僕と死神さん

カラス コンパス枠
@konpasu2017

12話 ボールと死神さん

「どっこいしょ!!っとぅい!!今日の朝は派手にいったなぁ」


「……見てたんだったらボール止めてくれてもいいじゃん」


「それは出来ひん話やな、みんなの目の前でボールが浮くことになるし…避けやんかった自分が悪いねんで」


「…それに関しては何も言えないよ」


これは遡って朝の出来事

僕はまたナースに連れてかれて運動というなの他の子達の遊びというじゃれ合いに連れていかれた。

比較的元気な子はボール遊びを、僕は運動が得意じゃないからそれには参加しなかった。

いつも通りアイドルが大好きな子の話をひたすら聞いていた。

でも、僕には興味が無くて…とても暇だった。


だから、病室に戻ろうと思ったんだけど…それがいけなかったのかな?


ボールが飛んできて僕の顔面にクリーンヒット、柔らかいボールだったのに僕の鼻からは鼻血が出た。そのまま尻もちをついたため、手には擦り傷ができ、皮がめくれてジンジンと痛い。


「……はぁ、本当についてなかった。だから僕は外が嫌いなのに」


「でも、お前…あのボール避けれたんとちゃうんか?」


「死神さんも見てたでしょ、あれは避けれないよ」


「いいや…お前は避けれたはずや。一瞬避けようと体がピクッと動いたけど、お前はボールが来るのを待ってるかのようやったで」


「確かに飛んでくるのは当たる少し前に気付いたよ?でも、体が上手く動かなかった。それだけだよ」


「ふーーーん」


(なんか今日はしつこく言ってくるなぁ…)


僕はため息をつき、死神さんから視線を少しずらし再び死神さんを見た時には僕は目を丸くさせた。




死神さんは花瓶を持ち上げ僕に投げつけようとしていた。




「………ッ!!」

僕は素早くベッドから飛び降り物陰に隠れる。


(ついに僕の魂を奪う気なの?!)


「……ほぉん、そんな素早い動きに瞬発力があっても避けられん…と?」


死神さんは花瓶をあった場所に置いた


「な、何考えてるの?!前も、病室で火を使ったり…死神さんは何を考えてるの?!」


「まぁまぁ、そんなカッカすんなって…何考えてるって色々考えてるで?ジャボンの続きも気になるしなぁ、それから新作のゲームとか、あとは新作の死神グッズに…あぁ!あと、どんなやつの魂奪うとかな!」


「………。」


「怒っとるんか?」


「別に、でも今は死神さんと話したくない」


そのまま僕は病室から出た。死神さんを置いて


「…そろそろ、食べ時やと思うんやけどなぁ…もう少しスパイスを加えるか…、どのみち1度じゃ無理やな…



終盤に向けてのもう仕事やな」













僕は廊下を早足で歩く。

(胸がムカムカする…死神さんが花瓶を投げつけようとしたから?死神さんが僕の事を考えてくれてなかったから?それとも…どこかで友達のように思ってたから?死神さんは僕の魂をとるために現れた…それだけ、別に友達なんかじゃない…でも、どこかに寂しさがあって虚しさがあって…死神さんで心を埋めていたところもある。それは僕も分かってた。わかってたんだ…、)


僕の目からは涙が溢れてた。

(なんだか…悲しい、どこか裏切られたような気持ちがある。花瓶を投げつけようとした所で、僕は改めて実感しちゃった…死神さんは僕の魂を奪いに来ただけ、僕のことなんてどうでもいい。僕がどう思おうかなんてどうでもいい死神さんは僕の魂を奪えればそれでいい!!それでいいんだ!!僕は寂しさを紛らわせるために死神さんを利用してただけ!!死神さんは僕の魂をとるためにそうしてただけ!!それだけ!!それだけなんだ!)


