呼吸(全27話)

ゆき@A5158
@y01_k25

この痛みは、知らない

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夜道を歩いていたら


靴の踵が折れて転んだ


足を挫いたみたいで痛い


まだ反対の足でよかった


足を引き摺って帰るしかないか


左足を引き摺りながら帰路に着く


携帯は充電切れ、誰も呼べない


充電があっても、誰も呼べない


私は、1人だから




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街灯が薄く照らす道で車を走らせる


「…何だアレ」


歩道に何かがいた


気にしないで行こうとしたが


それに見覚えがあって車を停めた


あいつ、あの女は確か…


車から降りて近付いて確信に変わった


「何してんだこんな所で」


『…あ、中原さん』


あの無愛想女、千彩だった


街灯の下で呆然と座りこんでやがった


よく見ると足が腫れていた


『挫いて動けない』


「携帯使えよ」


『充電切れてる』


「…はぁ」


面倒事に巻き込みやがって


千彩を立たせて肩に担ぐ


それでも何の反応も見せない


本気マジで人形みてーだなコイツ


『別に、置いてっていいのに』


「その辺で野垂れ死んでみろ、俺たちの顔に泥を塗る気か」


『?』


「お前もポートマフィアの一員だろうが」


車の後部座席に乗せた


「家どこだ」


『………』


「おい」


『向こう』


どの辺とは言わず、指差しで方向を言う


分かりにくくて迷いながら家に着いた


かなり古い集合住宅アパートだった


着いた途端、後ろで音が聞こえた


振り向いた時には降りていた


『ありがとう、後はいい』


「おい!んな足じゃ歩けないだろ」


『この距離なら平気』


足を引き摺りながら部屋へ向かった


…何なんだアイツは


そう思いながら俺は自分の家へ帰った




+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+




ポートマフィアの一員、か


そんな事、言われた事ない


今まで私は1人の人間とすら


見てもらええなかったのに


何で、あの人は…


『……痛い』


足だけじゃない、胸も痛い


何でだろう、何で胸が痛いの


知らない、この痛みは初めて











(…明日、藤村に診てもらおう)