僕の嫌いなもの。

葵人@スケステ最高†┏┛墓┗┓†
@macchi2354

『おかしい』


そう気付いたのは随分前からだったりする。

高等部に進んでからも『水のパフォーマー』として続けているのだが、1ヶ月程前から…もしかするともっと前からか?見に来てくれる人が減っている。というか、ここに来ている人自体が少ないような気がする……。


僕が来ていない間に何かあったのだろうか…?


いつも通りパフォーマンスをしながら色んな想定を考える。集団で何か病気…いや、それにしては長すぎる。僕のパフォーマンスに飽き……これは考えたくない。というか、また来るね!って言ってたおチビちゃんも来なくなってるし多分ないだろう…と、思っておこう。となると、何か巻き込まれたか事故ってところか……?


色々考えたその答えは僕のパフォーマンス中に出た。


「おうおう兄ちゃん!一体誰の許可を得て此処でそんなくっだらねぇ事やってんだぁ!?」


そう大声を上げながら邪魔をしてくれるのは僕より年上っぽい、あからさまなヤンキー達。それも集団で来た。

その瞬間、見に来てくれていたギャラリーの皆がそそくさと、逃げるように退散していく。あっという間に僕とヤンキー達以外居なくなってしまった。

………あぁ、そういう事か。


「無視してんじゃねぇよ答えろクソガキ!」


何も答えずにいると、ガッ、と胸ぐらを掴まれる。

どうやら僕を舐めてかかっているらしい。人が喋らないからって…てかお前らセリフの間合い短すぎだろ。大体1分もしないうちに言われたぞ、僕。短気か??短気なのか???

と、まぁ冗談も程々に僕は冷静に返答を返すことにした。

嫌々、だけど。


「…許可も何も此処は公共の場所だ。誰に許可を取れと?」

「俺たちに決まってんだろ!ここは俺たちの縄張りだ。使いたきゃ金払えって事だよ、分かったか?」

「ま、おめぇみてぇなガキが払えるわけねぇだろうな!」


ドン、と僕を突き放し、ニマニマと僕を見下ろすヤンキー達。うん、これはあからさまに舐めてかかってるな。


……………さて、ところで。僕には嫌いなものがある。


「お前らみたいな他人の笑顔を平然と奪う奴が大嫌いだよ」


真顔で言えば場は瞬間的に静まり返る。はは、ヤンキー達の顔が引き攣ってるよ。


「……っんだとクソガキ!?」

「訂正する気はないし、喧嘩するなら買うけど?」

「女みてぇな腕してんのにかぁ!?」


ぷちん、と何か切れた気がした。

僕は1番言われたくない言葉を言った奴の鳩尾に、無言で懇親の一蹴をぶち込んだ。


「カハッ!!」

「てめぇ……!!」

「『女みたい』だからって舐めんな、クソ野郎ども」

「こ……んのクソガキぃ!!」


そこからは乱闘の開始である。多人数の相手に対して僕は1人。蹴ったり殴ったりで反撃はしてるものの、武器を持ってるやつもいた為、当然無傷で終わる訳もない。でも、


「場所と相手が悪かったな…!」


噴水という水のある空間で僕に勝てると思うなよ?

普段は使わない、取っておきの大技見せてやる……!!






乱闘の末、最後まで立って居たのは僕。喧嘩を売ってきたヤンキー達は全員倒れている。


「…てか、誰も僕は男だって言ってないんだけどね。見た目で判断してるとこうなるんだよ、だっさ」


誰も聞いてない空間でぼそっと吐き捨てれば、遠くからサイレンが近づいてくる音が。きっと乱闘騒ぎを見ていた誰かが通報してくれたのかな…?

僕は到着した警察に軽く経緯を話し、詳しい事は後日聞くということで、手当てを受けに病院へ送ってもらった。

そういえばちらっと聞いた話だが、今回喧嘩を売ってきたヤンキー達は警察でも手に余る程の悪ガキ集団らしく、1人で相手にしたものだからビックリされた。警察の方に存分に怒られろ、って思ったよね。






病院で手当てを受けると切り傷やら打撲やらは予想していたが、腕が1本骨にヒビが入ってたらしく暫くの安静を言われた。きっとあの鉄パイプのやつだな。許さん。末代まで呪う、決めた。

今回の騒動に対して学校と家の方には警察の方から事情を説明してくれるらしいのでお言葉に甘えることにした。

家に説明するのが1番めんどくさいから助かる。


さて、ここで僕が1番悩まなくては行けないこと。それは仲良くしてくれてる彼女たちへの説明だ。

顔を合わせれば怒られる予想しか出来ない…どうしようほんと。とりあえず当分は登校時間とかずらした方がいいのか…?と、頑張って頭をフル回転させるが中々にいい考えが全く思いつかないので考えるのをやめた。その場で切り抜けるか潔くあきらめよう。まあきっと前者になるだろうけど。

次の日、なるべく会わないようにと思った瞬間見つかってしまい、めちゃくちゃ怒られたのは別の話になる。




『僕の嫌いなもの。』


オワリ

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『榊碧楓』のとある1日を。基本的におバカな子

#愉快な仲間とときどき魔法過去に1度投稿した過去話の完成版です