転生少女は白と黒の明日を観る

照乃 ☾teno☽︎~actorfox~
@Lost_a_heart

#3 君とボクを理解する

 どうやら“本”は、僕の記憶から“軽い喋り方”を模索して表現したらしい。が、クロがツボにハマって笑いをこらえるのに必死で話が進まないのと、なんだか調子が狂うのとで色々都合が悪く、なんとか普通の口調にしてもらった。


“それじゃ、気を取り直して説明していこーか。”


「ちゃんと頼むよ。ホント」


“大丈夫大丈夫。そーだな・・・。じゃあまずこの世界の話。この世界は、主人達のいた#基軸世界__ベース・サイ__#から約8万年前に分岐した並行分岐世界(パラレルワールド)だよ。ま、8万年前と言ってもこの世界線から見ればそれよりも前の過去の歴史はあるし、いつ分岐したかはそこまで意味は無いんだけどねぇ~”


「・・・うん?」


「初っ端から分かりにくいな」


“エヴェレットの多世界解釈理論って知ってるかな。世界というのはある一つの世界を軸にして、そこに存在する物の選択によって無限に分岐していく。例えば君が〇を選んだ場合の世界と、×を選んだ場合の世界。という具合にね。そして、そのどちらかがまた軸となる。で、この世界を簡単に言い表すなら、「科学と同時に魔法文明も発達していたら」の世界線かな。”


「なるほど。色々難しい過程はあるけど要するに、ファンタジー!魔法の世界に転生しちゃったぜ?。だろ?ありがち。」


「ありがちなの?」


「そうだよ。クロ、お前さてはラノベ読まないなー?」


“そうそう。理解が早くて助かるよ。”


「じゃあ、私魔法使えるの?」


“使えるけど、現段階では限られてるよ。それじゃあ次は主人達の話。主人達の、いわゆるステータスを教えよう。


モノ(♀)

種族:unknown

特性:万食の黒影

属性:闇


クロ(♀)

種族:unknown

特性:母なる光源

属性:光 ”


「まてまてまてまて」

「あんの・・・うん?人間じゃないの?それとも民族的な何か?」


“種族には基本何かが入るんだけど、まだこの世界線には存在しない名前の無い生命体。つまりunknown。”


「転生したのなら魔物でもある程度の容姿ならいいかと思ってたけど、なんだか腑に落ちないな」


“分類としては人間ではなく魔物(モンスター)に分類されるよ。迂闊に人間に近付くと、冒険者とかだったら攻撃されるかもしれないから気を付けてね”


「モンスター!?私達人間じゃなくなったの!?」


「落ち着きなよ。姿形は人間だし、人間よりも魔物の方が出来ることが多そうじゃん?強くてニューゲーム。結果オーライ。」


「そうかもだけど・・・」


 クロは自分がモンスターだということを割り切れないらしい。それもそうか。前世では人間として生きて暮らしてきたわけで、モンスターになった今、どんな生活になるかなんて予想はできない。それに、人間の頃より過酷だということは想像できる。

それなら、1秒でも早くこの世界に順応していかなければならない。まだ僕らは生まれたばかり。何より情報が少なかった。


僕は本に問いかける。


「んじゃあ、その特性ってのは?」


“特性ってのは、生まれた時に稀に付与する才能特性技能(ユニークパッシブスキル)だよ。

まずモノの『万食の黒影(アビネスイーター)』。これは名前の通りで、生み出す闇に触れたものを食べて、自分のモノにすることができる。原則、取り込んだものの特性やスキル、ステータスをも自分に加算することができる。”


「チートじゃん」


「ずるい」


“でも、食べないと意味がない。相手が強ければ逃げられるだろうしね。

んで、次にクロの『母なる光源(バーシェリーライト)』。これは、モノのとは反対に様々なものを生み出すことができる。でも、なんでも無差別に生み出せるわけじゃない。モノとクロの能力は、俺、つまり観測者の本(オブザーバーズブック)を中継して共有される。クロが作り出すことが出来るのは、モノが闇で取り込んだものだけ。逆に、モノが取り込んで加算された能力等はそのまま2人に分配される。ってわけ。パッと見モノの方が1人でも何でもできそうだけど、1人ですべてを取り込むと取り込んだものの自我を処理できなくて暴走してしまうんだ。スキルとかは分配されるから、弱すぎるスキルは消滅したり弱くなったりするから、不便といえば不便だけど2人でセットの能力だね”


 万食の黒影(アビネスイーター)と母なる光源(バーシェリーライト)。この二つの能力は二つで1つ。双子のようにそっくりな僕らと対になった能力。これはもう、誰かが何か仕組んでるんじゃないか?運命的なものではなく、意図的な何か。そんな気がした。

でも、未知の世界で1匹の魔物として孤独に生きるなら・・・。誰の仕業か分からないけど、イキな計らいだと思う。ありがたい。


「私たちは、これからどうすればいいの?」


“世界は君たちを導く事は無い。この世界の存在として、第二の生命をまっとうする。”


「こんなことになるなら、向こうで沢山美味しいものとか食べておけばよかった・・・。」


「こっちにもきっとあるさ。魔物(ボクら)の口に合うかはわからないけどさ」


クロは涙目になりながら頷いた。

普通なら泣き叫ぶなりなんなり、もっと前世に未練たらったらな感じになると思うが、彼女も同様に未練は薄いのだろう。だから選ばれたのかもしれない。

落ち着いたらお互いの前世の話もしたい。思い出話のように、この世界に生まれる前の話を。


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もう秋なのに暑いですね~

みなさん、いかがお過ごしでしょう。

てのさんはクロのように演劇部を引退し、

文化祭の準備以外は暇になりました。

ただ、引退大会で上演した劇がテレビ放送されるらしく、主演だったためちょっと忙しくなるかも。多分。


ま、その話はTwitterででも聞いてくだされば!


では、また次回(・ω・)ノシ