パワプロクンポケット:銀河鉄道編  第1話『少年の旅立ち』

車掌さん
@999_Conductor

果てしない宇宙の旅へ

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「どうだ! 今夜の獲物はなかなか上物ではないだろうか!」

機械伯爵の所有する館の大広間で彼等は祝宴をあげていた。全員がこの星で機械人間になった豪族ばかりで、彼らもオイルジュースやエネルギーカプセル等を食している。

「伯爵、また一つコレクションが増えましたなぁ!」

「あぁ、後であれも皮を剥いで剥製にするとしよう。私も狩りの腕を上げつつあるからな、フハハハハハ!」

すると突然大広間の扉が開いた、そこにはパワポケが銃を片手に立っていた。

「機械伯爵!仇を討ちにきたぞ!」

「なんだ、ただのガキではないか。飛んで火に入る夏の虫とはこの事か、貴様なぞ返り討ちにしてくれる!」

機械伯爵の一言で激しい銃撃戦が勃発した。館の中では銃から放たれたレーザーが四方八方に飛び交っている。 伯爵側にいる機械人間も何人かがレーザーをまともに喰らってその場で倒れ動かなくなっている。パワポケは傷一つ無く、機械伯爵に向けて乱射している。そしてついには、パワポケと機械伯爵だけ生き残った。

「まっ、待ってくれ! 私が悪かった、この通りだ!」

突然機械伯爵が慈悲を乞い始めた。あまりにも急だったのでパワポケも乱射するのを止め、伯爵の言葉に耳を向けた。

「もう二度と人間狩りなどしない! 約束する!」

パワポケは一度銃を下ろし、伯爵に歩み寄る。そして憎しみと怒りを秘めた目で伯爵を睨み付けた。

「今更何を言うんだ、お前のせいで俺の仲間たちはみんな死んだんだ! そんなやつを生かしてたまるか!」

そして己の手に持っている銃で機械伯爵の頭を破壊した。パワポケはついに敵討ちを成し遂げた。

そして近くにあったランプを放り投げ、パワポケは燃え盛る館を後にした。

(父さん、母さん、亀田くん……、俺は999号に乗るよ。 機械の体を手に入れて、みんなの分まで長生きするぞ!)

この時、少年の心は不滅の命への憧れが燃え始めている。これから始まろうとする果てしない宇宙の旅に、パワポケは大きな希望を抱いていた。

「パワポケ、迎えに来たわよ」

イーベルは馬車に乗ってそう言った。パワポケは少し躊躇ったが、その迷いもすぐに振り切った。そして二人はメガロポリス目指して馬を走らせている。

「これであなたも、地球では殺人犯として指名手配されたわ」

「……分かってる。それはそうと999はいつ出発するんだ?」

「今夜の0時丁度、これに乗り損なったらもう一年待つことになるわ」

パワポケはふと思った、イーベルは何故自分を助けてくれたのだろうか。そして高価なパスをこうも簡単に渡してよいのだろうか。そんなことばかりを考えていた。


しばらくして二人はメガロポリスに入り込み、あるホテルに身を隠していた。

「メガロポリスか、こんな良いところなら一度でいいから仲間たちに住ませてやりたかった……」

天井まで広がる大きな窓から見る夜景はパワポケの住む街と違い、大きくきらびやかで、それでいて暑からず寒からず気持ちのよいところだ。

(……みんな、俺はいよいよ999号に乗るぞ。部族の血を絶やすことなく、永遠に継承していくぞ!)

窓に拳をつけ、パワポケはまっすぐ前を見つめていた。この街の何処かに、仲間たちの魂がさ迷っているかもしれないと思ったからだ。

「……イーベル、お前はあの少年に影のように付きまとい、決して離れてはいけないですよ」

「分かりました」

するとシャワールームの方からイーベルと誰かの会話が聞こえてきた、イーベルと自分以外にこの部屋には誰もいないと思っていたので、パワポケはその会話に呼び寄せられたかのようにシャワールームの扉の前に立っていた。

「あの少年って、俺のことか?」

すると扉の向こうから信じられないことが聞こえた。

「もし約束を破ったら、お前の命は無いと思いなさい」

それ聞いたパワポケは慌てて扉を開けてしまった、湯煙の中から紫の長い髪と白く美しいからだが現れた。

「パワポケ? 私に何か用でもあるの?」

「いや、話し声が聞こえたから気になって……」

「私は一人よ、きっとあなたの空耳だと思うわ」

イーベルは恥じることなくパワポケと話しているものだから、逆にパワポケが恥ずかしくなってしまい、自ら扉を閉めてしまった。

(空耳か……、もしそうだとしたらメーテルは一体……)

ベッドに戻り、自身のパスと時計とを照らし合わせながらもう一度床につこうとした、その時だった。

ドンドンドン!

