白眉学園軽音楽部

木村(5)
@RiatoH3PO4

第6話.誰も欠けない文化祭(11月後半)



 文化祭四日目、夕方。

 ライブ後の簡単な片付けを終わらせた部員たちは、全員第二部室に集まっていた。

 青春、朱夏、白秋、その他のバンドが全てライブを披露し、今日は明日のライブをするバンドを決めるための開票日である。

 各バンドのリーダーであるハラダと、香川かがわ沙羅さらことサラ、坂口さかぐち繭璃まゆりことマユリ、そして部長の百合原ゆりはらみどりことユリと、発案者のニィの計五人が開票を行い、これから発表となる。

「……明日ライブをするバンドはー……」

 ユリが電源の入っていないマイクを手に、バンド名の書かれた小さなホワイトボードを皆に向けて掲げた。

「青春アルテミス~~~ッ!!!!」

 マイクに向かって叫ぶ。スピーカーから聞こえているのではないかと錯覚するほど大きなその声に、部員は圧倒された。

「え、え? 青春!?」

「何驚いてんのシム君」

 ニィはにやりと笑う。当然だと言いたげなその表情に、シムラは「そうだね……?」ととりあえず同意した。

「くやしーっ!」

 椎名しいな瑠璃るりことシイナが地団駄を踏む。

「まあ大トリはいただきましたと」

 ショウがニコニコ言うと、ユリがびしっとショウを指差した。

「えーいうるさいうるさい!!」

「声でかっ」

「まあ初日はそりゃ強いよねー」

 耳をふさぐあかつき華月かつきことカツキの隣で、真壁まかべゆずことマァが苦笑する。

「いや、俺らは何日目でも一位だった」

 ニィは自信満々に言う。誇らしげだ。

「……というわけで明日のライブは青春! 今から照明と音響のことを決めるから……」

 ユリを中心に係を決め、演出のことを考えながら話が進んでいく。

 外では雨が降り始めていた。




3 / 4