ゴートゥホウエン

佐渡惺
@sat0rusq

第10話、シトロンの怒り

 ラルースシティポケモンコンテスト、決勝戦が始まる前に、シトロンは考えがあったか、席を立った。




 シトロン「セレナ、ユリーカ、すみません、ちょっと席を外しますね」




 セレナ「え?」




 ユリーカ「どこに行くの? お兄ちゃん」




 シトロン「すぐ戻りますから」




 ユリーカ「わかった、ウ○コだ、わっ!」




 セレナ「もうユリーカ、大きい声で言わないの!」

 下品なことを言ったユリーカの口をセレナが慌ててふさいだ。




 シトロン「すぐ戻りますから」

 もう一度、シトロンはそう言ったあと、観客席の脇にあった階段を下りて行った。




 セレナ・ユリーカ「行ってらっしゃい」




 シトロンは、怒った表情でシュウと準決勝を終えたハーリーを探していた。




 探しているうちに、ハーリーの姿をとらえ、シトロンはハーリーに食ってかかった。




 シトロン「ハーリーさん!」




 ハーリー「あーら、あのときの僕ちゃんじゃないの」

 ハーリーはシトロンを覚えていた。




 シトロン「シトロンです」

 低い声で名乗ったシトロン。




 ハーリー「何か私に言いたそうね」




 シトロン「よくもだましてくれましたね! おかげで僕の仲間がコンテストの二次審査に出られなくなってしまったんですよ! 一体、どうしてくれるんですか!」

 普段、冷静なシトロンがハーリー相手に怒鳴っていた。




 ハルカ「そうよ、ハーリーさん! 私、セレナちゃんとも戦いたかったのに、どうして卑怯な手を使ったの!?」

 と、シトロンに続いてハルカも怒鳴った。




 シトロン「あれ、ハルカさん?」




 シュウ「まったく、同感だな」

 怒鳴ったわけではないが、シュウもハーリーを睨みつけていた。




 シトロン「シュウも。決勝は……?」




 シュウ「その前に、僕の決勝戦の相手が、この人に言いたいこと言わないと気が済まないって聞かなくてね」




 ハルカ「ハーリーさん、軽蔑かも」




 ハーリー「ふん、何でセレナを退場させたのかって?」




 シトロン「!」

 じろっとハーリーに視線を向けたシトロン。




 ハーリー「トップコーディネーターを目指しているわけじゃないのに、一次審査でトップを取ったからよぉ!」




 シトロン「そんな理由でセレナを失格にさせたのですか! 二次審査でちゃんと戦って実力を示せば良かったでしょう!」




 ハーリー「あーら、君、怒ると怖いのね。でもね、いくら怒ったって、セレナはもうこのコンテストに出られないわよ。おわかり?」




 シトロン「このー!」




 シュウ「よせ、シトロン、短気を起こすな」

 完全に頭にきていたシトロンを止めたシュウ。




 ハルカ「ハーリーさん、あなたこそ、本当は退場だわ」




 ハーリー「だーかーらー、今さら何言ったって、セレナはコンテストに再エントリーできないって言ってるでしょう、もう」




 ハルカ「くっ!」

 ハルカは悔しそうにしていた。




 ユリーカ「ああー、お兄ちゃん、遅いと思ったら、こんなところにいた」




 セレナ「みんな……」

 そこで、ユリーカとセレナもやってきてしまう。シトロンがなかなか戻って来なかったからだろう。




 ジュンサー「そこで何を騒いでいるの」

 と、ジュンサーもうまい具合にやってきた。




 シトロン「ジュンサーさん、捕まえるのなら今です」




 ジュンサー「ハーリーさん、ラルースシティ無断侵入の疑いで逮捕します!」




 ハーリー「誤解ですよ、ジュンサーさん」




 ハルカ「ハーリーさん、ここまできて、とぼける気!?」




 ハーリー「とぼけてどうなるって言うのよ。ジュンサーさん、この場で本当のことを話します」



 ハーリーの話によると、ラルースシティに入るとき、不審者とまちがわれ、警備ロボにしつこく追われた。




 それでやむなく、ハルカのコスプレに変装することになってしまったそうだ。しかし、本物のハルカがやってきたため、ハルカが持っていたたくさんの弁当を持ち去り、ハーリーは本物のハルカになりすましていた。




