前世からあなたを想ってる2

静華@固ツイ投票してね
@nai9_twitwi

2章

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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レルゲンは人事部として、士官学校への入学を希望する者の面接をしていた。

「何故、軍に入ろうと?」

「私の能力を最大限に活かし、正しく評価する場は、ここにしかないと判断したからです。」

目の前の男が鷹揚に答える。

しかし、レルゲンは疑問で堪らなかった。何故、数値が平凡なこの男は、如何にも自分は優秀であるように答えるのか。思案のために、僅かな沈黙がその場を制した。

貴台は不思議なのでしょう、と男が告げた。不気味なほど美しい男の射るような眼差しに、こちらが品定めをする立場なはずなのに、まるでこちらが値踏みをされている錯覚に陥る。

「な、にがかな。」

男が目を合わせてくる。レルゲンは自分を見透かすような瞳で捉えられて、思わず動揺した。その瞳は、どす黒く濁っているようにも、まったく澄んでいるようにも見えた。

「私が、なぜそんな確信を持っているのか。」

そう男は言うと、おもむろに立ち上がり、目を閉じ、祈りの言葉を唱えた。息が詰まるほど美しさだった。静かな空間に男の声が響く。

『主よ、私に御力を。この者に真実を視せるための御力を与え給え。』

瞬間、男の組んだ手が光を放ち、周囲にある全てのものが宙に浮かんだ。あり得ない。起こり得ない。そんな、まさか、

「演算宝珠なしに干渉術式を発現させただと......!?」

そんな芸当、魔力保持量・放出量共に同期-それどころか魔導師兵科設立以来の多さと謳われるターニャ・デグレチャフ士官候補生でも聞いたことがない。魔導適正Aどころか、帝国軍魔導師兵科前代未聞のA+も夢ではない。何故B+などと評価されたのか。

「私は、宝珠なしに攻撃術式以外の干渉術式を発動することができます。そして、それ相応の魔力量を秘匿することができます。それに」

そういって、男が自分の足元に目をやったと思えば、そこに大量の紙の束が顕現する。おそらく欺瞞術式で隠していたのだろう。

「手荷物厳禁のこの場にこれらを持ち込んだのをお許しください。しかし、あの試験方式では私の有用さを正しく評価していただけないかと思いまして。」

そう手渡された、両手でなければ受け取れないほどの量の紙の束の内の、最初のページを一読すると、レルゲンは驚愕のあまり目を見開く。

そこに記されたのは、画期的かつ現実的な戦略だった。次々と捲れば、戦略だけでなく、有意義な人的資源の活用法、効率的な人事育成法など、実に多様な攻略があった。

「な、なぜ、そうまでして、自分の有用性を示したい?そうまでして、軍に入りたいのか。」

その鮮やかな、畏怖をも感じるような策略の数々につい興奮のあまり震える声でレルゲンは問う。

すると、目の前の男は、穏やかな笑みを浮かべて答えた。

-「私の神に、お逢いする為です。」

その笑みは、神の御言葉を人々に伝える聖職者のようで、或いは-神の使いである、天使のようだった。











その夜レルゲンは、首都に来たついでにと、寄ったパブで、面接した男-ホフマンと再会し、酒を酌み交わした。そして、ホフマンの指す『神』があのターニャであると知り、悪魔の所業や歳を考え、ドン引きしたが、ホフマンによるターニャの惚気や馴れ初め-まだ出会ってないので勿論前世のものであるが-を聞いて、こちらもレルゲンは感涙した。

ホフマンは酔っ払っていたし、レルゲンもまた酔っ払っていた。