異形のサーカス

ルーフス@低浮上を極める
@Seto_Kurona

異形ノ双子トオ可笑ナ家

異形の家族は暗闇を進む。

不安そうに見上げたその顔に、母が優しく微笑んだ。

不安そうに強くなった手の力に、父が穏やかに握り返した。

歩けど歩けど未だ先は見えず、双子の不安は募るばかり。

やがて、父が口を開いた。

「ホラ、見テご覧?」

母も言った。

「きっと、貴方達モ気ニ入ルワヨ?」


そこに見えたのは沢山の光。見たこともない花に、果物、虫や獣がいた。

どれも皆、家族と同じように、どこかヘンテコな形をして。

その中でも1番ヘンテコで、双子が真っ先に見つけたそれは。

「「オイシソーウッ!!」」

闇のみを映したその目が、光を称えると同時に、口元には笑みが蘇る。

双子が見つめたのは、沢山の果物のツタが絡みついた、色とりどりの“家”だった。

「ホラネ?今日から皆デ、ココに暮らすノ!」

母が言う。

「コレカラはイッパイ、お菓子作リ放題ダナ!」

父が言う。

双子は観た。ここで暮らす、これからの自分たちを。笑顔いっぱいの、これからの暮らしを。ー

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