叶うなら、キミの笑顔を(仮)

《前日譚》浮遊国誕生編

ここ日本には“氷堂家”という女子しか生まれない特殊な一族がいる。表向きは生物学関係の会社だが、実際は国家公認の女性同士による子作りを可能にする為の研究をしている。その一環で氷堂家の子達は姉妹か同性の女の子としか結婚できなかった。しかもそんなことは表向きに出来ようはずがないので必然的に姉妹での結婚になるわけだ。

その氷堂家には2組の双子がいる。

氷堂夏季 15歳(高1)姉

氷堂亜季 15歳(高1)妹

氷堂皐月 17歳(高2)妹

氷堂柚月 17歳(高2)姉

高校生になると姉妹同士での結婚を告げられた。彼女らは中学の頃にはお互いに相手のことを思い合っていたし付き合ってもいた。しかし、彼女らは両親には反対されると思って黙っていた。しかし姉妹同士での結婚を許されてとても嬉しかった。だからこそ彼女らはたった1つだけ条件を出した。それは

“相手は自分たちで決めること”

だった。姉妹同士で結婚さえすれば良いらしくすぐに許しが出た。

そして彼女らは密かに企てていた計画を実行に移した。それはこの研究結果の重要部分だけを偽造したものを国家に売り渡すというものだった。その重要部分がなければ女の子同士での子作りなど不可能だ。そして計画実行日、彼女らが会議室に入るとそこには既に国家上層部や研究者らが揃っていた。そして研究成果を説明した。

「ーー以上が我々の研究結果になります。質問はありますか?」

「いや、完璧だ。子供だと思っていたが君たちは素晴らしいな。それでいくらで売り渡してくれる?」

「そうですね…、100兆円とこの国が保有する古代遺跡“浮遊島”でどうですか?」

「バカを言うんじゃないっ!!!そんな不釣り合いな対価で納得する奴なんかいるわけないだろう!!!」

「バカを言っているのはそちらなのでは?」

「は?貴様、ふざけるのも大概にしやがれ!!!」

「ふざけているのはそちらです。我々は貴殿らがずっと頭を抱えてきた少子化と男性絶滅の危機の進行を止める恐らく唯一の手段を売り渡そうって言うんですよ?それも何代にも渡って研究してきた成果を。それを貴殿らは不釣り合いと?それなら話はここまでです。ご清聴ありがとうございました。では失礼致します。」

そして彼女らは計画通りに会議室を後にした。

すぐさま会議室内では話し合いが行われた。

「どうする、あれがなければこの国の問題は解決されないぞ?」

「だからといってさっき提示された対価を支払う訳にはいかん」

「ではどうする!?」

「仕方がありません。氷堂邸に隠密部隊を潜入させて研究成果を盗み出しましょう。」

「そうするほかなさそうですね…」

そしてその日の夜に氷堂邸に隠密部隊はやってきた。だが彼らは誰一人として帰還を果たした者はいなかった。何故なら彼女らが彼ら全員をたったの一撃で皆殺しにしてしまったのだ。そう“魔法”の力で。そして彼女らは数日後にまた会議を開いた。

そして開口一番にこう言った。

「貴殿らの隠密部隊は弱過ぎますね。正直言ってあんな奴ら警備の人に任せても事足りたのですが見せしめにと思って皆殺しにさせていただきました。誰一人帰って来ませんでしたよね?」

「お前らは悪魔か!?」

「ご冗談を。刺客を寄越してきたのは貴殿らではないですか。最もこうなることはわかりきっていましたが。」

「なん…だと…」

「ではさっさと本題に入りましょう。先日した対価を支払って貰えますよね?」

「あぁ、勿論だ…」

「それを聞けて安心しました。今日中に全額払って下さいね。“浮遊島”は現在何処にありますか?」

「すまないが正確な場所は分からないんだ。この国の領空の中にあるのは間違いないんだが。」

「ふ〜ん、まぁいいです。すぐに見つけられますから。裏切りが発覚した場合は容赦なく貴殿らを殺しますので悪しからず。では失礼致します。」

彼女らはその後自宅には戻らずに“浮遊島”に向かった。人がいない場所に行ってから“魔法”で“浮遊島”まで飛んだ。そこには1つの島が浮かんでいた。上陸してすぐに中枢部に行き島に内蔵している視覚遮断兼防護壁としての機能を持つバリアを展開させた。その後は“魔法”で大きく分けて8つの施設を造った。最後に彼女らはこの浮遊島いや浮遊国に名前をつけた。“ルナステーラ”と。