うちよそ企画

桜海w11リーフの嫁
@sofia_rei_omi

最悪の未来Ⅱ

「春風……桜海?」

ウェイルが名前を復唱する。

桜海は屋根から飛び降りて着地すると不敵な笑みを浮かべつつ一歩、また一歩と歩み寄ってくる。

「……い、や」

めろんは怯えている。桔梗はめろんをちらりと見るとめろんを守るように立って

「……闇の民側ってことはジョー君の敵ってことだよね」

桔梗は念のために聞く。ミュルグレスをいつでも構えられるようにして。

桜海は立ち止まりニコッと笑い

「そう。ジョー君の敵。そしてルシファー様の味方。仮面の男たちと共に歩む者」

「それを聞いて安心した!デッドリーレイド・カタストロフィ!」

ミュルグレスを構えていきなり必殺技を放つ桔梗。

しかし必殺技が桜海を貫くより早く

「我が盾となれ」

化け物達が桜海を庇うように立ち、ミュルグレスの一撃を肩代わりして消滅した。

桔梗は舌打ちをしつつ桜海を見て

「どこから出した」

「どこから?その辺に転がってるこの国の国民とか魔物を魔力で絡めて化け物にした俗に言うキメラってところだねうん」

桔梗の問いにあっさり答える桜海。

国民を犠牲にされた。

その言葉だけでクリスたちは武器を構えた。

ジャストも武器を構える。

「……ねぇ」

「……あらら?やだ、皆さん怒ってる?」

「……絶対に許さねぇ!」

ジャストは迅雷を桜海目掛けて振り下ろす。

しかし桜海もそれをわかっていたようでキメラをまた盾に使う。

ジャストは舌打ちをしつつ後ろに下がる。

この瞬間にも魔力を使い次々とキメラを作り始めていた。

「……そもそもなんで……」

クリスが呟く。フォルスはまさかと思いつつ

「……ネクロマンサーの応用……」

「「なんだって!!」」

フォルスの発言に皆が驚く。

ネクロマンサー……レイヴのジョブで死者蘇生などを得意とする。もしそれの応用なら、死者蘇生を阻止しなければならない。

「……さぁっすがぁ。ネクロマンサー……当たりだけど……わかったところで勝ち目ないの知ってる?」

そう言ってジャストに向けて魔法を放つ。ジャストはそれを迅雷で防ぎ

「……こんな魔法でなんのつも……!?」

ジャストは武器を地面に落とす。

「ジャストさん!?どうしたんですか!?」

フォルスはジャストに声をかける。

しかし返答は────

「……身体の自由を奪われた」

ウェイル達は桜海を睨む

「この、外道!」

リルバはそう叫んで武器を強く掴む。

その直後───

レンズが静かに不敵に笑いながらカドゥケウスを桜海の頭上から突き落とす。

桜海は真上を見て後ろに飛び退くが両サイドからリルバとウェイルの一撃が迫る。

「……ちっ!」

つま先を一度地面につけて勢いを殺さずそのまままた後ろに下がり、近くの壁に足をつけ、足をバネのように使いで跳ぶと、2人の頭上を超えて一瞬にしてクリスの背後に立つ

「……やっほ。闇の民さん。どーして貴女こっち側なのかしら」

そう、クリスに向かって囁く。クリスはサーキュレイブで真後ろ目がけて振り向きざまに剣を横に振るう。

ケリュケイオンでその剣を受け止める桜海。

武器の押し合いを好機と見ためろんはすかさずムラサメで切りつけようとする。

「……みんなを……傷つけないで!!」

「……っ!」

桜海は咄嗟に回避行動をするが、間に合わずめろんの渾身の一撃が桜海に当たる。当たった後に飛び退いたので服が破け、傷口から血が滴る。

「……みんな……か。滑稽だよ」

キメラを動かす魔力が途切れる。

キメラは供給させる魔力がなくなり肉の塊となり地面にぐしゃりと倒れていく。

ケリュケイオンは宙に浮いて自動的にくるくる回り桜海の傷を癒していく。

集中力が一度切れてしまったので、ジャストの身体も自由になる。

「何が滑稽だ……君は!みんなを!罪のない人々を苦しめたんだ!わかっているのか!」

ウェイルはそう叫ぶ。

「フフフッ、フフッ、ふふふふ、あはっ、ははははははははははは!罪のないそうかもしれない。本当に罪を犯してないやつもいたかもしれない!だけど!俺からしたらな!この国のやつはどいつもこいつも罪人だらけなんだよ!そいつらをいたぶって何が悪い!」

ケリュケイオンからゲヘナ魔神器『影骸の絶剣』に武器を交換して、構える。

「悪いさ!悪い!」

ジャストは迅雷を構え直し、武器を桜海に向けながら

「こんなことしても誰もお前を認めない。お前の強さを認めない」

「……ふふ。認めない?この国の連中がだろ。ルシファー様方は認めてくれるさ」

絶剣をジャストに向けつつ答える。

クリスは桜海を見ながら

「そうは思わない。ルシファーたちも君を裏切る可能性はある。そうなったら君はなにをするの?全てに認められなかったら君はみんなに認めて貰えるまで全てを壊し尽くすの?」

サーキュレイブを構えつつ訪ねる。

桜海は剣を握りしめたままクリスを見て

「ルシファー様は、あの方々は俺を認めてくれた……だから……そんなことありえない!」

「目を覚まして!……こんなことしても……何もならないよ…」

めろんは悲しそうに叫ぶ。しかし桜海の耳に届くことは無い。

武器、影骸の絶剣を構える桜海。

魔神器……。ジャストは自身のいる世界の魔神器ではないと想定する。ならこれは持ち主の生命力を吸って攻撃する本家の武器ではないかと。そしてそれの場合、長期戦においては命取りになりやすい。もちろん戦闘が終わればまた、持ち主の生命力は戻るのだがそれを持ち出すということは……こいつは本気なんだと悟る。

「……お兄ちゃん」

「任せろリルバ」

リルバが前に出て、フォルスがリルバの後ろに立つ。そして────

リルバが駆けるのと同時にフォルスが後を追うように走る。

桜海は影骸の絶剣を振るい2人を攻撃しようとするが二人はそれを見計らったように回避する。

そしてそのままリルバは自身の武器を振るい始める霊刀イザナミを、フォルスは影骸の豪双斧を振るう。

「………!!」

イザナミの攻撃を回避出来ず空中に吹き飛ばされた後に豪双斧の攻撃をくらう桜海はそのまま地面に叩きつけられる。

地面にはクレーターができ、土煙が立ちこめる。

「……すっ、凄い……」

めろんはリルバとフォルスの横に駆け寄る。ウェイルやレンズ、クリス、桔梗も土煙が晴れるまで警戒したままだ。

「これで倒せれていたなら、いいんだが」

ウェイルはそう呟く。土煙が晴れるとその場に倒れたままぴくりとも動かない桜海がいた。

「……倒したで、いいんですか」

レンズはそう呟く。みんなも恐る恐る近づく。

全く動かない。みんなは安堵した。これで終わったと───────