白黒世界に花束を

すぺしゃるばなな水@デデンデンデデン
@marine_menhely

No.7

結局、ぼくが起きたのはお昼前だった。

夜の見回りに行ってると、やっぱりどうしても寝るのは遅くなっちゃうし起きるのも遅くなる。

仕方ないことなんだけどね。

起き上がってあたりを見回すと、すぐ隣でヨミがすやすやと寝息をたてて寝ているのがわかった。

それと、ぼくより遅くに寝たはずのニナがもう起きていた。

「ゼロは?」

そう問うと、「ゼロ、イチ…ミウ、一緒、行っタ」という答えが返ってくる。

「そっか…」

ゼロ、大丈夫だろうか?

するとニナがぼくの心を読んだように、口を開く。

「多分…ゼロ、チカラ、使えナイ。…まだ。」

「…そっか…大丈夫かなゼロ」

「…イチ、ミウ、一緒。ダイジョウ、ブ」

その言葉を紡いだニナは、心なしか微笑んでいたような気がした。


「うーん…やっぱり慣れないな…」

見回りから帰ってきたゼロがそうぼやいていた。

「チカラのこと?」

「そう。…早く治るといいんだけど」

「そっか〜…原因がわかればぼくも何か手打てるんだけどな…」

「…原因ってほど大層なモノじゃないかもよ。案外、疲れてただけってことかもしれないし」

「そうかな〜…」

「うん。僕はファイが僕を治そうとしてくれてる気持ちだけで十分だよ。ありがとう」

ゼロはそう言うものの、やっぱりゼロに対して何もできないぼく自身をちょっと呪った。

ぼくはみんなに比べて全然、全然役に立ててないのに、こんな時にだって役に立てないの?

そんな考えが頭をよぎった。

ダメ、ダメ。ネガティブになっちゃダメ。

ダメだよ。世界が終わるかもしれないっていうのに。こんな事でヘコんでどうするの!

しっかりしてよぼく!

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創作診断「花戦―ハナイクサ―」の世界観共有用の資料です。ご参考までに。

それは、とある異形の、むかしのおはなし。