未決定

ルーフス@低浮上を極める
@Seto_Kurona

旋回するヘリの中:???

彼の左手は、まだ降ろされずに天へ伸びていた。

それはもちろん、任務成功の合図だ。

そして、屋上に残っていた僕らはもう全員ヘリに乗り込んで、最後に満員になったこのヘリも、これから逃走ルートへと乗る。

残るのは、あの人だけだ。

すでに逃げていった自己中達の体に銃弾が撃ち込まれる音は聞いたので、もうビルへ乗り込んできたハエ達は、屋上へと続く長い螺旋階段へと足をかけているはず。

そう。

ヘリには無線が入っていた。

ー“第6ヘリ搭乗者が裏切った。”ー

と。

まぁ、アイツがあの人の乗るヘリのパイロットをやりたいと名乗りをあげた時から違和感はあったけれど。

だから今皆が眉をひそめているのには他の理由があった。

今回用意したヘリは全て6人乗りだった。

つまり搭乗者はヘリ一台につき“2名”だ。

そして全員が一致して違和感を抱いたのはパイロットの方のみ。

もう1人の搭乗者は、幹部の1人であるかなりの腕を持った大男だったのだ。

にもかかわらず、裏切りは実行された。

それは仲間の“死”を悟るのには十分な事態である。

あともう1つ、アイツが勝てるはずのない幹部を殺せたのは“共犯者”の存在があったからだろう。

その共犯者は恐らくー。


ガシャンッ

『“Begin N”リーダー・ナロ!』

『大人しく手を上げろッ!』


僕がさっき鍵をかけた扉を吹っ飛ばして屋上に雪崩れ込んできた、重装備の厳つい男たちの最前に立っていたのは、紛れも無い、第6ヘリのパイロットだった。

ヘリ内の空気がピリつく。

眉をしかめ、歯をくいしばる者もいた。

今まで泳がされていたのだろう。

犠牲者を出すまで計画を進めさせたあたりも、アイツららしくてとってもムカつくよね!

何が「国家警察」だ。何が「民衆の盾」だ。

ー「正義」って何なんだよ。

思わずこのヘリのパイロットも逃走をやめて、ビル上空を少し離れたところで旋回を始める。

目下のアイツに全員が憎悪の眼差しを向けていた時。

「手なら、もう上げてるだろ。

ーほら、見えないかよ?」

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