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氷雨🍋
@hachiyashiki

💉、Stroke my head please.

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12月、降誕祭も間近に迫ってきている某日。


私は、病院を訪れていた。


何のことは無い。昨日、私は持病とも言える貧血で倒れたのだ。最近は薬もまともには飲んでいなかったし、やっても終わらない課題のための夜更かしで確実に疲労は溜まっていたのだろう。


ただ────こうしてでも神宮寺先生にお会いできたことは、喜ぶべきことだ。


「────さん?聞いているのかい?」


「え、あ、すみません、聞いてませんでした……」


「全く……まあ、今の君に説教をしても、体の毒になるだけだからね。ここらへんにしておくよ」


そう言って、先生は眉を下げて笑った。────ああ、なんて美しい。今まで鈍い運動を続けていた私の心臓が、先生に会ったことで漸く正常に動き出したようだった。


「ありがとうございます、先生」


「いいや、礼には及ばないよ」


先生はゆるりと笑みを浮かべて、医者として当然のことをしただけだからね、と続けた。


────確かに先生の目には、それだけにしか映らないだろうな。


────私は診察以上に、先生からたくさんのモノを受け取っているのに。


なんだか、どうやっても感謝の気持ちが上手く伝わらないようで、とてもむず痒い。


「────ただね、おとうふさん。これだけは聞いてほしいんだ」


また私の思考が独走ならぬ独想を始めかけた時、先生は笑みを消した。


「は、はい。何でしょうか」


「君は、少々無茶をし過ぎるところがある。それは私も長年君を診てきたし、君の長所であるということも分かっている」


「ありがとうございます……?」


すう、と先生の長い腕が伸びてきた。その伸びて来た手は、私の頭にぽん、と落ち着いた。


「────先生……」


「だけど、もう少しヒトに頼ることを覚えなさい。でないとまた、今回みたいにぶっ倒れてしまうよ」


そう言ってくれている間も、先生は私の頭を撫で続けてくれていた。まるで、私は味方だとでも言うみたいに。


「じゃあ、先生に頼っても良いんですか?」


「────勿論。何せ、私も君に会えると嬉しいからね」


先生は、ふわりと笑った。スミレのような、控えめな笑みだった。