僕と死神さん

カラス コンパス枠
@konpasu2017

5話 頭痛と死神さん

「なぁなぁ…あの雲、美味しそうやない?なんかこう……よくわからんけど!!こう…ほら…!!なんかこう!!なんて言うんやっけ…あの…人間の食べ物…なぁ!!!なぁなぁなぁ!!」


「うる……さい……うっ!はぁはぁ…」


「…ど、どないしたん?!しんどそうやで?!」


「だ、か、ら!!!頭が……ッ!頭が痛いから…静かにしてって…これで23回目だよ…」


「あ〜せやったか……大丈夫かぁ?お兄さんがなんかしたろかぁ?なぁなぁなぁ…」


「じゃあ黙って…頭に響く」


「……ちぇ、つまらんな」


「先生は安静にしてたら…良くなるって言ってた…から……うっ、はぁ…」


「………」


「まぁ、死神さんにとっちゃそんなこともどうでもいいんでしょ?…もしかして、死神さんがこの頭痛をやってるとか…?」


「…なんでもかんでも俺のせいにすんな、たまたまやたまたま」


「…ふーん」


「せやけど、こんな時に親が来やんってやっぱ寂しいもんなんか?」


「…別に、お父さんもお母さんも忙しいんだから仕方ない事だよ」


「仕方ない……ねぇ」


「…なに?」


「…べぇええええつに!俺は少年ジャボンでも読んで暇を潰すしかなさそうやなぁ〜少年ジャボン面白いなぁあああぁあああ!!」


「……。それ前もう全部読み終わったんじゃなかったっけ?」


「はぁ、わかってないのぉ…1周目は下見、2週目は理解、3週目は見直し、4週目はおさらい、5週目は……心に刻むんや(ドヤドヤァ〜ン★)」


「……あっそ、僕は寝るから静かにしててね」


「俺は小さいガキかなんかか?」


「違うの?僕にいつもベッタリじゃん」


「そういう仕事やからな!お前のお守りとお前の魂を運ぶのが俺の仕事や!!」


「…うぅ、うるさいなぁ…もぉ、頭に響くよ」


僕は布団に潜り込む、体力が奪われていたせいか直ぐに眠りに付けた。



















『流星?ご飯美味しい』


『うん、美味しいよ…お母さん』


『流星、今度遊園地に行こうか』


『うん、とても楽しみだよ…お父さん』


『流星』


『流星』


『流星』


『流星』


『流星流星…流星流星流星流星』


『流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星流星????』

















「…んはぁ!!!」

僕は飛び起きた。パジャマや布団は僕の汗でびしょびしょに濡れていた。




「あぁああああああ!!!お前のせいでトランプピラミッド壊れてしもたやぁああぁああん!!流星のバカバカバカバカぁあああああ!!」


(……夢か、なんだ)


「はぁ……」


「あ、幸せ逃げたで」


「…ため息突くたびに言わなくていいよ、それ」


「いや、期待されてるかなって思って(笑)」


「期待してないし、別に言わなくていい!」


「頭痛治ったんか?」


「え?…あぁ、うん…平気」


「すごい汗やな…タオルで体拭き拭きしよかぁ?冷たい飲み物もあるで〜自販機で買ってきたんや〜♪お前のお金でやけどな」


「勝手に使うなって!!…でもまぁ、ありがとう死神さん」


ペットボトルとタオルを死神さんから受け取ろうとした…





(あれ…なんだか、体に力が…はいら…ない)


ぽふんっ…と死神さんにもたれかかった


「なんやなんやなんや?デレ期か??流星君のデレ期かぁあ?お?お?おぉおおお?」


「心読めるんでしょ?なら察してよ」


「…ツンデレ期かぁああああ!!可愛いぃいいいいいい!!!…ってまぁこれだけ汗かけば脱水症状にでもなるな」


死神さんはペットボトルの蓋を開けると僕に水を飲ませた。



「……んぐっ!!なにこれ!!しょっぱ!!」


「塩入れたからな〜♪脱水症状には塩分も必要や、ゆっくりでいいから飲め」


僕は言われるがまま少しずつ飲んだ。気持ちが落ち着いたところで死神さんはペットボトルを机においた。


死神さんは革手袋を外し、袖をまくった後、僕のパジャマを脱がしぬるま湯で濡らしたタオルで僕の体を拭いた。


それはとても…とても優しいものだった。


「……なんで?ほっといたら…僕は」


「死んでたのにって言いたいんか?前に言うたこと忘れたんか?お前に決める権利はない」


(本当に…こんなのが死神なの?)


「えーっと…着替え着替え…パンツに新しいパジャマ」


カバンから着替えと下着を取り出し満面の笑みで僕を見ている


「さぁ…着替えも手伝ったるからなぁ〜♪」


「やめろ!!ロリコン!!変態!もう僕一人で着替えられる!」


(パンツすらも着替えを手伝おうとするなんて…冗談じゃない!!)


