ポケモンRSE トライメモリーズ Vol.1

彩波風衣
@huui_saiha

第8話「迷子ポケモン・ナックラー」


 トウカの森を抜けたところで野宿したクウヤは早起きをして、引き続きカナズミシティを目指して旅を続けていた。

 今彼がいるのは104番道路。この道路を進み続けたその先にカナズミシティはある。

 クウヤはその情報を信じて歩き続ける。


「カナズミのジムってどんなとこかな。

あのおっちゃんは水ポケモンを使ってたはず……」


 ジムリーダーはその街の実力者であり、それぞれ得意なタイプのポケモンを使ってくる。

 彼の知るジムリーダーは水タイプの使い手だというのは、ルネシティの人々なら皆知っていることだ。 それに加え、クウヤはそのジムリーダーの厚意により、その水ポケモン達と何度も遊んだことがある。

 カナズミのジムリーダーは何タイプを得意としてるのだろうか。

 しかし、誰が相手であろうと負ける気はしない。


「とにかくっ! 今はとにかくジムを目指してレッツゴーゴー!」


 クウヤがこの先の町にあるジムに対し闘志を燃やしていると、どこからかごぞぞ…という音がして、その音と同時地面が盛り上がった。


「ん、なんだ?」

  

 地面が盛り上がったからポケモンが出てきたので、クウヤはその大きな頭と口を持った土色のポケモンに図鑑を向けて確認する。

 ポケモン図鑑にはナックラーという名前が記されていた。


「へぇ、こいつナックラーっていうのか…」

「ぴっかぁ」


 クウヤとピーカはまじまじと、ナックラーと名付けられているポケモンを見つめている。

 ナックラーはあたりをきょろきょろしており、どうやら周囲の景色をチェックしているようだった。


「なんでここに出てきたんだ……迷子か?」

「ナ……ナ……ナクゥ?」

「あ………」


 偶然にもナックラーと目があってしまった。

 しばらく見つめ合って沈黙が訪れた後、クウヤはとりあえず挨拶をしてみた。


「よ、よぅ…」

「ナックゥウゥ!!」

「ぐっぷぁ!?」


 クウヤ…もとい、人間に驚いたナックラーは思いっきり体当たりをぶちかまし、クウヤはそれをもろにくらい、後に倒れた。

 それにより彼の、元々そんなに丈夫でない堪忍袋が切れた。


「なにしやがるんだよ!」

「ナグゥーー」


 警戒し、戦闘態勢にはいっているナックラーに対し、クウヤは側にいたピーカで迎え撃つことにした。


「ピーカ、でんこうせっか!!」

「ぴっかぁ!」

「ナクゥ!?」


 ナックラーはピーカの攻撃に驚きつつも、でんこうせっかを真っ向から受けとめそのまま力ずくで跳ね除けた。


「ピカッ!」

「うっは、強ぇーなこいつ」

「ピーカ、ピカチュウッ!」


 感心している場合か、とピーカはクウヤに向かってしっぽを振って注意した。


「おっと、こうしちゃいらんねぇ!」


 ピーカの注意によって我に返ったクウヤは、続けてピーカに指示を出そうとする。


「ピーカ、もう一度……」

「ナックゥゥ!」

「うわぁっ!!」

「ピカッ!」


 そのとき、突然砂嵐が巻き起こり、クウヤとピーカは軽く吹っ飛ばされる。

 頭から思いっきり砂を被りながら、ナックラーが顔を覗かせていたトコを覗き、クウヤは唖然としている。

 どうやらあのナックラーは砂嵐にまぎれて、穴を掘り逃げてしまったようだ。


「ナンデオレダケコンナメニ……」

「ピッカ……」


 すぐ我に返ったクウヤは体についた砂を大きく動いて振り払うと立ち上がる。 その片手には、空のモンスターボールが握られていた。


「…こうしていられねぇ、追いかけるぞピーカ!」

「ピーカ、ピカチュウー?」

「あいつケッコーやるじゃん! だからおれはあいつが気に入った! だからゲットして仲間にしようぜ!」

「ピカ………」


 どうしてそういう発想に転んだのか。 ピーカは呆れた目でクウヤを見つつも、主人である彼の指示に従うために、彼についていくのであった。



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