未決定。

マリンです(大声)
@marine_menhely

No.0002:研究所内-2

「ん…そうだ、私も自己紹介しないとね」

水色の髪の方がそう言う。

「私は【Lilie】、リーリエ。ハルトと同じく私もAIなの。…うーん、いや…AIっていうと少し違うんだけど…まあ、よろしくね」

百合の花、か。

たしかにこのAIにはぴったりの名前だ。

「あ…そうだ、ハルト、あのお寝坊さんも起こしてあげなきゃじゃない?」

「ん、そうだな。よし…ちょっと待ってろ?」

声のあと、モニターからハルトが消える。

「あ〜、びっくりしないでね?消えたわけじゃないの」

リーリエがそんなことを言う。

直後、部屋の奥で、ガチャン、と大きな音がした。

…何事?

音の方向を見やると、ドアがあるのが確認できた。おそらく奥に部屋かなんかがあって、そこに繋がっているんだろう。

少しして、ウィン、という音とともに、ドアの奥から人影が出てきた。

そのニンゲンと思われるその個体は、鮮紅色の前髪の下で気怠げに目をぱちぱちとしている。

それと同時に、モニターにハルトが帰ってきた。

「相変わらずお前ホンットにネボスケだな!こうやって起こしでもしねえと起きねえんだもん」

瞬間、そのニンゲンの片腕、肘から下が銃に変わり、モニターに向けられる。

「…居場所を壊されたくないなら黙れ」

…こいつは何者だ?いきなり片腕から銃が出てくるニンゲンは普通いないだろう。としたら、改造されたニンゲンなのか?はたまたアンドロイドか?

「お〜怖」

ハルトは慣れた様子でヘラヘラと笑うと、「お前も自己紹介してやれ、新入りだ」とボクの方に目をやった。

そう言われて、得体の知れないニンゲン型の何かは、不承不承、ボクの方に見向きもせず、音声だけでこちらに呼びかけてきた。

「…No.0967。アンドロイド」

—アンドロイドか。としたら、こいつは戦闘用か?

さっきの腕もそれなら納得がいく。

「あー、こいつはクロナって呼べ。いちいちNo.0967って呼ぶのめんどいだろ?」

ハルトが言う。

9、6、7でクロナ…—語呂合わせか。

そんなことを思っていると、リーリエが何か思いついたようにぱちん、と手を打つ音がした。

「ああ、そうだ。アナタにもなにか名前、あげないとね。アナタもまだ個体コードしかないでしょ?」

「個体コード?」

ボクが問うと、リーリエがこう付け足す。

「あ、個体コードっていうのは、アナタの『No.0723』みたいなモノ。クロナも最初はそれしかなかったの」

リーリエの後に続いて、ハルトがうんうんと唸る。

「そうだなぁ…No.0723なぁ…ナナ…ニ、サン…う〜ん…ナナ?う〜ん…」

しばらく考えた後、リーリエの喉から「あ」と声が漏れる。

「ナツミ…ナツミはどう?」

ハルトは「あーーー!」と納得したように声を上げる。

「いいじゃん!ナツミ!似合ってんじゃん!」

「じゃあ決定だね、じゃ、改めてよろしくね、ナツミ」

No.0967—クロナ、は隣で興味なさげにしていた。


—この時のボクは、まさか隣のこいつ、No.0967と共同であんなにも大きな仕事をするとは思ってもいなかった。

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