王子様は魔法使い

りゅあ
@ryua_242

身体測定

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入学してから二日が過ぎた今日。担任は黒板に今日の日程を書いたあと流れについて説明する。今日は身体測定があるとの事。春休み中、ダラダラと一日一日を過ごしてきたから体重増えてそうだなぁ、とガックリしながら話を聞いていた。渡された身長体重等の記入表を落としでもしたら終わりだ。


「うちのクラスは最初は視力検査からだ。すぐ次のとこに行けるよう体育着に着替えとけよ」


先生はそう言ったあと準備があるとかで教室をあとにする。ガラッと扉が閉まった後に再び教室内はいろんな声が混ざり合う。

男子は気の強い女子達に無理やり廊下に追い出されていた。「着替えるから絶対覗かないでよね!!」と大きな声が響く。


「はっくしゅんッッ!!」


「那乃花ちゃん大きなくしゃみ…大丈夫?4月って言ってもまだ寒いね〜…」


「そうだね…はぁ…体重測るのやだなぁ…」


私はポツリとそう零しながらセーラー服を一気に脱ぐ。素肌に冷たい気が当たって鳥肌が立つ。インナー着てくればよかった。


「私も春休み食べすぎちゃったからなぁ…でも那乃花ちゃんはいい具合にお肉がついてていい感じじゃない?中学生なのに大人っぽいよね」


「そう、かな…細い方が綺麗でいいと思うんだけど」


「那乃花ちゃんの綺麗とか可愛いって逆先くんが最高値だからなぁ…」


あはは、と彼女は呆れたように笑う。確かに私の中の綺麗な顔ランキング一位は夏目くんなわけだし夏目くんの顔が好きなわけだけど。

一通り女子が着替え終わると廊下から男子が入ってくる。一体どこで着替えてたんだろう…と疑問に思っていると夏目くんと目が合った。


「おかえりなさい、ねぇどこで着替えてたの?」


「大体の生徒はそのまま廊下で着替えてたけどあんなむさ苦しいとこに居たくなかったからネ。ボクは空き教室を借りたヨ」


「空き教室、もう把握したんだね…」


「まぁネ。それよりジャージって着ちゃダメなわケ?寒いんだけド」


「ジャージは11月から3月までしか着用NGだって生徒手帳に書いてあったよ。寒いけど我慢しないと」


「君の我慢強さって武器であり弱みでもあるよネ」


呆れたような口振りに私はうっと息を詰まらせる。確かにそれで何度か損したことはあるけれど。

性格なんて簡単に変えられるわけなくて何度も私はリピートしてしまう。ガラリと扉が開き先生が出席番号順に並んで向かうように指示される。半袖のスースーした二の腕を擦りながら私は廊下にでる。

一度ざわめきだったもの教師の静かに!という声にみな肩を揺らし静まりかえった。


「っ…!?」


「桜庭ちゃん、透けてブラが見えちゃってる」


背中に妙な違和感が伝わって猫みたいに背中を丸めた。けれどそれは簡単にはやまずに指先が私の背中をゆっくり行き来する。

そしてある所で指先はピタリと止まった。ブラの留め具部分だった。


「あ、あのっ…」


「静かに、先生に怒られんでしょ」


棘のある言い方が耳に響いて思わず口を閉じてしまう。後ろできっと、佐藤くんは笑ってるんだろうな。パチンときっと私にしか聞こえないくらい小さな音が鳴る。私にはしっかり聞こえてしまって泣きそうになりながら締め付け感がなくなるのを感じた。

どうしようこれ、トイレで付け直す?けれど前の列はどんどん無くなっていくのだから行く時間はないのだろう。


「那乃花ちゃん、どうかしたノ?」


「…ううん、なんでも、無い」


夏目くんは小さく首を傾げる。私は無理に笑って誤魔化した。両脇にぎゅっと力を込めながら。




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