天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第18章〜境の終わり〜

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「....」


今私とマニゴルドは亡くなった方の列の隣と平行になるように歩いている。

永く、冷たくて、声も何も聞こえない。そんな静かな道中だったが、ある所を境に、悲鳴が徐々に聞こえ始めた。


「マニゴルド.....」


そっと声をかけてみるが、返事は帰ってこない。密かに覗き見た顔には憤怒と哀しみが混じりあっていた。


「ほら、ついたぜ。」

「?!!!」


黄泉比良坂の終点には大きな黒い穴が空いていた。

見下ろしても暗く、湿っていて何も見えない。そんな所に人々は飛び降りていく。

それが定めのように。

それが当たり前のように。


「おっと、落ちるんじゃねぇぞ?この黄泉比良坂とは違って落ちたら正真正銘死ぬからな。生きたければ落ちるな。」


そっとマニゴルドに肩を掴まれた。


「...助けられないの?」

「あぁ。もうこいつらは死んで肉体もなくなっている。助けたとしても戻るべき器はもう無い。」

「....」

「蟹座を務めるということはこいつらを全員あの穴に突き落とす覚悟が必要なんだぜ。俺に仕えるやつも、な。」


それを示すかのように傍にいた10歳程の女の子の首根っこを掴み、暴れ抵抗する彼女を穴に落とす。マニゴルドの表情は変わらず、当然のことをしているかのようだった。


「他の聖闘士も人によって違うが、それぞれ覚悟を持って戦っている。仲間の死もある。はたまた自分の死かもしれない。それを乗り越え、お前は戦えるか?

それを今日中に考え、明日、最後の修行をする。しっかり考えておけ。」


そう言ってマニゴルドは私を巨蟹宮へ戻す。もう夜だった。


侍女が布団の支度をしてくれていたのですぐに布団に潜ることができた。(ちなみにマニゴルドは私室で寝ている)


「覚悟....」


布団の中でぼそりとつぶやく。私は今、どうなのだろうか。瞳を閉じて考える。


目に浮かぶのは何故かマニゴルドの笑顔。

そうか、私はマニゴルドのことーーーー、

いや、今は関係ない。頭を振り払い、考える。

味方であっても私は処刑できる?マニゴルドのように幼い子さえもつき落とせる?

彼ーー、マニゴルドの為ならできる。非情、鬼、悪魔...どうとでも言われても、いい。私はあの人と共に生きて、アテナを守りたい。それで充分だろう。









蟹座の守護星である月が西へ沈んでいく。

答えをいう時が近い。