ポケモンRSE トライメモリーズ Vol.2

彩波風衣
@huui_saiha

第13話 「カナシダトンネルを通過せよ!」



 クウヤがムロヘ向かおうとしてる時、リクガはカナズミジムに勝利し次の街へ向かおうと準備を整えていた。


「よし、滞在時間は短いけど…そろそろ行こうか」


 手に収まってる3つのモンスターボールにそう話しかけると、そのボールを腰のベルトに装着し、リュックを背負い立ち上がり、ポケモンセンターを出て行く。

 今彼の頭の中には、次の目的地のことでいっぱいであり、そこへいくまでの地図が浮かんでいた。


「次はどっちに行く?

ムロタウンかシダケタウン………いっそのこと流星の滝を越えてハジツゲタウンへ行くか………?

どれでも可能といえば可能だから、迷うな…」


 あごに手を当て、考えながらぶつぶつと呟いていたそのとき、どこかから怒鳴り散らすような声による会話が聞こえてきた。


「ん?」


 あまりにも大きな声で行われている会話だったので、それが気になり聞こえてきた方向へ向かうリクガ。

 その先にあったのは野次馬であろう人混み、その中心にいたのは二人のスーツ姿の男達。


「何度言えば分かるんですか、この洞窟の開拓工事は今までどおり続けてください!!」

「てめぇこそ何度説明すりゃ分かるんだよ?

このまま工事を続けたら、あいつらの居場所なくなっちまうだろーが。

そんなことすりゃ、今後あのポケモンはどうなるんだ?」

「そんなもん、無視してくれれば良いでしょ。

財力以外のものなんて、結局世の中は見ていないんですよ。

それがわかったなら開拓工事を続けなさい! さもないと……コドラ!」


 金持ち風の男が男にコドラを差し向け突進を指示する。 コドラは指示に従って男を攻撃しようとしたが、ぶつかる直前でドクケイルが飛んできて彼を捕まえ、持ち上げ飛んだため怪我することは免れた。


「大丈夫ですか?」


 ドクケイルを出したのは当然、リクガだ。

 そのドクケイルに指示し、男を降ろすと無事を確認する。


「すまねぇ、小僧」

「小僧ではなく、ボクはリクガと申します」

「リクガ、か……さっきはありがとうよ……俺はダイスケだ」

「ダイスケさん、この状況はいったい………」


 ダイスケと名乗った男から話を聞こうとしたら、さっきの金持ち風の男が割り込もうとしていた。


「あなたなんですか、急に割り込んできて!」

「……なにがあったか教えてください」

「スルーッ!?」


 金持ちのことを無視してリクガはダイスケから今回のいきさつを聞いた。

 彼の会社が受け持った、カナシダトンネルの開通工事は中止になろうとしていたこと。 だが自分の利益のためにもうひとつの会社が工事を進めようとしてたこと。

 全ての話を聞き事情を理解したリクガはふむ、と腕を組み、疑問をそのままダイスケに投げかける。


「工事を中断しようだなんて……なにがあったんですか?」

「……こいつだよ」


 ダイスケがさしたのは、ゴニョニョだった。


「このゴニョニョが?」

「カナズミとシダケを結ぶあの山は……こいつらの住処なんだよ。

俺たちが工事を進めようとすると、こいつらが怯えてるからどうしてもすすめることができなくなってな……」

「そうなんですか………確かにゴニョニョは臆病で、騒音を嫌うポケモンですから、工事の音は大敵ですね……」


 そういってリクガは前屈みになってゴニョニョを見つめる。

 ゴニョニョは今も少しからだをふるわせながらリクガのことをみており、彼に対し警戒しているのが伝わってきた。


「ハッ!」


 そのとき、金持ちの男が再びコドラをけしかけようとしていた。 リクガはそれに気付き、ドクケイルにねんりきを指示して、コドラの動きを封じさせる。


「……いきなり攻撃とか、なにを考えているんですか」

「そんなの、どうでもいいと言ってるでしょう!」

「黙ってもらえますか」

「なにをっ!」


 彼をこの場から消そうと考えた男はコドラに指示を出そうとしたが、そのコドラは、今ドクエキルに動きを止められていた。

 リクガの言葉とドクケイルによってぐぬぬ…と歯を食いしばるしかない金持ち風の男。

 さっきの会話の流れ的に、この男が工事を依頼した会社の社長なのだろう。 だが、ポケモンや他人のことをいっさい考えない態度からリクガは、決してデボンコーポレーションではないと確信していた。


「でも……トンネルないと困る人がいないとも言い切れないですね………」

「そうなんだよなぁ………ポケモンの住む環境を優先するか、人の豊かさを優先するか………俺も決めかねてるんだ……」

「ダイスケさん」


 どうにかできないのか、と自分で迷うリクガだったがふと、あることを思いつき一匹のゴニョニョに声をかける。


「ねぇ、ゴニョニョ」

「ゴニョ?」

「君たちの巣って…あの洞窟の中?」

「ゴニョ」

「そっか」


 リクガは洞窟とゴニョニョを見比べ思考を巡らせると、動き出した。



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