【異形のサーカス】むかしむかしのおはなし

おげんきなマリン🍄@勉強適性マイナス53万
@marine_menhely

たいくつ

それから少しした後、彼女たちにはたくさんの友達ができた。

みんな、どこかヘンテコなカタチの、友達。

腕が長くて、口の大きな、綺麗なお姉さん。

ひとつの身体、ふたつの頭の、よく笑う双子。

腕、脚にも目がたくさんついたお兄さん。

片腕のない女の子。

蜘蛛みたいに、たくさんの脚で歩く男の子。

どこかヘンテコで、でもみんな愉快で。

みんなで遊んで、話して、笑って。


楽しい、と思っていたんだけど。


ある日、多脚の少女は言った。

「ミンナ、こんナところにズ〜ットいるの、つまらナくナイか?」

ヘンテコなカタチの友達は、首を傾げる。

「こんナにせまクて、クラいトコロにとじこめラレて、キュウクツじゃナイか?」

彼女の言葉に、双子が言う。

「タしかに〜!ツマンナ〜イ!」

「ボクも、ツマンナ〜イ!」

続けて、大男も言う。

「俺も。退屈ダよなぁ」

その後に続いて、私も僕も、という声が徐々に大きくなっていく。

「じゃア!おれにいいかんガえがある!」

その声で、辺りがしんと静まる。

「ココから、ミンナで、でるんダ!」

少しして、「出るって、ドウやって?」という声が上がった。

「そりゃア、ここをコワすんだ」

「コワす?」

「ソウ、コワすんだ。ナツミ!」

説明を、多腕の少女にバトンパスする。

多腕の少女は、目の前の鉄格子を指差して言う。

「コノ、きんぞくのボウ、ジャマでショ?ダカら、コレをコワすの!」

「ドウやって?」

「ギルなら、コワせるとおもうノ!」

「俺か?」

「ウン!ギル、チカラつよイし!」

「おう…やっテみるか!」

じゃアためしに、と、多腕の少女は部屋の隅の壁についた金具と鎖のほうに大男の手を引いて連れて行く。

「コレがコワせたら、ダイジョウブ!やっテみて!」

大男は、金具から垂れた鎖を引っ張る。

ミシミシ、と音がする。

そのまま、大男は鎖を引っ張る。

「オリャア!」

ガゴン、という大きな音がして、壁から金具が外れた。


「「スッゴ〜イッ!」」

双子が、声を揃えて言う。

「ヤッタね!コレができたんダモん、このボウだってダイジョウブ!」

「おう、心配すんナ!ぜっテェにブッ壊してやル!」

「タノもしい!」

「ヨロシクな、ギル!」


こうして、退屈から抜け出す大作戦が、始まろうとしていた。

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