恋花ーコイバナー『恋と無口と無愛想』

たていすかんな@恋花ーコイバナー
@tateisu369

第2話

「奏斗、起きろー。早く起きないと昼休み終わっちまうぞー」

「……ん」


翌日。

俺は薙原の声で目を覚ました。


「おっ、ようやく起きたな寝坊助め。ほら、学食行こうぜ」

「……おう」


俺はゆっくりと立ち上がると、学食へ行く為に教室を出た。

柊の奴はまたあの古い図書室に行ったのだろうか?

さっき見た時、既に席にいなかったし。

また危ないことになってなければいいが。



「……遅いな」

「ん?奏斗、何か言った?」


あれからすぐに教室へ帰ってきた俺たちは適当な話題で雑談しながら時間を潰していた。

あと5分くらいで昼休みが終わる。

だというのに、柊の姿はこの教室にはなかった。

おいおい、昨日の今日だぞ?

あんな危ない目にあったんだ。

流石のアイツでも怪我するような真似なんてしないはずだ。

うん、するはずがない。

するはずがないのだ。

……なのに。

なのに何故、アイツはここにいないんだ?


「悪い、薙原。ちょっと腹痛がするから保健室行くわ。先生に言っておいてくれ」

「え、あぁ、別にいいけど。珍しいな、奏斗が仮病なんて。大丈夫か?」

「あぁ、俺はな」

「……、?」



「柊っ!!」


俺は図書室の扉を勢い良く開き、少し小走りで中を調べ回る。

本が散らかっている様子はない。

一応また脚立から落ちた、という可能性は低くなった訳だが、それでもゼロではない限り探さない訳にはいかない。


「おい、何処だ柊!返事しろ!ひいらぎ……、?」


と。

ようやくそれらしい人影を見つけた。

それは図書室の奥の方にある席。

俺が昨日昼寝する為に使っていた席だった。

そこで。


柊奈帆はスヤスヤと心地良さそうに寝ていた。


「……、はは」


ドサッと膝から崩れ落ちる。

どうやら緊張が解かれて気が緩んでしまったらしい。


「ん……」


今の音に気付いたのか、まだ眠たそうに目を擦りながら起き上がる柊。


「あれ……小野寺くん?どうしたの?」

「……別になんでもねーよ。ただお前を呼びに来ただけだ。もうすぐ午後の授業始まるぞ」

「……え、あっ、ホントだ!ご、ごめんない!」

「なんで謝ってんだよ。気にすんな。ほら、行くぞ」