パシリじゃないっ!!

スーパーもうすぐ高校生

訪問者2『よろしくお願いします』


…普通の若い男性が来た。


伊月と変わらないくらいか。


夏生『今日はどうしたんですか?悩み事ですか?』


あ、やべ。


部屋から出るタイミング逃した。


とりあえず夏生の隣にっと…


夏生『あれ、宏也さん出ていかないの?』


宏也『…え?!まぁさっきみたいなことが起こるかもだし。今回はちょっと居座るわ』


夏生『そう。別にいいけど』


あ、よかった。


許された。


訪問者2『俺、昨日友達だと思ってた奴から告られまして』


なんだ。自慢話か。


夏生『あー自慢話聞いてほしいんですか?』


ど直球…っ!!


流石もうすぐ高校生だ…!!


訪問者2『いえ!違うんです!告白してきたヤツが女なら俺だってこんなとこ来ませんよ高い金払ってまで…』


いやいや。


普通は無料でもこねーよ、こんなとこ。


夏生『告白してきた相手は女友達じゃないの?』


訪問者2『はい……友達…というか親友だと思ってた男友達に……』


はいーーーー!!!


ダメなやつ来たぁあぁあああぁあ!!!


宏也『な、夏生。これは君が相手したらダメな案件だよ』


夏生『なんで?もう今時同性愛なんて普通でしょ。漫画とかアニメの世界で認められてるなら俺らも認められる!的な3次元男子が多くなってきたってことじゃないの?別に俺は偏見ないけどね』


…………大人か。


なんか悲しくなって来た。


訪問者2『偏見ない人が増えたとしても、こっちとしては焦ってて…!!』


宏也『いや、偏見ある方の方がまだ多いですよ』


夏生『整理すると、貴方が今まで友達、親友だと思ってた人が実は貴方のことが好きだった。と。だけど貴方にはそんな気持ちが一切なく、普通に友達として一緒にいて遊んでただけだから困惑している。と…』


…的確すぎて怖いぞ。


スーパーもうすぐ高校生め。


訪問者2『はい…どうするのが正解なのでしょうか…?』


夏生『答えはもう出てると思いますけどね』


訪問者2『え…?まだ何も…』


夏生『貴方はここに来て俺に相談しに来ているということはまだ相手に答えを出していないと言うこと。つまり、貴方は友達だと思っていたかもしれないが、どこかで恋愛対象だと思っていた。だから断れず、迷って、だけど誰にも相談出来ないからここに来た。ここまででどこか違う話があればご指摘どうぞ』


訪問者2『…………』


怖い怖い怖い怖い怖い!!!!!


怖いよぉ…!!!


夏生は一体どうした?!


なんの推理してる?!


リアル名探偵コくんじゃないか!!


いや、こんな話で名探偵してんな。


BL本読め。すぐ答え分かるわ。


夏生『お間違いなさそうですね。だったらもう答えは出てるんですよ。貴方がここに来た時点で相手に出す答えは"YES"のみだ』


カッコいー。


相手に出す答えは"YES"のみだ。


どっかで聞いたことあるセリフな気もするが…


訪問者2『……やっぱりそうなんですよね。俺もどっかで嬉しい気持ちがあった事は事実なんです。…けど。やっぱ人の目とか気になって…俺らがそんな関係ってことバレたら他の友達がいなくなるんじゃねーかとか…色々考えたら怖くなって…』


夏生『まぁ確かに何人かは離れていくとは思いますよ。引かれるのはもうしょうがないことです。でも別に貴方もその相手の方が好きなら周りのことなんて気にしてたら自分が幸せになれないし、その相手の方も幸せになれない。それでいいなら相手の申し出を断ればいい』


訪問者2『………やです……いやです!!幸せになりたいし、あいつに幸せになってほしい…!!!ありがとうございます!!勇気貰いました!!今から答え出して来ます!!代金置いて行きますね!!ありがとうございました!!』


夏生『………ふぅーーー。終わった……って……ちょっと宏也さん。何泣いてんの』


宏也『な、なつきがぁ……ちゃんと的確なアドバイスを……そして…感動的な言葉を言ってるからぁ〜…』


夏生『泣くほどじゃないでしょ?!ちょっともー…別にあんなのBL本読めって話じゃん』


宏也『…………え?』


夏生『正直さー?まぁ今の人は顔可愛い系だったから絶対受けでなら認められると思うよ?でもさ?相手がブスなら受け入れられないよね世間的に。"攻めはイケメン・受けは可愛い系"みたいなとこあるじゃん?』


宏也『ちょっと待て!!!!おまっ…ちょ…俺の頭がついていかないけど』


夏生『あれ、宏也さんってBL本読んだことないの?俺は勉強のためにちょっと読んだことあるからさー』


待て待て待て待て。


"読んだことないの?"の質問に"うん"は嘘になるよ?確かに。


ただ。


宏也『お前……"もうすぐ高校生"…だよな?』


アウトだよアウトっ!!!