僕は屋上に来ていた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

僕は唾を飲み込み、手すりを乗り越え縁に立つ。


「もう、終わり…全部終わり。死神さんとももうお別れだよね、これでいい…この気持ちがあれば勢いでもういけるよ…僕、回りくどいやり方しなくたって僕は…死んでやるんだ!あんたにあげるよ僕の魂…欲しかったんだよね?これでとれるよね…死神さん」


僕は縁から飛び降りた。

(あの夢のなかでなら死神さんと一緒に飛べた。今は一緒じゃないから飛べない。このまま落ちるだけでいい)


そこからは僕の記憶はない。














『ほら!一緒に遊ぼうよ!ほぉ〜ら!』


『ちょ、やめて…引っ張らないでよ』


『本ばっか読んでたら暗いやつに見られるぞ?時にはみんなと遊ばないとさぁ〜!』


『あっ!本取らないで!返してよ!』


『…へぇ〜なにこれ?なんか色々凄い書き込んでるけど』


『…返してって!!』


『今度これ貸してよ、いいだろぉ〜?』


『……ッ!嫌だ!これは僕のだ!!』


『あっ!!』


『あっ!!!!………。』


『ページが…破れちゃった。えっと…ごめ』


『……ッ』


『あっ……。行っちゃった。わざとじゃないのに………。ねぇ、待ってって!ごめんって!』


『もうわかったって、僕が運動神経ないの知ってるでしょ…僕のことはほっといてよ』


『………。』


『………。』


『ほっとけないに決まってんじゃん』


『……。』


『……。』


『…はぁ、分かってる。僕だって同じこと言われたら同じこと言うもん』


『へへっ…よかった!これ…後でセロテープでとめよう』


『うん』












『ヒーローごっこしようよ!』


『いいよ』


『んじゃ、赤レンジャー役やって!』


『わかった。赤と何レンジャー?』


『え?怪物役やるから、赤レンジャーVS怪物だけど?』


『え?!怪物役?!いるそれ?!』


『え?!いりまくるよ!!かっこいい悪役やるから!!かっこいい赤レンジャーで頼むぞ!!』


『ま、まぁ…いいないいけど…』


『クックックッ…現れたな…赤レンジャー…俺はすごく凄く悪い…怪物だ』


『雑い…なんか雑い…』
















『勇者ごっこしようか!!』


『いいよ』


『んじゃ、勇者役やって!まず王様役やるからさ』


『ま、まず?』


『うん!!その後、魔王役やるから』


『そ、そうなんだ…なんかいつも悪役やってない??』


『ん?悪役の方がカッコイイからいいの!これで』


『いいなら…いいけど…』










『鶴〜鶴♪鶴〜…折れた!!』


『僕…も……でも上手く折れない』


『あはは!不器用だなぁ』


『…うるさいなぁ』


『んじゃ、もう1回!次は一緒にひとつの鶴作ろう!』


『……折り紙好きだよね』


『だって、紙1枚で色んなの出来てすごいじゃん!』


『そう言って長く続いた覚えないけどね』


『ん〜…だって出来ないことが無くなってつまらなくなるんだもん』


『……僕もそんなこと言ってみたいよ』


『言えばいいじゃん!』


『…言えるもんか、僕は出来ないものしかないもん』


『ほら!鶴また折れた!』


『聞いてた?!』













僕はベッドの上で目が覚めた。

「あ……れ?」


「おぉ、目覚ましたか?」


「…確か僕、飛び降りたんじゃ」


「……??夢でも見てたんちゃうんか?お前ボール頭にぶつけて倒れてたんやぞ?」


「そう、だっけ??」


「せやで、んで?どんな夢やったんや?」


「死神さんが花瓶投げつけようとして…それから屋上で飛び降りて……それから、誰かと会話してた。誰かと遊んで楽しそうにしてた。…なんだかとっても懐かしかった…誰、だったんだろ?色々…頭の中に思い…だして」


「まぁ、落ち着けって。頭パンクするで?水でも飲んで落ち着き」


「ありがとう…」


僕は水を飲み込む。


「話してる相手は僕とすごく違っててすごく似てた…身長も」


「そうか」


「凄く…思い出さなきゃ行けない気がするんだ。」


「…そうか」


死神さんはそうかと言うばかりで僕にしつこく聞いてこなかった。興味が無いのかなんなのかよく分からないけれど、それでいいと思った。















深夜の屋上

死神は手すりをそっと撫でる。


「夢なんて嘘や、空を飛んだのも夢やと思ってるやろうけど夢やない全部ほんまのことや…

落ちてきたところで俺が網ですくい上げて、ベッドに寝かした。


脳に刺激を与える。閉まってるもんを引きずり出す…





さぁ、思い出すんや。









流星…。最終回に近付けて行こうやないか」

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短い悲しいお話「一生懸命」生きたい、生きたかった。少しでも誰かにこの思いが...

カラスの妄想を書くお部屋見ても引かないと約束のうえ、ご覧ください♡