恋する動詞111題・021~030

みもち(創作アカ)
@mimochi_sousaku

021. 誓う:一氏ユウジ

忘れ物を取りに戻った教室で、君が一人で泣いていた。

「うわわわわどしたどした!? なんかあったんか!?」

あれこれ訊いても、キミは首をふるふると振り、ただ涙を零すだけ。

その涙が痛くて、どうにかして止めたくて、俺は何かせずにはいられなくなる。

「ちょ、こっち、これ見て! ホラホラ!」

モノマネ、変顔、小噺、モノボケ。

俺の出来る芸の全てでもって、全力でキミを笑わせにかかる。


やがてキミは顔を上げ、落ち込んでるのがアホらしくなった、と言って笑った。

ホッと胸を撫で下ろしながら、やっぱりキミは、笑ってるのが一番いい、と俺は思う。


「そやろ? 何があっても、とりあえず笑っとけば、大概のコトはどーでもよくなるもんや」

「…けど、どうしても笑えない時だってあるやん」

「心配すんな、どんな時も俺がお前を笑わせたる! 一生笑わせたる!」

「……なんやそれ、プロポーズ?」


冗談ばっかり、とクスクス笑うキミ。

つられて笑う、俺。


でも、プロポーズって思われても、全然構わないんだ。


キミを、一生笑わせる。

絶対に、泣かせたりしない。


誓うから。


だからさ。


俺にしなよ。