嫉妬少女はイケメンが嫌い。

文句祭

僕は荒巻慎二(あらまき しんじ)20歳。


普通の大学生です。


ただ、周りにはいつも女の子がいます。


別に僕が望んでるわけではありません。


何故か、気付いた時には囲まれているんです。


"遊ぼう"とか"付き合ってほしい"とか。


僕にはそんな気はないので全てをお断りしています。


でもここ最近なんです。こうなったの。


なんでなんだろう?


と僕自身が思っているわけで。


と言うか。


僕は気になっていることがありまして。


あらゆるところの女の子が僕の周りに集まっているのに、1人だけ、絶対僕のところに来ない女の子がいるんです。


椿 藍華(つばき あいか)


同じ学科で同じ専攻なのに…


絶対僕と目を合わさないし、喋りかけてもこない。


何となく気になる。


ちょっと話しかけてみるか…


『あの』


藍『…何』


あれ、機嫌悪そうー…


『ああ、いや。何してるのかな〜って思って』


藍『私は分かってるぞ』


『な、何を…?』


藍『君が猫かぶり人間だってこと。だからそーゆー風に喋りかけられると鳥肌立つ』


『なっ…!!』


なんだとっ…!!


え、俺どっかでミスった…?


素を出したことなんてないはず…


藍『素を出したことないはずなんだけどな〜って?』


『…』


藍『あーやっぱり裏があったんだ?そーゆー顔だもん。イケメンが"僕"って言ってる時点でアウトでしょ』


ちょっと待て。


何者だ、こいつは。


そういう定義があったのか。


そこまでは計算していなかった。


『…まぁバレたなら普通に話す』


藍『キャラ変凄いね』


『うるさい。てかなんで分かったんだよ?べつに僕って一人称のイケメンなんて他にいくらでもいるだろ』


藍『自分がイケメンって認めてるんだねwうーん…結構長く君を見てきたから…かな?』


『は?どーゆー…』


藍『君、最近髪の毛切ったじゃない?そっからだよ、モテ始めたの』


髪…


ああ…そろそろ顔面を隠すくらいの長さがあった前髪を切ろうと思って切ったんだが…


『なんか変わったか…?』


藍『顔面がお目見えしたことによって、え?!あんなにイケメンだったの?!って言う反応ですよ、女子どもは』


口悪。


藍『てかなんで猫なんか被ってんの?』


『え…どう接したらいいか分からなかったから…急に女が寄ってくるようになって…』


藍『ピュアかよwww』


『うるせぇ。今までこんなことなかったからいきなりで焦ったんだよ』


藍『ふーん。私、入学した時から言ってたんだよ、あの人絶対イケメンだよ、顔面。って』


『顔面って言い方やめてくれる?』


藍『なのにさ?皆んな"そう〜?前髪で顔隠れてるし全然喋らないから分からないし、陰キャぽくない?"ってさ』


『い、いんきゃ…?』


藍『陰キャラっぽいことね?ってこと。そんなことも分からんのか』


"ラ!"つけるだけやん!!


"陰キャラ"と"陰キャ"一文字!!!


藍『私は初めから君のことをイケメンだし好きだったのにさー。最近になって周りの女が騒ぎ始めやがって。本当無理。今更?前から私言ってたよね?って話。もう全然みんなの話ついていけないもん。

"慎二くんがさ〜!"って友達言いに来るけどさ?マジでどーでもいい。私が好きだった漫画とかアニメとか人気が出たら冷めるタイプなの。しかも何年越しで今人気なの?!ってやつとか本当無理。慎二くんまさにそれ。慎二って聞くだけでイラッとするからやめてくれる?』


俺のせいじゃなくね…?


え、"トバッチリ"って言うんですよね?これ。


しかもめちゃ喋るやん。


喋ると言うか文句がすげーな。


『いや、そんなん俺に言われてもっ!!しかもサラッと俺のこと好きだって言ったよね?!』


藍『あー好きだって言った?"好きだった"が正解でした。もー本当嫌。話しかけないでくれるかな?イケメンくん。絡まれるこっちの身にもなってよ。周りの女の視線がイタイのです。君のせいで私が死んだらどーすんの?暗殺だよ暗殺。されるわ、これは。時代遅れ女どもめ。どーせ私が時代遅れ野郎になってんだろーけどな!!私の生きてる時代が早いんだ!!老化現象が早いんです〜もうねっ…』


『あーーーはいはいはいはい!!分かりました!!!すみませんでしたっ!!!そんなに不満……?つかそれって……嫉妬……??』


藍『私に嫉妬という言葉は存在しない』


『いや、それ嫉妬って言うんや。まだ俺のこと好きでいてくれてる?』


藍『はぁ?話聞いてなかったのか?!あんだけ喋ったのに…っ!!もういいです。私はあなたが嫌いです。消えてください。不愉快。汚い』


『汚いってなんだよ!分かった。これから俺はうざ絡みだと言われても絡んで、お前の彼氏になってやるよ』


藍『ほんとにそういうのやめて。望んでないんですけど。イケメンなら何言ってもいいと思ってるんですか?それは2次元のみ許されることです。2次元のセリフを3次元が言ったらどうなると?こうなるんです。引かれますよ。どんな顔がほざいとるねん。と』


うわ、めっちゃ言われた。


まぁ…確かに一理ある。


『てかそういう話に持ってって逃げるなよ』


藍『逃げてない。正論でしょ。君もよく分からない女に"付き合って下さい"って上目遣いで言われたら"なんだお前。自分の顔見てから行動しろ"って思うでしょうよ』


『いや…あ…うん…まぁ…』


藍『濁してんじゃねーよ』


ヤバいヤバい。


ペース持ってかれてる。


てかこえーwww


『でもお前は俺のことイケメンってことは認めてるんだろ?』


藍『だからうざいの。中途半端にイケメンだから嫌なの』


『ってことは別にいいじゃん!俺がどんなセリフ言ったって!』


藍『そんな甘いセリフ言いたいなら声優になりなよ。君ならなれるんじゃない?何年後かに人気出て有名になったと同時にまた私の機嫌が悪くなるから』


『何故そーなる』


藍『まだ何か?』


『分かった。お前はそーとーな嫉妬屋だな。好きなもの・好きな人は自分だけに好かれてればいい。って考えだろ』


藍『だったら何』


『オーケーオーケー。俺はお前だけのものになってやるよ』


藍『はぁ?』


『今日から俺はお前の彼氏な!』


藍『はぁ?!ちょっ…何言ってんの?!何この展開……怖。いや無理。なんで?!なんで私なの?!』


『だって。俺のことずっと見ててくれたんだろ?お前が俺の理解者だ。猫被らず素で話せる唯一のヤツだからな』


藍『なっ……なんだそれ……。まぁ……今回は折れてあげてもいい…よ』


『へへっ。じゃあ決まりな!じゃあよろしくな!藍華!』


藍『う、うん…(はぁ。めんどくなりそー)』


こうして2人は"一応"付き合うことに。


だがしかし。


ここからが本当の戦いであることを慎二と藍華はまだ知らない……。

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