「警察だ、ここにいるのは分かってるんだぞ!」

どうやら機械ポリスがここを嗅ぎ付けたらしい。このままでは999号に乗るのも夢のまた夢、パワポケは慌ててメーテルを呼ぼうとした。

「お待たせ、どうかしたの?」

「機械ポリスだよ、あいつらが来たんだ!」

するとイーベルはイヤリングを手に取り、パワポケに問いかけた

「パワポケ、あなたの決心に変わりない?」

「当たり前だ! 俺は絶対に機械の体を手に入れる!」

「……分かったわ、じゃあ目を閉じて!」

警察がドアを蹴破り、部屋の中へと押し寄せてきた。そして次の瞬間、イーベルが投げたピアスが眩しいくらいの光を放ち部屋全体がそれに包まれた。

その間にイーベルとパワポケは部屋から脱出し、ホテルの外に止めてある車にのって、999が待っているメガロポリス中央ステーションへと急いだ。

道中にスラム街が何ヵ所か見かけたりした。メガロポリスに入れたものの、999号に乗れず、ただその地帯で悲惨な生活に虐げられている人達がそこに住んでいるのだ。

「ひょっとしたら、俺もあんなことになってたかもしれないな……」

そのスラムを見る度に昔の事を思い出しながらこう呟いた。

「パワポケ、もうすぐメガロポリス中央ステーションに着くわよ」

そうしているうちに進行方向にはメガロポリス中央ステーションが見えてきた。

そこには貧しい者全員にとって憧れの999号が待っているのだ。


「23時45分発、マゼラン銀河線は65番ホーム。23時48分発、オリオン外回り線は29番ホームにお急ぎください」

ステーションに着いて最初に目にしたものは、信じられないほど広いこの大広間だった。色々な人がそれぞれの列車が待つホームに行き、売店で駅弁や旅の必需品を調達したりしている。

「イーベル、999号はどのホームにいるんだ?」

「99番ホーム、出発まで15分くらい早いけど先に乗っておきましょう」

そして二人は改札を通り、99番ホームに通ずるエスカレーターに乗った。

それに乗ってる間、パワポケはここに来るまでのことを思い出していた。親友の亀田と出会い、毎日祭りのように楽しく過ごし、自由気ままに過ごしてきた日々。機械人間の襲来により崩壊した村。そしてそいつらに家族と親友を殺されたりした。

楽しかったことと嫌な思い出が交互に現れては消えていた。

「パワポケ、これが999号よ」

イーベルが指差すその先には、1両のSL、C6250が停車していた。

「これが999号なのか!? 意外と古い車両なんだなぁ!」

見かけは古めかしく見える999号だが、耐エネルギー無限電磁バリアに守られた超近代化宇宙列車でもある。

「二度と帰らないお客のためには、こんな型の列車の方がいいのよ……」

すると不意にイーベルがこう囁いた。

「二度と帰らないって……、俺は機械の体を手に入れたら絶対にここへ帰ってくるつもりなんだぞ!」

その言葉のせいで癪に触ったパワポケはついカッとなって、イーベルに怒鳴ってしまった。

「……そうだったわね、でもいずれあなたにもわかると思うわ」

複雑な空気の中、二人は999号に乗った。

もちろん客車の方も旧式のままで、何処もかしこも変わったものはない。

「切符を拝見します」

座席に座ると、パワポケより少しだけ背の高い車掌が現れた。顔は黒く、目が黄緑色に光っていて、それでいて帽子を深く被っている不思議な車掌だ。

二人は彼にパスを渡し、車掌はその二つのパスをじっと見るとすぐに二人に返した。

「パワポケさんにイーベルさんですね、発車までしばらくお待ちください」

そう言って車掌は隣の車両へ行ってしまった。

パワポケはホームにある時計を睨み付け、発車するのを待っている。

(あと3分、あと3分で999号が発車するぞ……!)

時計の針が一つ、また一つと動く。そして……。

「お待たせしました、99番ホームから、アンドロメダ行き超特急が発車します」

アナウンスと共に、ジリリリリ!と発車のベルが周囲に鳴り響いた。

そして今、若者の新たなる旅の始まりを告げる!

〈ポォーーー!!〉

夢と希望と、野心を乗せて、列車は遥か彼方のアンドロメダ目指して走り始めた!

走行する列車のスピードが増す度に、パワポケは胸が高鳴るのを感じていた。ふと前を見ると、線路が途切れているのが見えた。

「えっ、このままじゃ落ちるぞ!」

パワポケは慌てたが、心配に越したことはなかった。列車は線路が無くなってもなお、前へ前へと走り続けている。

「これは宇宙列車、だから線路が必要なのは駅の構内だけなのよ」

イーベルがそう言うのを聞いて、パワポケは安堵した。

車窓から下の方を見ると、真っ黒い陸地に点のように光るものがよく見える。

「光っているのは機械人間が住むところ、そうでないところは機械の体を変えない生身の人間が住んでるのよ。」

イーベルがそう言うのを聞き、パワポケは納得した。

(みんな、行ってきます。機械の体を無料ただでくれる星に、みんなの分まで長生きするために……!)

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##NAME##を乗せた銀河超特急999は、その無限軌道に乗って走り始める。どんな星を尋ね、どんな所へ行って、どんな姿になって、ここへ帰って来るのかパワポケにはわからない。銀河鉄道の延びていく彼方には、無限の星の輝く海が広がっているだけだ……。

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つづく