撫子無双

もた@夢松熱中
@mota_aaa

さよなら、淡い夢の日々

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「「凛さんも一緒にアメリカに行きたい!?」」



ペドロがアメリカへ出立するその前日。凛の思わぬ言葉を、梁とアナベベが口を揃えて復唱した。



『はい。こちらへ来てまだ数ヶ月ですが、是非ペドロさんの闘う姿を見てみたいんです』


「え!?いや、そんな大層なものでもないんですけど…あははは!」



と言いつつ、満更でもなさそうなペドロ。

そんな相談を受けたヂェーンは、「やっぱり格闘家ねえ、凛ちゃんも」と苦笑するばかり。



「いいんじゃない?一緒に観に行くくらいなら。ね?ターちゃん」


「うん!凛ちゃんがそうしたいなら、遠慮せずに行っておいでよ!」


『有難う御座います!』



そうは言いつつも、ターちゃんは少し寂しそうに眼を伏せた。



「でも凛ちゃんまで行っちゃうなんて、寂しくなるなぁ…」


『先生…』


「毎日の水浴びを覗く事も出来ないし、朝起こしに行く時に胸をツンツンする事も出来なくなっちゃうんだもんなぁ…」


「アンタ毎日そんな事してたんかい!!」



うっかり毎日のエッチな日課をバラしてしまったターちゃんは、妻の張り手の制裁を受けた。「まったく!」と鼻息を荒くするヂェーンは、ふとペドロから貰った大会のパンフレットに目を移した。



「しっかし格闘家っていうのも色々居るのねー…これだけの人数が集まるんだから、さぞ大きな大か…」



興味もなさそうに見ていたヂェーンがそこで言葉を止めた。「どうしましたか?」とペドロが顔を覗き込むと、彼女の両目には$のマークがはっきりと映っていた。



「優勝賞金…五千万ドル…!?更に参加賞として全員に五十万ドル贈呈…」


「…なんだか、嫌な予感…」


「ターちゃん!アンタもこの大会に出なさい!」


「やっぱりー!」



金勘定のスピードは誰にも負けないヂェーンの頭の中には、既に五千万ドルの優勝賞金の事しかなかった。「でも…」と何とか異論を唱えようとしたターちゃんだが、直後ぐしゃりと彼女の手の中にあるパンフレットが握りつぶされた。



「でも、何?」


「…い、行かせてもらいまーす」



それ以上何か言えばどうなるのか、長年連れ添った経験から察したターちゃんは大人しく言う事を聞くことにした。だが、ターちゃんも大会に出ると聞いた凛は大喜びである。



『ターちゃん先生も大会に出るんですか!?』


「う、うん…気付けばそういう事になってました…」


『じゃあ、この大会で先生の闘う姿も見る事が出来るんですね!嬉しい!』



きゃっきゃっとはしゃぐ凛の横では、既にヂェーンがドルを日本円に換算している。

嬉しいのやら、悲しいのやら、ターちゃんにもよく分からない状況となっている。



「そういうわけだから、梁ちゃんとアナベベ。二人でお留守番よろしくね」


「えぇ!?俺達二人で!?」


「だってアンタ達は大会出ないんでしょ?だったらここでお留守番。ゴリさんも居るから大丈夫だと思うけど、しっかりやってちょうだいよ」



ヂェーンから告げられた無慈悲なお達しに、もはや泣き崩れるしかない二人であった。