黒と白

ルーフス@低浮上を極める
@Seto_Kurona

黒い方

俺は今、すっごく気分が良かった。

もともと、自分が好きだったから始めただけだったけど、やっぱ人に褒められるって嬉しいもんだな。


どーも。さっきまでの少年です。

俺ももちろんモノクロームのファン…

な訳ない。

っていうか、俺がモノクロームである。

声好きって言われなかった方。そう。黒い方、クロ君です。

まだ顔出しはしてないから、こうやって普通に人前にも出れるし喋ることだってできる。そもそも俺がモノクロームだってこと知ってる人はそうそういない。片手の指で数えられるくらいじゃないだろうか?多分そんくらい。

まぁ、だからこうやって比較的自由にやりたいことやれてんだけど。


「あっ、見てあそこ。あの子もモノ好きなのかな?」

「本当だ。楽しそう。」

あ、見られた。

とりあえずノるのはやめて会釈だけすると、ニコニコで手を振られた。

それから手招きされたから、仕方なく裏からフロアへと向かう。


階段を3段下って、2人のところへ向かうと、「こんにちは、初めまして!」と声がかかってきた。

俺が「こんちは」と返すと、はやくも「君もモノクローム好きなの?」と訊いてきたので、いつも通りの決まり文句「そうなんですよ〜」を発動する。

「お二人が話してたの聞こえたんで、流してみました。」

「そうだったの?やったぁ、ありがとう!」

「へぇ〜、ここで働いてるの?高校生くらい?」

「中学2年です。ここ、俺のオヤジの店なんですよ。」

「へぇ、そうなんだ!お父さんの仕事手伝ってるの?偉いね〜!」

なんか、ちょっと嫌な雰囲気。あんまり好きじゃない…。無駄に距離が近くて、鬱陶しいくらいしつこい甘ったるい香水の臭いがする。だから香水って嫌いなんだよな…。

「そうだ!電話番号とか交換しない?私、結構ここ通ってるからさ、ライブの予定とか、教えてもらいたいな〜って思って!」

「あっズルい、私も!いい?」

「え、えっと…、俺まだケータイ持ってなくて…。」

「なんだぁ〜、残念。じゃあ、名刺渡しとくね!はいこれ!私、ミキって言うの。よろしくね!」

「えっと、頂戴します…。」

(で、合ってたっけ?)

渡された名刺は、薄いピンクの紙に名前と職業、電話番号が刻まれたものだった。

っていうか…。

(この人、風俗嬢じゃん…。)

もしかして俺、狙われてる…?

最悪…、俺こういうの好きじゃないんだけど…?

というか、いつのまにか俺、2人のお姉さんに挟まれるようにして立っていた。

え…、これやばいんじゃ…?ってか怖ェッ!何この「逃がさないよ」オーラ…!

「次のライブまでまだちょっと時間あるしさぁ、ちょっと一緒にカフェとか行かない?私喉渇いちゃった!」

「いいじゃん、行こ行こ!」

そう言って、お姉さんもとい風俗嬢は俺の腕をがっちり掴んで外へと向かおうとする。

「えっ、ちょっと…!」

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