ゴートゥホウエン

佐渡惺
@sat0rusq

第1話、セレナ、シトロン、ユリーカ、ホウエン地方へ



 ここは、カロス地方の都市部であるミアレシティ。




 ポケモン国際警察のラクツに呼び出され、イッシュ地方に戻っていたサトシを、ミアレシティで待っていたセレナは、シトロンとトライポカロンの練習をしていた。ユリーカはデデンネと見学をしている。




 セレナ「テールナー、かえんほうしゃ! ヤンチャム、テールナーのかえんほうしゃの輪をくぐって! いいわよ、テールナー、ヤンチャム!」




 ユリーカ「ヤンチャム、うまく、輪をくぐったね、お兄ちゃん」




 シトロン「うーん、イマイチインパクトが……」




 ユリーカ「なーに、お兄ちゃん、サトシがいないからって、言いたいこと言っちゃって」




 シトロン「そんなことないよ。いつも僕は指摘してるだろ」




 セレナ「いいのよ、ユリーカ。ねえ、シトロン、どの辺がイマイチだったの?」

 ユリーカをなだめてから、シトロンに聞いたセレナ。




 シトロン「テールナーに進化したことで、かえんほうしゃの威力は上がってきました。ヤンチャムはフォッコのときよりは、テールナーのかえんほうしゃの輪が大きくなってくぐりやすくなったのは良かったです。けれど、それではテールナーのかえんほうしゃの輪の方が目立ちすぎてしまって、ヤンチャムのパフォーマンスに観客の人たちは目がいかなくなってしまいますね」




 セレナ「そっか、じゃあ、かえんほうしゃの輪っかをくぐるパフォーマンスはよして、ちがうのに変えようか、テールナー、ヤンチャム。ありがとう、シトロン。よし、次のメニューを考えるわよー」


 シトロンの指摘をよく聞き、素直に従ったセレナは、テールナーとヤンチャムと地べたに座り、会議を始めていた。



 ユリーカ「ユリーカ、かえんほうしゃの輪っかをくぐるヤンチャムの良かったんだけどなー」




 シトロン「ユリーカ……」

 妹に残念がられ、苦笑するシトロンだった。




 シトロンの父「おーい、シトロン、ちょっといいか?」

 そこで、シトロンとユリーカの父がデンリュウも乗ったバイクで現れた。




 シトロン「父さん、どうしたんですか?」




 シトロンの父「実は頼みたいことがあってな、ホウエン地方のラルースシティの市長からの依頼をオレの代わりに受けて欲しいんだ。大丈夫、お前にとって簡単な仕事だ。オレは、プラターヌ博士の家の修理に行かなきゃならなくてな。ほら、ロケット団が壊していっただろ」




 シトロン「はい。でも、セレナとユリーカだけ残すわけにもいかないし……」

 どうしようと、腕を組み、考え出してしまうシトロン。




 シトロンの父「それなら、安心しな。おーい、ユリーカとセレナちゃんもこっちに来てくれー」

 と、セレナたちも呼び出したシトロンの父。



 セレナ「はい」




 ユリーカ「なーに? パパ」

 と、セレナとユリーカはシトロンを間に挟んだかたちで並んだ。




 シトロンの父「セレナちゃん、ホウエン地方でセレナちゃんの参考になりそうなパンフレットを持ってきたよ」




 セレナ「どれどれ?」

 シトロンの父から渡されたパンフレットには『ラルースシティ、ポケモンコンテストに挑戦!!』と、書かれてあった。




 シトロンも隣からパンフレットをのぞき、


 シトロン「なるほど、セレナのためになりそうですね」




 セレナ「じゃあ私、ホウエンのラルースシティに行ってみようかな」




 ユリーカ「セレナが行くなら、ユリーカも行きたい、行きたい!」




 シトロンの父「だそうだぞ、シトロン。三人でホウエン地方に行って来なさい」




 シトロン「いいですけど、もし、サトシがこっちに戻ってきたら、サトシは困りませんか?」




 セレナ「そうよね、やっぱり私、こっちに残ろうかな。サトシ待たないとかわいそうだもの。シトロンとユリーカで行ってきて」




 ユリーカ「えー!?」

 ユリーカはわかりやすく叫び、




 シトロン「………」

 シトロンは寂しそうな表情をこらえていた。セレナがサトシのことを好きなのをわかっていたからである。そんな息子の様子を見かねてか、




 シトロンの父「悪いな、セレナちゃん。オレはプラターヌ博士の家にしばらく、泊まり込みになってしまうんだ。すると、セレナちゃんはうちで一人で留守番になってしまう。女の子一人で留守番させるわけにもな。だから、セレナちゃんもホウエンに行ってきな」

 と、シトロンの父は言い出した。




 セレナ「で、でも、サトシが……」




 シトロンの父「大丈夫、そしたら、メモを残してプラターヌ博士んちにサトシくんにも来てもらうから」




 セレナ「それなら、安心ですね。わかりました、私もホウエン地方に行ってきます。パンフレットのことも気になりますし」




 シトロン「セレナ……」




 ユリーカ「やったー、セレナも一緒だ!」

 と、兄妹は嬉しそうにしていたのだった。




 ビオラ「車、出しましょうか」

 グッドタイミングに、ハクダンシティのジムリーダーのビオラも現れた。




 シトロン「ビオラさん!?」




 ビオラ「姉さんいなくて暇だし、空港まで乗せていくわよ」

 姉さんとは、サトシをイッシュ地方まで送り届けたパンジーのことだ。




 ユリーカ「うふふ、さすが私の選んだお兄ちゃんのお嫁さん候補。ビオラさん、もう一度キープ! お兄ちゃんをシルブプレー!」




 シトロン「もうユリーカ、それは毎回やめろやめろやめろやめろと言っているだろう! 恥ずかしい! エイパムアーム起動!」




 セレナ「………」

 ビオラとシトロンたちを交互に見たあと、セレナは苦笑していた。




 ビオラ「さ、行きましょう」




 シトロン「すみません、ビオラさん、お願いします」




 ユリーカ「ビオラさん、キープ、キープ!」




 シトロン・セレナ「ユリーカ!!」

 何と、セレナまでふざけていたユリーカを叱った。




 ユリーカ「セレナまで怒らなくたって……」




 セレナ「ご、ごめん、ユリーカ」




 シトロン「ユリーカが悪いんだよ。親切にしてくれているビオラさんを困らせたりするから」




 ユリーカ「はーい、ごめんなさーい。セレナ、ごめんね」

 ユリーカは反省していた。




 セレナ「ううん、私の方こそ、何かカッとなっちゃって」




 シトロン「すみません、セレナ、僕たちの用事に付き合わせてしまって。サトシを待ちたかったですよね……」

 セレナがイライラしているわけは、自分の用事のせいだと思い、謝ったシトロン。




 セレナ「ううん、全然いいのよ。ホウエン地方のポケモンコンテストが楽しみ」




 シトロン「ええ」

 セレナの言葉を聞き、シトロンはホッとしていた。




 ビオラ「さ、空港まで飛ばしていくわよー」



 セレナ「きゃー、ビオラさん」




 ユリーカ「スピード出しすぎー」




 シトロン「ビオラさん、スピード強だったのですかぁー」



 こうして、シトロンたちのゴートゥホウエンが始まったのだった。




             つづく。







ー第1話、セレナ、シトロン、ユリーカ、ホウエン地方へのリアルタイム更新時間ー

2015年11月6日17:42  GREEより

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