GOD EATER

赤狐@夢垢
@akakon4x_yume

決別

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もうすぐミカゲが、この神機保管室に来る。

もうすぐリンドウが、居なくなる。


違うな。居なくなるのは、どっちか…。



(…いけない)



頭を振って、最悪の事態を拭い捨てた。


ミカゲは何としてでも生きて返す。例えそれが、長年付き合ってきた相棒を殺してでも。


赤を基調にされた神機へ触れる。そこから色んな記憶がまるで如雨露から水を注ぐように流れ込んでくる。


あぁ…懐かしい。

色んなアラガミを倒してきたね。

色んな傷を負ってきたね。

色んな出会いをしたね。

色んな命を失ったね。

色んな命を救ったね。


リンドウ、君と一緒に沢山のものを見てきたね。

でもね、僕はまだまだ見足りないよ。


#ミカゲ#に君を殺すよう促したのは僕だっていうのに、まだ未練がましく君との思い出を辿って、縋っている。


出来る事ならこれからずっと、リンドウが引退するまで君の見たもの、感じたものを共有したかった。



「…あぁ、どうしてだろう…」



人間の容姿を得てから、言葉を話せるようになってから、どんどん気持ちが溢れてくる。複雑に考えるようになってくる。

君の神機でいるときは、君のようにただ単純に物事を考えていたはずなのに。

感情なんてなかったはずなのに。


どうしてこんなに



「リンドウ…ッ」



涙が溢れてくるんだろう。


拭っても拭っても溢れてきて、次第に床まで零れ落ちて。

人間って大変なんだね。こんなにも複雑怪奇なものを内に宿しているんだもん。アラガミを倒すより大変だよ。


リンドウの神機の隣に据えられたミカゲさんの神機。

コアの部分に触れてみて判る。

とても大切にされていたんだ、と。



「君は…他の神機と違って、少し特別なんだね…」



まだ出会ったことのない反応を感じる。だからミカゲは特別なのかな。

人が特別なら神機も特別。



「君は本当に、ずっとミカゲを護ってきたんだね」



神機保管室の扉が開く音がした。

振り返ると、ミカゲが神妙な面持ちで立っている。

無理もないか。今から上官を…自分の先輩を殺しに行くんだから。



「行きましょう、ミカゲ。皆を護る為に」



"リンドウを殺しに"

そう言おうとした唇が震えて違う言葉が出た。


僕はまだ、リンドウを救えるなんて下らない事を考えてる。






*****

(あの時までの僕は)(あんな結末になるなんて)(夢にも思わなかった)