天の樹〜時を超えてでも貴方を守る〜

第16章〜選択「そんなの聞いてない!!」〜

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こうして教皇の間に入った飛蘭とサーシャは初めて教皇に会った。


「アテナ様。お迎えができず申し訳ございません。アテナ様のお迎えの支度をしておりました。道中何かございませんでしたか?」

「いえ、特に何も無いです。ありがとうございます...」


サーシャは少し下を見ながらぼそぼそと言う。そこで私はふと疑問に思ったことを告げる。


「教皇殿、ご高齢では無いのでしょうか。」

「ほう。お嬢さん、よく分かりましたな。」

「あ、名乗り忘れておりました。私は...」

「飛蘭、でしょう。貴女の後ろにいる夫婦が教えてくださいましたぞ。貴女方が着く少し前に、わざわざ十二宮を上がってこられましたぞ。」


呆気に取られた。夫婦?バッと後ろを向くが、マニゴルドとシジフォスがいるだけだ。

そしてマニゴルドはバツが悪そうに呟く。


「じじい、霊とか見えるかな。俺も見えるし話せるが、凄いいい人だな。お父さんは薙刀、お母さんは短刀よよく作ってたんだって?」

「ついでに言うとお父様は『長切れ』、お母様は『あまぎれ』なるもとが得意らしいな。」

「」


もうこの教皇様とマニゴルド、なんで分かるの。あと偉い人に「じじい」はダメだよ、そう現実逃避をしていた。そうすると、教皇様が私に聞いてきた。


「ところで、飛蘭はこれからどうするつもりだ?」

「できれば聖域でアテナを支え、聖戦で地上の為に戦おうと思っています。」

「そうか...じゃあ、その武器は全て没収になるが、いいか?」

「え?」


耳を疑った。岩薙と修羅を、手放す?


「待ってください、この二振りは私の親の形見なんです....!!!」

「?聞いてなかったか?聖闘士の武器は拳のみ。武器は基本使ってはいけないのだ。」

「だから一応武器は没収されるんだ。短刀は....まぁ、包丁のかわりとして考えたらセーフかな?」


岩薙が、修羅が、遠くに?

父上、母上、申し訳ございません。


「なら、この二振りは売って参ります。」

「は?!!」

「私の両親はそこそこ名のある刀匠です。そしてこの子達を大切にしてくれそうな人を知っているので、託してきます。」

「ま、待て、預かるぞ?壊したりはしない!聖戦が終わったら返ってくるぞ?」

「ありがとうございます。けど、ここの運営には食費も必要ですよね?その足しにして欲しいのです。」


そっと岩薙と修羅を抱きしめ、お別れをする。大丈夫、またきっと会える。そんな気がしている。だから、いいんだ。


「暫くしたらまた戻って参ります。しばしお待ちを。」


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数年後、飛蘭は少しマニゴルドと修行をした後、再び引き返し、短いながら刀匠として過ごしていた街に戻ってきた。


「おばちゃーん」


顔を覗かせたご飯屋は以前マニゴルドが食い逃げした所のご飯屋だった。


「おや、飛蘭ちゃん!引っ越すんじゃなかったのかい?」


覚えてくれていたらしく、嬉しそうに話しかけてくれる。


「うん、引っ越したけどちょっとおばちゃんに頼みたいことがあって来たの!」

「どうしたんだい?」

「この子を売りたいの!確かおばちゃんの旦那さん、倭刀、好きなんだよね?」

「うん、好きだけど...これ、形見じゃないのかい?」

「うん、そうだけどお金が無くてね...大丈夫、きっとまた戻ってくるし、それまで質みたいに残しておいて欲しいのもあるの。どう?」

「いいよ。」


大金をポンと渡してくれた。どうやら旦那さんはずっと岩薙と修羅を狙っていたようだ。


「ありがとう!また戻ってくるね!」

「気をつけるんだよー!!」


おばちゃんには申し訳ないが、おそらくもうここには戻ってこられない。ごめんね、さようなら。


そう思いながら街から離れる。アローンやテンマには会わないよう細心の注意を払った。一安心すると、物陰から話しかけられる。


「お、終わったか?飛蘭。」

「マニゴルドか。どうしたの?」

「お師匠に頼まれてな。ちょっとすまねぇな。」

「?」

「積尸気冥界波!!」


そこで私の意識は途絶えた。