。たまに部下にもよく分からない、と言われるからな....すまない。」

「いえ、構いませんけど....」


少しだけ重い空気になった時、ふたりを呼ぶ明るい声が聞こえた。


「エルシド様ー!!馬鹿飛蘭!!お菓子作りましたよ!!」

「ラカーユ、すまないな。ありがとう。」

「ラカーユこら!!馬鹿とは何よ?!けとお菓子は貰う!!」


ラカーユはエルシドの部下の白銀聖闘士で、飛蘭がいきなり聖闘士候補生から白銀になってからも妬んたりせず、寧ろ明るく絡んでくれる青年だ。

飛蘭にお菓子ーーークッキーを見せびらかしながらラカーユは楽しそうに飛蘭をいじる。


「ほらほら飛蘭ー、何か言うことないのか?下さい、ってなぁ??」

「ぐぎぎ...ラカーユ、ください....」

「ん!食っていいぜ!エルシド様!さ、どうぞ!!」


ちなみに飛蘭の仮面は口と鼻の部分には仮面がついておらず、仮面は目元のみなので飲み食いは他の女聖闘士よりもしやすい。

3人が賑やかに話をしていると童虎が歩いてくる。


「賑やかじゃの!エルシド、ラカーユ、飛蘭!」

「童虎か。久しいな。」

「童虎様っ?!!」

「おー、童虎ー。」


3人3様な対応を見せる中、話は童虎の弟子の話になる。


「弟子を取ったそうじゃないか。」

「ああ!飛蘭と同じ東洋人らしいぞ!」

「へー、強いんですか?そいつ。」

「まだ小宇宙に目覚めた程度じゃな。けど素質がある。あやつは強くなるぞ。楽しみじゃ!」


やっぱりテンマだろうなぁ...飛蘭はラカーユの作ったお菓子をつまみながら思う。


『飛蘭、見ろよ、聖衣だぜ!』


うん、テンマが聖衣を纏ったらきっとこう言うな。そう思いながら食べていると噂の『童虎の弟子』がくる。


「童虎ー!稽古つけてくれよ!」


見た瞬間思った。

どこからどう見てもテンマだ、と。


「おう、テンマか!よし、稽古をつけてやろう!すまないラカーユ、美味かったぞ!またよければ食べさせてくれ!」

「はい!行ってらっしゃいませ、童虎様!」


バタバタと童虎が去った後、エルシドが告げる。


「声、かけなくても良かったのか?知り合いなのだろう?」

「聖域は案外狭いですし、あの子は鋭いので私に会ったら仮面をつけていても分かるかと思います。お気遣いありがとうございます。」


ラカーユの作ったクッキーを頬張りながら言う。話に関係ないから言葉に出さないが、クッキー美味しい。


「ふーーん、あいつ鈍そう。あ、鈍感とか、そんな意味だぜ?」

「分かってるよ!私はそこまで馬鹿じゃないよ。」


日が落ちるまで3人で他愛もない話で盛り上がった。













夕食。

今日はマニゴルドの当番で、飛蘭が巨蟹宮に戻ってくると既にいい香りが外からでも分かるぐらい漂っていた。ムサカのトマトスープのような香りがする。


「ただいまー」

「おかえり、飛蘭。磨羯宮にいたんだな。どーだったよ、エルシドとの稽古。」

「どんな人か警戒していたけど案外優しい方だったよ。自分を鍛えることばっかり考えてるけど」


苦笑いしながらパンドラボックスをおろす。床に下ろす途中に聞こえる中に入っているへびつかい座の聖衣がかたり、と音を出しているのを聞きながらマニゴルドとの話を楽しむ。


「ふーーん。あんまり話しねぇけど蟹座と山羊座は対極星座だからな。相性はいいと思うぜ。」

「へーー。そんなのあるのか。」


ご飯が並んだ食卓に二人でつく。予想通りと、タラモサラタ、ムサカ、野菜が挟まったピタだった。

飛蘭は手を合わせ、いただきます、と言いながら食事を食べる。


「いただきます、って何だ?」

「?やはり皆さんしないのか?」

「しねぇよそんなの...なんだよそれ...」

「いただきます、ごちそうさまでしたは食材とそれを育てたり収穫した人、作ってくれた人へ感謝を込めて命を食べさせていただきます、そんな意味が込められた大切な言葉だ。」

「ふーーん。」


よくわからない、そんな顔をしながらマニゴルドは小さく手を合わせ、いただきます、と飛蘭の真似をするように言う。

私は貴方と会えた、こうして一緒に食べられることにも感謝しているんだよ。

そう思いながら冷めないうちにマニゴルドの作った料理を頬張るのであった。