ミスタ加入時のアバパイセン

ten tomita
@Tentomita


いつものリストランテにて、

自分のチームと、

新入りのミスタとの

顔合わせが済んで、

安堵したのか、

ミスタの好物なのだろう。

イチゴケーキが運ばれてくる前に、

ブチャラティが

バーニョに立った。

アバッキオは

「ミスタ君だっけ?」と

先に運ばれてきていた

紅茶を、徐にミスタに差し出した。

ミスタはそれを

何も疑いもせず受け取るが、

ツンとした匂いに思わず、

「うっ!!なんだコリャャャーーー!?

こいつは紅茶じゃあねェーー!!」

と叫び声をあげて立ち上がり、

ミスタは震える瞳で

アバッキオを見つめた。

「ん?なんだ、

先輩が淹れた紅茶が飲めないってのかい?

立ってるのも何だから、

ここ座んなよ、

お茶でも飲んで、、

話でもしようや、、、」

アバッキオは顔色一つ変えることもなく、

ミスタを

見つめていた。

「さあ、飲みなよ。」

ミスタは只々、

何も言葉にする事が出来ずにいた。

それを見ている

フーゴや、ナランチャも

声を殺し、肩を小刻みに震わせながら、

笑いを堪えているようだ。

もちろん、彼等も

この馬鹿げた振る舞いに、

まんまと

ハマってしまった事があるのだ。

見つめ合う二人、、

数秒、いや、数分経っただろうか、、、

バーニョから戻ったブチャラティが、

4人を見るなり、

「ん?なんだ、楽しそうに話をしているな。

紅茶か、そうだな、

ケーキを食う前に

オレにも1ぱい

ついでくれ、アバッキオ」

と言うと、

ミスタが開口一番、

「オイオイオイーーー

ブチャラティー!!

聞いてくれよォォーーー!!

このアバッキオって男はなぁ、

紅茶と見せかけて、

自分の小便をオレに飲ませようとしてんだぜッ!!

よぉ!!ブチャラティ!!

ばぁーっちいと思わねぇのかよォ!!」

さっきまでなにも言葉にできず、

黙り込んでいた口が、

まるでマシンガンのように

話し始め、

今あった出来事を

全てチームリーダーの

ブチャラティに打ち明けた。

フーゴとナランチャはその様子に

唖然としたが、

アバッキオは、

そのミスタの

誰であろうが、

単純な疑問や間違いを

正し、

己の正しいと信じる道に

向かおうとする姿勢や

行動を見て、

まるで自分とは真逆だなと

元警官としての直感でわかった。

そして次の瞬間、

思わず笑いが込み上げてきた。

普段は奥ゆかしい花顔が、

「あはははッ!!」と

声を上げて笑う。

その姿を見て、

洗礼を受けたミスタも

「なんだよ!!

そんな顔も

出来るんじゃあねぇかヨォ!!

気に入ったゼ!!」と

腹を抱えて笑いだした。

フーゴも、そしてナランチャも

そんな2人を見て、

声を上げて笑い、

ミスタに駆け寄った。

1人、「?」と

思いながらも、

自分がバーニョに立った

数分間で、

チームがここまで

結束していたのを

微笑ましく思い、

4人が笑い転げている様子を

横目で見つめながら、

ようやくブチャラティも席に着いた。

少し緩くなってしまっただろうか、

アバッキオの席の前に置いてある

ティーポットを手に取り、

何も知らないブチャラティが、

今ティーカップに紅茶を注いだ、、、。