HELLO―――

葵人@スケステ最高†┏┛墓┗┓†
@macchi2354

あぁ、もう少しで目的の浮島だ。


いつもと大して変わらない道を進みながら僕はふと思った。

目的地は大規模なあの『学園島』を目印にしてるから、方向音痴な僕にもわかりやすい。

あー、そういえば春から僕もあの学園島の学校に行くんだっけ…尚更今日の分でお小遣い稼ぎしなきゃ…今から行く場所は違う目的なんだけどネ。

スカートが嫌いな僕にとって制服とは1番の難儀である。高等部だと男子制服の方が安かったのに中等部はそうはいかないの何でだよ…


「まぁ、とりあえず安いやつで下だけでも探そうかな…」


なんて独り言を零してる内に目的の島に到着。今日は快晴だし、ちょうど良さげで何より。さて、目的地まであと少し…ずり落ちてきたリュックサックを担ぎ直して、目的地に向かって足を進めた。


今回は迷わずに目的地である噴水の前に到着。やっと慣れたってとこかな…。1年でやっと覚えるってやばいな僕…。


背負ってきたリュックサックから、中古のだけど小型スピーカーと小さな籠をだす。足元の邪魔にならないところに置いてっと。よし、準備完了。

ポップな、サーカスのような音楽を掛ければそれは『合図』だ。音楽を聞きつけ、小さい子からカップル、お年寄りまで老若男女問わず集まり始める。


音に合わせて僕が水で作り出した鳥や蝶、魚を踊らせれば拍手喝采。水で作り出した人型にコントの様に踊らせれれば笑い声。水を弾けさせて虹を作れば歓声が。そうして30分程のパフォーマンスをして、最後に水達とお辞儀すると拍手や声援と共にギャラリーは籠に『物』を入れてくれる。


僕の目的はその『物』である。


チラリと籠を覗けばお金と一緒に入っていた。

今回は飴系が多いな…よし。

そう、僕の目的、お金も勿論だけど何より一緒に入れてくれる『お菓子』だ。

貴族階級が残ってるこのご時世。平民階級が多いこの浮島ではお金より僕の好きなお菓子を入れてくれる人が多い。

逆に偶に行く貴族達が多い場所ではこういったお菓子系より、お金、それも割と少なくない額を入れていく人が多い。あと、貴族達はこういった路上パフォーマンスより招待されてディナーショーで、とかが多いな…ギャラは結構貰えるから文句はないけど。

ここは小さい子が見に来ることが多いし、僕がお菓子が好きなの分かってる人の方が多い。結構最初から見てくれてる人は好きなお菓子を入れてくれる人が多いからやめられないんだよねー。


「お兄ちゃん、今日も凄かったー!」

「ん、ありがとう。楽しかった?」

「うん!」


「やー、兄ちゃん若いのに魔法の使い方上手だなー!」

「いえいえ、こういったことを生業としている方々に比べたら僕もまだまだ未熟ですよ」

「ハッハッハっ!!キミは相変わらず口も達者だな!」

「はは…褒め言葉として受け取っておきます」


「お若いのに、素敵なショーをいつもありがとうねぇ」

「こちらこそ。また来てくださいねマダム」

「あらやだこんなおばさんにマダムだなんて」

「そんな、本日はより一層お美しいですよ」

「もう、おばさんをからかっても楽しくないでしょ!」

「いえいえ、本心ですよ」


いろんな人からの会話に対して手馴れた返答をしながら片付け。といっても、片付けるものなんてそんなにないんだけど。

特に内緒にする訳でも無いがこの見た目からか男の子と10割間違えられてる。まぁ別に訂正する訳でもないからすっかりこの浮島では「お兄さん」で通ってる。

元はと言えば髪の手入れが面倒で切っただけだけど。

下の妹達には是非とも真似しないで貰いたい切実に。華麗な女性に育って欲しい。

あ、次いでに古着屋寄ってズボンないか探そう。

そう思って人が居なくなった広場を後にし古着屋に足を伸ばす。迷わない様に大通りを歩きだすと、向かい側から学園島にある学校の制服を着たり私服だったりしてる4人組。見たところ皆女の子で仲良さそう。そりゃそうか、あそこ幼稚舎くらいからある筈だし皆仲がいい子いるよな。


「あぁ!水のパフォーマンスもう終わってるー!!」

「何それー?」

「あぁ、聞いた事ある。自分たちと同じ位の男の子が不定期にやってるやつでしょ?」

「そう!今日やるって聞いてたから皆誘ったんだけど…」

「終わってるね…多分」

「姉さん、それそんなに人気なの?」

「めちゃくちゃ人気……」


「あー、合わせるなら紺…いや、黒か?てか制服売ってないかな…」


イヤホンを付けた僕とすれ違った4人組。





これは僕らが出会う前の物語。

―――『HELLO、過去の僕へ。』

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