人魚姫と忠義の武将

半分魔女化した堕天使の♀ヘム
@mesuhemu

人魚姫との出会い

そして遂に夜ーー

噂の海辺へと楽進、李典、賈詡は足を運んだ。

特にこれといった以上はなくただ波の音だけがしている。

「特にこれといった変化はありませんね…やはり噂ではーー」

「シッ、静かにしてくれないかい?」

「え?賈詡殿、一体どうしーー」

「歌声のような鳴き声が聞こえる。聞こえないかい?」

楽進と李典は耳をすませる。どこからか歌声のような鳴き声に近い音が聞こえる。かすかなものだが確かに聞こえる。

「…近づきましょうか?」

「ああ、その方がいいだろうね。」

「まあ…危険だろうけどそうも言っていられないし行きますか。」

三人は声のする方へ向かっていく。そこにはーー

「あれは?!一体…」

「おいおい…まさか本当にいたなんて…冗談だろ?」

「いや、…冗談じゃないね。あれが噂の人魚の怪異か。」

そこにいたのは大きな女性の人魚のような化物のだった。だがーー

(…恐ろしい感じはしないです…。寧ろ美しい…しかし危害を加えてくるというよりも苦しそうな感じですね…)

楽進の武将としての直感がそう言っていた

「これは放っておけない!すぐにでも倒しーー」

「いや、待ってください!あれは倒すべきではありません!」

「楽進?!何を言ってーー」

「よく見ててなんだか苦しそうだと思わないですか?」

「…確かにそうだな。」

暴れてはいるが苦しそうな様子である。

「…策があります!。」

「なんだ?」

「ひとまず攻撃するんてす!。峰打ちで、で!」

「峰打ちかぁ。難しそうだ。まあ、するけどね。」

「よし、では峰打ちで攻撃です!」

近寄ると人魚のような大きな怪異はこちらに気づき暴れてくる。それをかわしながら峰打ちで弱らせていく。そして遂にーー

「これでーーとどめですっ!」

楽進がとどめの峰打ちをしたと同時に人魚のような大きな怪異はか細い声を上げながらぐったりと宙に浮いた。

「やった、のでしょうか。」

「そうみたいだぜ。」

「ああ、間違いなくそのようだね。」

するとその時、不思議なことが起きた。人魚のような大きな怪異が光に包まれ出したのだ。そしてーー武装をした女性の姿へと変わった。少女はそのまま落ちていく。

「ああ!危ないです!」

それを間一髪で受け止める楽進。女性はくたり、と力尽きたまま動かないが生きているようだ。

「生きている…ようですね。でもこれは一体どういうことなのでしょう?李典殿。」

「いや?!俺に振るの?!分からないからね?!」

「俺にもさっぱりだよ。ひとまず曹操殿のところへ連れて行って報告した方がいいだろうね。」

話が進む中、楽進だけは見とれていた。

肩より少し下まである先が水色に染まった白い髪、白い肌、少女を思わせる華奢な小さな身体。そして武装は普段見かけないようなものだった。その武装が更に彼女の美しさを引き立てている。

(まるで人魚姫というもののようで美しいです…)

それが彼女と楽進の不思議な出会いだった。


(続く?)


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