 そこで、さらにシトロンたちを連れたシュウもやってきてしまったため、ハーリーはハルカのコスプレをやめ、こそこそと隠れ、コンテストには堂々と現れた。





 シトロン「じゃあ、あのときのハルカさんのコスプレはそういうことだったのですね」




 ハーリー「そうよ」




 ハルカ「ねえ、ハーリーさん、ここに入るとき、警備ロボとちがうロボットに話しかけられなかった?」




 ハーリー「そういえば、話しかけられたわね」




 ハルカ「やっぱりね。そのロボットに通行許可の写真を撮らせてもらわないと、侵入者になってしまうのよ」




 ハーリー「ま、そうだったの。てっきり、あれは、商売ロボットだと思ったわ。ていうか、あんた、ここに来たことあるの?」




 ハルカ「ええ、前に一度ね」




 シュウ「へー、知らなかったな」

 シュウも初めて知ったようだ。




 シトロン「ハルカさん、ちょっといいですか? 僕たちのときは、ロボットに通行許可の写真を撮らせてもらえませんでしたけど」




 ハーリー「確かにあんたともう1人の小さい子のところ、警備ロボに侵入者ってしつこく来ないわね」




 セレナ「変ね、私のところには警備ロボが来たのに」




 その答えはジュンサーが知っていた。




 ジュンサー「シトロンくんたちは、どうしてラルースシティに来たのか、聞かせてもらえる?」




 シトロン「はい、この市長の依頼状がうちに来て、それで来たんです」




 ジュンサー「依頼状、見せてくれる?」




 シトロン「はい」




 ジュンサー「……やっぱり、ほら、ここ」

 ジュンサーは依頼状に貼ってあったシールを指した。




 シトロン「あ、そういうことですか。そのシールが通行許可の代わりになっていたのですね」




 セレナ「これでシトロンが警備ロボに襲われなかったわけがわかったわね。でも、ユリーカはどうして?」




 ジュンサー「十歳未満の子は保護者が誰かいれば、侵入者にされないの」




 セレナ「あ、そっか」

 と、セレナは納得した。




 シトロン「あとはなぜ、通行許可がなかったのに、セレナはコンテストの二次審査まで警備ロボに襲われなかったのでしょうか」

 シトロンが謎の点を挙げ、それも、ジュンサーが簡単に説明した。




 ジュンサー「市長さんがシトロンくんたちが来るまで一体の電源が切られていたリーダー警備ロボットを預かっていたからでしょう。あとの警備ロボはハーリーさんを追っていたからね」




 シトロン「市長さんが預かっていた警備ロボって司令塔だったんですか……」



 

 ハーリー「ふん、途中まであんた、運がいいんだから」

 と、セレナに言ったハーリーだった。




 シュウ「よくわかりましたよ。コンテスト一次審査までセレナくんが警備ロボに襲われなかったのは、市長さんから変わってこの人ハーリーさんが司令塔の警備ロボの電源を切った状態で持っていたからだってね」




 ハーリー「ふん」

 シュウに言われ、そっぽを向いたハーリー。




 ジュンサー「これで解決ね。ハーリーさん、あなたを逮捕しないで済むわね。今回は通行許可のシールをあなたにあげるけど、次からは気をつけてね」




 ハーリー「良かったぁ。ありがとう、ジュンサーさーん」




 ハルカ「でも、セレナちゃんがポケモンコンテスト失格になったの、どうしてくれるの?」




 ハーリー「知らないわよ、そんなの」




 ハルカ「ムッカー!」

 無責任のハーリーに腹を立てるハルカだった。




 セレナ「本当にもういいのよ、ハルカちゃん。気にしてないから。それより私、ハルカちゃんたちの決勝が見られればいいから」




 ハルカ「セレナちゃん……。わかった、セレナちゃんをガッカリさせないように決勝を戦ってくるから」




 セレナ「うん!」




 ビビアン「ハルカさん、シュウさーん、出番ですよー」




 シュウ「まずい、司会者が呼んでる」




 ハルカ「う、うん、行こう、シュウ」




 シュウ「じゃ」

 シトロンに片手を挙げたあと、シュウはハルカとフィールドに向かい走った。




 シトロン「僕たちも行きますか」




 セレナ「ええ」




 ユリーカ「うん」

 シトロンたちも観客席に戻った。





 いよいよ、ハルカ対シュウのポケモンコンテスト決勝戦が始まろうとしていた。





              つづく。







ー第10話、シトロンの怒りのリアルタイム更新時間と、ひと言解説ー

2015年11月27日13:24 GREEより




ハルカちゃんが一度ラルースシティに来たことあるわけは、ポケモンのデオキシスの映画の舞台がそこだったからです。それでサトシくんたちとラルースシティにハルカちゃんは来ています。





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