Octo Story

プロローグ

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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 蛸壺や はかなき夢を 夏の月


 地下深くから聞こえてくる物語が、始まる。


「おーーーい、タコ!」

 ――自分を呼ぶ老人の声が、聞こえてくる。

 ――私は、まだ倒れたままだ。


「起きんかい、このタコやーーィ!!」

 ――五月蠅い。

 ――ああ、ようやくここが、地下だと気づいた。


「ィよーーーし!! 目覚めたか?!」

 ――この爺さん、やっぱり五月蠅い。

 ――私は、まだ起き上がれない。


「さぁ戦いの続きじゃ、ブキを持てーーーィ!」

 ――手に何も持っていない。

 ――それなのに、ブキを持て?


「……と言いたいところじゃが、おヌシ、どこかでブキを落としたようじゃのゥ」

 ――そうだ。

 ――爺さんが辺りを見渡している。


「それにしても……ここはどこじゃ?」

 ――こっちが言いたい気分だ。

 ――私自身も、どこにいるか分からない。


「おヌシと3号がタコツボバレーで戦っとる時、誰かに襲われた気がするんじゃが……」

 ――誰か? 3号?


「ともかく、ここにいてもしょうがあるまい。一時休戦して、ここから抜け出さんとな!」

 ――そうだ。

 ――まずは、それが大事だ。


「……おっと、その前に名乗るのを忘れておった。

 ワシはアタリメ。New!カラストンビ部隊の司令じゃ。して、おヌシの名は?」

 ――この爺さんは、アタリメというらしい。

 ――私は、アタリメにポリュープと名乗った。


「……。ひょっとしておヌシ、落ちたショックで記憶が飛んだんか?

 おヌシ自身について……何か思い出せることはあるか?」

 ――私は頷いた。


 私には、ポリュープという名前以外の記憶が存在しない。

 私自身がどこで生まれたのか、何故私がここにいるのかも、思い出せない。

 そして、目の前にいるアタリメという爺さんについても、分からなかった。


「そう言えばおヌシ……気を失っとる間、シオカラ節を口ずさんどったぞィ」

 シオカラ節? ああ、それは……や うぇに まれぃ みれきゃらひれ……。

 うん、なんとも言えない歌だった。

「もしや、おヌシ……“魂にシオカラ節のグルーヴを宿したタコ”なんか……?」

 そんなタコは、本当に実在するのか?

 とりあえず、私は何も言わずに目線をアタリメに向けた。

「……。黙っとる、っちぅことは、YES! ってことじゃな。

 2年前、DJタコワサ将軍と3号との戦いでシオカラ節を聞いたオクタリアンの中に、

 “魂にシオカラ節のグルーヴを宿したタコ”がおると聞いとったが……。

 そうとは知らず、さっきは3号をけしかけてすまなんだ。

 『シオカラ節が好きな者に悪い者はおらん』……これ真理にして、人生の鉄則!!」

 ……本当にそれが人生の鉄則なのか?

 この爺さんの言っている事は何も分からないな。

「そうと分かればスタンダップ! ワシと協力してここから抜け出すぞィ!

 そんじゃ、出口を探してレッツゴー!」

 相変わらず、元気な爺さんだな。

 というか、「おヌシ」じゃなくて、名前で呼んでくれ、と私はアタリメに言った。

「ああ、すまんかった。では、ポリュープ! ワシと一緒に出口を探すぞィ!」

 私はゆっくりと立ち上がった。

 こうして、私とアタリメの、この地下鉄からの脱出を試みる冒険が始まった。

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