バレンタイン

絶対引くなよ。絶対引くなよ?(歌マクロスガチャ禁)
@sync_rusieru


「チョコ、つくりたい」

ある日のツキノ寮。

その管理人を務めている夏樹の部屋に集まったいつもの面々である、花、夏樹、乃愛、景、晴、凛は、鳴がテレビを見ながら零した言葉に視線を向ける。

視線を集めた本人は、未だテレビで流れるもう来週へと迫ったバレンタイン向けのチョコを紹介する映像が流れているテレビを見つめたままであるが。

「チョコ、か………ちなみに鳴。バレンタイン、って知っているかな?」

「?ばれ………チョコ食べる日?」

やはり本人はそのテレビ放送の意味を知らなかったようで、問うた景はあははと苦笑いして、小首を傾げる鳴の頭を撫でてやる。

「うふふ。私が教えてあげるわ、鳴ちゃん。」

「え、花さん大丈夫…?」

「大丈夫よ、乃愛ちゃん。任せてちょうだい。」

止めようとする乃愛に、花はただでさえ立派なその胸を張って大丈夫だと言う。

「あのね、鳴ちゃん。バレンタインって言うのは、愛しくて愛しくて仕方ない人にチョコレートを渡す日なのよ。」

「はい、アウトー!」

「えっ?」

「何がおかしいの?って顔をしても駄目ですから!」

にっこりといい笑顔で説明しだした花を夏樹が止める。

間違いでは無い。無いけれども、今のバレンタインはそればかりでは無くて、説明不足なのだ。

「……夏樹さん。もう遅いようなのです。」

「え?」

「…みんな、行こう…」

「うん…目的が固まったみたいだね。」

立ち上がった鳴が夏樹の腕を掴む。

「…わたし、いっくんにあげたい。夏樹も、海に、あげる。」

「疑問形ですら無いんだけど!?」