私の雪を盗らないで

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「雪ちゃん!」

「しえみさん、」

「おー!しえみ!昼飯か!?一緒に食おーぜ!」

「うんっ」


ダメ。

また出てきた。

黒いもやもや、渦巻く何か。

その正体はすっかりわかってる。

でもダメ。

私は”大人”だから。


5個も年下の彼氏。

最年少で祓魔師になった優秀な彼。

慕われないわけがない。

優しくて厳しくて、頼もしい。


仕事の仲間であり、パートナーである。

だから我儘は言えない。

そして年上である限り私は彼よりいつでも気丈に、しっかりしていなくてはならない。


「あれ、日和!」


兄の方が私に走り寄ってくる。


「こら、橋本先生でしょ。」

「だって5個しか変わんねーじゃん。」

「変わるわよ...私は大人、あなたたちはまだ子供でしょ?」


クロが足元にまとわりついてくる。

本当、この子は感情に敏感なんだから。


「けっ、たかが5個年上で大人扱いかよ、」

「ぶすくれない。仕事あるから行くわね。」

「え、昼飯は?」

「...いらない。食欲ないの。」

「そんなんじゃ体壊すぞーって、おい!俺の話を聞けー!」


色々と長くなりそうなので背を向けて歩き出す。

後ろで兄が雪男に「おい!お前仕事仲間だろ!なんとか言ってやれよー!」とわめいている。

やめて、みっともないって思われたくない。


『日和!』

「あら、奥村兄のご飯はいいの?」

『元気ないぞ。』

「...ありがと。大丈夫よ。」

『雪男に相談しないのか!?雪男は日和の恋人だろ!?』


猫又に心配されるなんて。


「いいの。雪は忙しいんだから。」


しゃがんでゆるりと頭を撫でる。

そう、雪男は忙しいの。

私との時間が全然取れないくらい。

一瞬も、プライベートで会えないくらい。

...忙しい。


でも杜山さんとは会ってる。


「...!何考えてんの、大人げない。」


その日の授業は集中が切れて最悪だった。

試験管落とすわ、勝呂くんの回答を聞いてないわ、何もないところで躓き挙句の果て黒板に頭をぶつけた。


「ちょ、ちょっと...アンタ今日おかしいわよ?」

「日和せんせ、どないされたんです?珍しいですねぇ。

 あ!お疲れなんやったら俺が癒してあげましょか!?」

「ゴルァ志麻!どさくさに紛れて何言うとんのや!」

「そうですよ志麻さん。せんせの疲労の1個は志麻さんやありませんの?」

「なっ、ひどいですわぁ!」


...。

おかげで教室がカオスだ。

ごめんメフィスト。次頑張るから今日は授業切り上げるわ。


「あー、申し訳ないんだけど、

 今日は体調がすぐれなくてね。

 このまま講義続けるのも無謀なので、自習!

 テキスト、p43までやっとくように。」




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