愛してるから離さないで

星空いのり
@hoshizora_BL

Life,4 笑み



繁華街へ向い徒歩5分。

どれくらいの距離を歩いたのかは感覚が覚えているはず。


てか、これだけ駆け足で行けば追いつくと思うんだけどな?


ブツブツと独り言を呟きそのまま真っ直ぐ歩く。

少し予定とは変更してしまったが、夜弥の家も気になるし。


もしかしたら今後仲良くなってそんな間からになるかもしれない。と考えていた。


考えて歩いていたせいか、前方に女性が立っていたのに気づかなかった。

あっと思った時にはもうぶつかっていた。


「すみません!」


頭を軽く下げて姿勢を戻そうとした時だった。

その女性の奥に夜弥が見えた。


でも、夜弥は誰かと一緒。に居た。

誰だろうか?友達からだろうか?

遠目後してマジマジと見てみる。


しかしそこには、夜弥が全く絡まなそうな長身の成人済み(俺の勝手な予想)らしい男が立っていた。


あいつなんなやつと絡むのか?

それにしては何だな違和感を覚える気持ちだった。


何だか嫌な予感がしてそのまま走り出した。

女性のは、気づいたら居なくなっていた。多分俺が夜弥を見ている間に居なくなったのだろう。


まぁ今はそんなこと、どうでもいい。早く夜弥に直接合わなければ。


そんなに遠くない。50メートルの距離。俺の最高記録、6,2秒。絶対追いつける。


だが、俺の足取りは重い。何だか走っても走っても追いつけないような気がした。


でもそれは確実に少しずつ進んでいて、俺は視線が重なった。夜弥じゃなくて長身のその男と。


マリンブルーの宝石のような伏し目がちな目に、少し刈り上げた茶髪の髪。


一瞬で中々のイケメンだと確信した。

長身の男はにやりと俺を見て笑いそのまま走り出した。

それにびっくりした夜弥は急いで歩幅を合わせた。


「くっそこいつ速い!」


馬鹿みたいに無我夢中で走った。

俺らしくないのはわかっていたけど、足を止めたらあいつが、夜弥が何かに巻き込まれてしまうんじゃないかと。


しかし俺のその思いは届かず、曲がり角で見失ってしまう。

急いで探すものの、そこには人、人、人。


さすがにこの中からあの二人を見つけるのは難しい。

俺はもう一度「くっそ…!」と呟いた。


ふと、何かの視線を感じ横を見て見た。

そこには1枚のチラシ。


「新しい新感覚のバイト♡してみませんか?」

明らかに怪しい。しかもそこには男らしきシルエットしか載っていない。


「これ、男とヤんのかよ……」

ひくっと苦笑いしてしまう。

内容を見てみると


・半日デートで5000円

・1日デートで10000円

・それ以上の行為は内容による。

基本価格は25000~30000円まで


と書いてあった。


「この3番目のやつで確信ができたわ。」

ぞわわっと背筋が凍る。俺だった絶対やらねぇ。


その紙は沢山お置かれていて名刺まで置いてあった。


申し込みはこちらの電話におかけください。


電話ねぇ……とふてぶてしく見つめてポイッと戻した。


そんなことより夜弥だ。夜弥を探さなければ、必死の思いで足を出そうとした。


そう、しようとしたんだ。


そういえば、こっちに来るほど雰囲気が悪くなってるって噂を聞いたことをある。


あいつらは確実にこっちに走ってきた。

もしかしたら、


いやまさか。


有り得ない。


夜弥がそんなことを?


初対面だからといって俺はそんな奴には1ミリたりとも見えなかった。


でも?


もしもその可能性があるのなら?


その瞬間思い切り足を踏み出し駆け出した。どこに向かうかなんて分からないはずなのに。