歳!!アウトだ!!


何故読める?!


夏生『あー。母さんが好きだったから。いわゆる腐女子ってやつだったからさ。助かったよ』


助かったよ。


じゃねーよ!!!


おいまて!!親!!!


そう言う教育方針でこんな子出来んのか?!


えー?!未成年いるのにそこらへんにそんな卑猥な本置いとくなよ!!


宏也『え…お父さんは…?』


夏生『父さんは元々バイの人間で、俺が生まれてから数年経った時に男から言い寄られて、母さんよりそっちの男の方で本気になっちゃったんだって。だから離婚したって感じ?』


なにサラッと言ってんの!!!


バイの父親って何!!


え?!なんの話だ?!


宏也『…でもお母さんかなり怒ったんじゃない?普通"断れ!"って怒るよね…?』


夏生『なんか初めは怒ってたよ。どんな人か合わせろ!って言って父さんが次の日家に連れて来たら母さんのどストライクカップルだったらしくて、凄い嬉しそうに"いい!!全然離婚する!!あ、でも条件として毎日2人の何かしらの写メ送って。それを離婚条件にしてあげる"って。母さんが腐女子でよかったな、父さん。って思ったけどね』


バカだなっ!!!


おいお母さん!!!


とんだバカだな!!!


例えどストライクカップルだったとしてもだ!!


そんなアホおる?!


俺の精神めちゃくちゃなんですけど…


お父さん…


まぁ…子孫…夏生は残せたしね…


残りの人生は別に男が相手でもいいのか…


宏也『…更に泣けて来た…』


夏生『げ!マジで?!なんでだよ!宏也さんが泣くようなことじゃないじゃん!』


まぁ…そうなんだけど…


宏也『いやぁ〜…夏生……大変だったんだなぁ……お前は恵まれてるようで恵まれてないヤツだったんだ……俺はこれから……』


夏生『別に恵まれてないことはないよ。母さんも父さんも今でも俺にとっては親だし。ただ家に帰っても誰もいないからここにいるだけ。こっちの方がみんないるし楽しいからさ。俺より不幸な人はたくさんいるよ』


宏也『なにぃ〜〜〜…なつきぃいいいぃいい〜〜〜お前は偉いぞぉおおおぉおお』


夏生『だから泣くなって!』


なんて子なんだぁ〜…


俺なんてクソみたいなミジンコ的存在にしかならねーじゃねーか〜…


進一『な、何事だっ!!…宏也くん…?!何故大泣きしている?!』


伊月『何事っスか!?…宏也…何泣いてんの』


勇吾『こ、宏也さん?!ど、ど、ど、どーしたんですか…?!まさか……夏生くん…何か言ったん…ですか?!』


夏生『俺じゃない!!勝手に俺の昔話で泣いちゃったんだよ、宏也さん…』


宏也『だっ…だってぇ〜…まだ中学…』


夏生『高校生だ』


宏也『…まだ高校生なのにぃ〜…こんなに、しっかりしててぇ〜俺…っ俺は何してんだ〜って…』


進一『あ〜よしよしよし〜!!大丈夫だぁ〜。宏也くんは宏也くんにしか出来ないことがあるように、夏生にも夏生しか出来ないこと、過去があって今の夏生があるんだ。宏也くんだってそうだろう?過去が今の自分を作り上げてるんだ。その過去は人それぞれ違うから人間は一人一人違うんだ。わかるね?』


宏也『しゃっ…社長ぉおおお〜』


伊月『…また泣き始めたぞ』


勇吾『…うぅ〜…』


夏生『ちょっ…勇吾くんまで泣かないでよ!』


勇吾『だっ…だってぇ〜…社長の言葉がぁ〜…凄くグッと来ちゃって…っ』


進一『…ここは幼稚園なのかな』


夏生『…勇吾が泣いたのはあんたのせいでもありますよ社長』


進一『え?!俺のせいなの?!え、待ってよ…いい事言ったつもりが…』


伊月『…え。俺も泣くべき…?空気読んで泣くべきなんだよな…?ちょっと待て…悲しい事思い出して…』


夏生『バカっ!!伊月くんまで泣かないでよ!!てか伊月くんこういう時に空気読もうとしないで!!』



ここから夏生と社長と伊月が俺と勇吾の面倒を見る羽目になった。


ちなみに今回の案件代金は1万円でした。



続く