GOD EATER
赤狐@夢垢
@akakon4x_yume
出生
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「サカキ博士」
「なんだいミカゲくん?」
「私って一体何なんですか?」
そんな会話がラボの中から聞こえ、入ろうとした俺の手が止まった。
確かに気になっていたところだ。
以前リンドウ達には"記憶がない"と言っていたらしいが、実際のところはどうなんだ。
アリサが第一部隊に復帰してから何故か俺に聞いてきた。
知らん、と言えば"ソーマでも知らないんですか?そっかぁ"と何やら嬉しそうだったが、別に仕事に関係ないだろう。
しかし、他の奴等にも聞かれると次第に気になってくるのが人の性か。
ラボの扉は開かず立ち聞きしてみる。
「うん?ミカゲくんの出生ってことかい?」
「うん」
「何故私に?」
「いや…サカキ博士なら知ってるかなって。私、適合試験以前の記憶がないんです。
だから、もしかしたら試験前に博士に強い薬打たれて記憶がないとか…」
「いやいや、さすがに私もそう言う人体実験とは手を離したよ。
しかし…それは初耳だね」
「?なんで博士も知らないんですか?」
「正直な話、君を初めて見たのは…シックザール前支部長が連れてきた、まさに適合試験当日なんだ」
親父が、連れてきた…?
「え…」
「君は極東支部待望の新型神機使いだから、私も気になって君のアーカイブやらを覗かせてもらったんだ。
しかし出てきたのは、適合試験当日からの記録だった。
君が何処で育っていたのか、親は誰なのか、どういう経緯で此処へ来たのか、全く記されていなかった」
上層部の…いや、親父の隠蔽か?
だがアーク計画以後、色んな書類やサーバーの遺物を漁っていたがミカゲに関するものなんて出てこなかった。
「じゃあ…私は…」
一体何者なんだ…
「シックザール前支部長の隠し子…?」
って、なんでそうなるんだよ…!
ずっこけそうになる体をなんとか支えて盛大な溜め息を吐いた。
「いや、それはないだろう。DNAを調べても、君と前支部長は一致しないからね」
当たり前だ。
こいつが腹違いの妹なんて俺は嫌だからな。…色んな意味で。
「いやしかし…私は君が過去を話したがらないだけなのか、それとも上層部の手の者なのか疑ったこともあるが…まぁご覧の通りだね。
君自身が知らないとなると、さすがに此方もお手上げだ」
「…別に、特別気にしたことは無かったんだけど…。
アリサが一度故郷に帰る、とか、コウタの家族と接したりとか…ツバキさんとリンドウさんのやりとり見てると…なんか、気になっちゃって」
……あぁ、こいつは
「私には…何も無いのかなって…」
寂しいんだな。
「…君は、もう沢山のものを持っているじゃないか」
「え?」
「極東支部という大きな家族を」
「極東支部…?」
「あぁそうさ。今や君が我が極東支部の大黒柱、要は居ないと首が回らないんだ。
大黒柱って父親なんかに例えられるけど、君の場合はお母さんかな?」
「いきなりお母さん…」
「はは、突然立ち位置が飛躍し過ぎたね。
でも、ここでの記憶しかないんだったら、この支部の皆は君の家族のようなものだろ?
例えば…リンドウくんは父親、サクヤくんが母親、なんてどうだい?」
「リンドウさんが父親…?…なんか色々振り回されて苦労しそうだけど……良い、お父さん、かも…」
「他に君にとってあの人はこうだ、とかはあるかい?」
「あの人はこう……、タツミさんは…お兄ちゃんって感じ。アリサは妹…?うーん…後輩って感じ…」
「うんうん」
「コウタとカレルとシュンは近所の友達って感じ…よく3人でつるんでそう…」
「なかなか面白いね。因みに私は?」
「博士?うーん…ご近所さんで優しくしてくれるけど、よく実験して爆発起こしてそう」
「ははは。君の家族構成のなかでも相変わらず私は研究者なんだね」
家族、という言葉は俺も知らない。
ミカゲよりかは知ってはいるが、ごく一般の経験をしたことがない。
そう言う意味では俺もあいつと同じで家族を知らないんだな。
アラガミの世界になっても、そう言う普通の幸せを誰かが送っているというのは、俺達ゴッドイーターが命張って築いてきた小さな轍であり、俺には眩しすぎる。
眩しいものを見ていられなくてラボから立ち去ろとした
「でも手っ取り早いのはミカゲくんが家族を作れば良い話だよ?」
「家族を作る?それってどうやって…」
「それはミカゲくんがソーマとけっこ「サカキのおっさん、邪魔するぞ」
バカな話にしてんじゃねぇよ、ったく。
*****
(ねぇ、もし私がソーマの妹だったらどうする?)
(断る)
(即答!?)
(縁切る)
(ちょっ、酷くない!?)
(お前が妹なんてまっぴらゴメンだ)