うちよそまとめ

しおり*創作
@ss0usaku

シロとダイダイ、出会う!!

今日はシロに体力を使わない戦い方を教える日だ。

相変わらず父親が教えることになっている。


「さて、今日は……」



いいかけたとき、門の方から、もう慣れ親しんでしまった大きな声がした。



「こーんにーちはー!!」


「あれ、ダイダイじゃん」

「だ、ダイダイだと」



うろたえるシロ。そうだこの二人の間にはなんかめんどくさい関係があったんだった。どうしよう。



「ひとまず用事聞いてくるわ。シロ、会うのが嫌ならそのへんの繁みにでも隠れてて」

「嫌なわけではないが……一応隠れておこう」


ごそごそと隠れる準備をし始めたシロをおいて、ダイダイの用件を聞きにいく。



「おっすダイダイ、今日はどうした」

「今日は誠司さんのお父様がいらっしゃるときいて、鉄パイプの練習に付き合っていただこうと思ったんです」

「ああ、なるほど」


用件は分かった。うむ、どうすべきか。

シロは、ダイダイと自分が血が繋がっていることを言わないでほしいといった。でも、要求はそれだけ。

それにさっきも、会いたくないわけではなさそうだった。



……他人同士として二人まとめて教えても問題ないか。



「いいぞダイダイ、入れよ」


というわけで、今日の講座は始まったのである。



「はじめまして、ダイダイです」

「……ホーネッカー=ホノモモノモだ」

「ホッ?!」

「ホノモモノモ」

「ホニョニョニョニョニョ」

「……君も大概ひどいな、シロと呼んでくれたらそれでいい」

「シロしゃん!」

「こっちの名前まで噛まれるとは」

「すいません……」


うむ、はじめましてはいいんじゃないか?



「じゃあダイダイは親父に習ってな。俺はシロとやる」

「はーい」

「分かった」



「じゃあ始めよう。シロは鉄パイプが使えないから、堂々とした戦い方は無理だ。せこい技を教える」

「せこい……」

「まずこれ」


ポケットから取り出したまきびしを渡す。



「これをまくと、バイクのタイヤが軒並みパンクし走り屋どもはいちころだ」

「せこい」

「まあ今日はせこさを追求する回だから。撒いてみ」


シロは大きく振りかぶって……周囲1mくらいにまきびしを撒いた。範囲狭すぎ。



「……まあいいか。つぎはピアノ線だ」

「こんなものをどうするんだ」

「足元に張っておけば、敵がうっかりひっかかって倒れるから。そこをよってたかってぼこぼこにする」

「せ、せこい」

「だから、今日はそういう回だからさ」



そんなせこいことをやっている俺らとは正反対に、ダイダイの方は着実に鉄パイプの扱いを学んでいるようだ。



「ゴルァアア!からの脳天からドーン!!!」

「ダイダイくん、いいですね!体力もあるし、向いているよ」

「えへ、ありがとうございます」


そんなようすを、シロは羨ましそうに見ていた。



「血が繋がっているとはいえ、わたしたちは全く違う」

「そうだな。顔はわりと似てると思うけど」

「そうか?……真実も言えず、こうやって羨むことしかできないのは、つらいな」

「そうか」



たそがれてしまったシロ。

事情をよく知らないので慰めもできない。

よって放置。



「君、わたしがたそがれているのだから少しは気を遣いたまえよ」

「放置がモットー」

「雑だな」

「ま、人それぞれできることは違うしさ。もう少しせこい技教えてやるからそれ覚えて帰れよ」

「せっかくだから、教えていただこう」



そうやって二時間ほど。



シロもダイダイも練習を終えた。



「ありがとうございましたー!」

「ありがとう、恩に着る」



二人からお礼を言われる。構わんよ~と言っていたら、ダイダイが意外なことを言い出した。


「シロさんの戦い方もユニークでいいですね。見ていて面白いなと思いました」

「……本当か!」

「はい。憧れます」

「そうか……」



照れたような顔で、はにかむシロに、心の中でよかったな、と言っておいた。



「じゃあ今日はありがとうございました」

「すまんな、ではまた」



帰っていった二人。

親父にダイダイのことを聞いてみた。



「筋のいい子だよ。流石ソレーユさんの息子」

「へえ。シロの方も一応血縁らしいけどな、だいぶ違っただろ」

「そうだなあ、でもちょっとしたときに見せる癖なんかはシロさんに似ていたかもしれない」

「次シロに会ったときにそれ言ってやりなよ。多分喜ぶから」



詳しいことは知らない。だけどシロがソレーユさんとダイダイを大切にしているのは分かった。



「ま、今日は偶然だったな。ありがとう親父」

「いいともよ。ダイダイくんからビチビチシャケももらえたし、帰って食べることにしよう。誠司も飯はしっかり食べるんだぞ」

「分かった」



そうして終わった1日。

また二人は出会うことがあるのだろうか。

分からないけど、そのときシロが嬉しい思いをすることができるように祈っておいてやろうと思った。