笑止千万 人の欲

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「…与太丸…戻ったのか…」


「与太丸先輩、帰られたのですね!」


「「「おかえりなさーい!」」」



天女様のいた世界について調べようと僕は我が図書委員会の管轄している図書室へと足を運んだ。


そこには予想外の人物が並んでいて、僕は目を丸くした。



『長次!不破!えっ、どうして…』


「その反応、聞いたのですね」


『ああ…だが上級生は皆天女様に現を抜かしていると…』


「もそ…そんなに私達が腑抜けていると、思ったのか…?」



長次のその一言で僕の張り詰めていた緊張感や不安感は抜け、安堵からか静かに涙が零れ落ちた。



「わああ!先輩!泣くなんてらしくないっすよー!」


「きり丸声が大きいぞ!」


「…先輩も不安だったんですよね…」



下級生の前では涙を流した事が無かったせいか、はたまた僕に泣くという感情が無いとでも思われていたのか。

能勢、きり丸、怪士丸は取り囲む様に慰めてくれる。



「図書委員会の絆は他のどの委員会よりも強かった、そういう事ですよ!与太丸先輩!」


『そう、だな…正直不安だったんだ。3日程学園を出ていただけなのに仲間達が皆変わってしまっていることが。六年生にもなって、僕は情けないな』



そう自嘲気味に笑うと、後輩達は屈託のない笑みを浮かべてそんな僕の事が大好きだと口々に伝えてくれた。

更に涙が込み上げそうになるのを押さえつつ礼を言って、いつも通り委員会の仕事に取り掛かった。




「与太丸…」


『なんだ長次?』


「お前が泣くなんて…二年生の時以来じゃないか…?」


『喜八郎が入学してくる前か』


「あの時は泣き虫だったな…もそ」


そう小さい声で言った長次は珍しく口元が笑っていたように見えたので、軽く背中を叩いておいた。



『ありがとう、長次』