僕は着替えを死神から毟り取った


「やれやれ…またいつもの反抗期か…布団もシーツも汗で濡れてるやろうから俺が新しいの取って来たる、それまでに着替えとけや」


そういうと病室から死神さんは出ていった


(…死神さんっていったい、何がしたいんだろ…わからない、変に世話焼きってことが分かったし)


そんな事を考えながら着替えを済ました。

今思えば外は真っ暗だ。時計は夜中の1:00を指していた。

ずっと寝ていたせいかお腹はすいていない。




着替えた丁度に死神さんが戻っきた。





「シーツ♪おふとぅん♪新しいのぉに変えましょねぇ〜♪枕もあったで〜♪」


陽気に歌いながら新しいのを持ってきてくれた。


「終わるまでそっちの椅子に座っとけ、水でも飲みながらな」


「うん…」


僕は言われるがまま椅子に座り込む


死神さんは手際よくベッドを綺麗にしてくれる。


(……ありがとう)


「……フッ!ククククッ!声に出して言えばいいもんを…ツンデレやなぁ〜流星くんは」


「…うるさいなぁ」


「そういう所は子供っぽくて可愛いのにぃ〜♪」


「全然嬉しくない!!」

僕は水をグビグビッと飲み込んだ


(はぁー…なんかありがとうなんて思わなくなっちゃったよ)


「そうそう、死神に礼を言うのは場違いやで〜感謝されることなんて一切ないからな」


最後に枕をポンッと置けば、ベッドメイキングが完了された。


「さぁ、ご主人様準備が整いました。(キラキラオーラ)」


「…キモッ!!!」


「結構はっきり言うなぁ!!人間ってこういうの言われたら嬉しいって聞いてんけど…あの死神嘘ついたか…あんにゃろ」


「まぁ、一部の人には喜ばれるんじゃない?」


僕はベッドに手を付き食感を確かめた。


(わっ!!なんかすごいフワフワで気持ちがいい…)


「お気に召しましたかご主人様?」


「だからキモイって!!…まぁお気に召したけど…」


「でやぁ?凄いやろぉ?でやでやでやぁ??(これでもかドヤァ〜★)」


(うぜぇ…)

「こういうことも死神の仕事に必要なことだから上手くなくちゃ行けないの?」


「いや、そういうわけやないけど?ただ人間の最後の要望としてフワフワの布団で死にたいとかがあったからな…それでだんだん上手くなっただけや」


「へぇ…そういうの聞いてあげるんだ」


「気分次第やな…そんなことはどうでもいいからさっさと寝ろ、俺はこれ片付けてくる」


濡れたシーツ、布団、枕を持ってさっさと行ってしまった。


(それにしても本当にふわふわだなぁ…どうやったらこうなるんだろ?お母さんに教えてあげたら喜ぶかな)


もそもそと布団に潜りながら僕は眠気が来るのを待った。















深夜3時頃


(だめだ…寝れない、さっき起きたばっかりだしそう簡単には寝れないよ)


寝よう寝ようとすると余計に段々目が冴えてきて…余計なことを考えてしまう


「…寝れんのか」


死神さんが病室に戻ってきた。


「寝やんと身長伸びやんで〜」


「もう十分今日は寝たよ…眠たくない」


「…はぁ、しゃあないなぁ」


「な、なにさ…」





死神さんの手が伸びてきて



僕の頭を撫でた




「……???」


困惑した僕の顔を他所にスーッハーッと深呼吸をする死神さん


「ね〜むれ〜♪ね〜むれ〜♪」


(…ま、まさかの子守唄!!!)


「魂をだい〜て♪ね〜むれ〜♪ね〜むれ〜♪魂をだい〜て♪」


(……あれ?なんか僕の知ってるやつじゃない??)


「明日は〜もっと〜♪キレイな魂を〜♪あの世に持っていく〜ために♪力を蓄えるために〜♪ね〜むれ〜♪」


(なにこれなにこれなにこれ…)


「抗う奴も〜♪押さえつけ〜♪死の印を〜押し付ける〜♪それが死神の仕事〜♪逃がさなぁい〜逃れられなァい♪」


「待って待って待ってなにこれ…」


「え?死神の子守唄ですが?…え?」


「いや、怖いよ!!病むわ!!怖い夢見るわ!!……なんだその顔は!!この曲知らないとかありえなぁいみたいな顔するな!!」


「まぁまぁ、そんなカッカすんなや少年…近所迷惑やろぉ?」


「お前のせいだわ!!」


「まぁまぁ、次は人間の子守唄歌うから元気だしてや!な?」


「別にいらないっ!」


「まぁまぁww」


また死神さんは深呼吸をすると先程とは違う真剣な顔をした


「ね〜むれ〜♪ね〜むれ〜♪母のむね〜に♪」


(……!!)


あまりの美声に驚き目を見開いた。

死神さんの顔はとても優しい顔と目をしていた。


歌声、優しい顔、頭を撫でる優しい手つき



(……おかあ、さん)




















『グスンッ…グスンッ…』


『どうしたの?怖い夢でも見た?』


『お母さん…う、うぅ…』


『大丈夫大丈夫、ほら泣かないの』


『…また変な夢見ちゃう』


『ふふっ…寝るまで傍にいてあげるわだから大丈夫…そうだ、子守唄歌ってあげるわ』


























「…おかぁ…さん」



「父親も呼んでやって差し上げて〜…流星くぅん…父親も呼んで差し上げて〜!」


眠りに着いている流星に小声で訴えかけてみた…






「が、反応がない…どうやら寝ているようだ……的な★(テヘペロ)」




幸せそうに寝ている流星から少し離れる



「やれやれ…」


ふと、流星の父親が持ってきた果物と母親が持ってきた花が目に入った。





















『流星…辛くない?大丈夫?寂しくない?』


『平気だよお母さん』


『元気になったら美味しいものいっぱい食べていっぱいどこかに遊びに行こう』


『うん!お父さん!』






















「クッ…ククククククククッ!!笑いを…堪え…ないと…フッ!なぁにが、心配だ?何が辛いだ?フフフッ…はぁぁああああああああ…笑えるなぁ…」



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